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クラウディア視点
社交シーズンも終わりに近づき、学園ではカイル殿下の卒業式が行われた。
式典が終わり、その日の夕方からは卒業パーティーがある。異世界学園ラブストーリーではお馴染みイベント、婚約破棄&断罪。
だが今回のパーティーではカイル皇太子は婚約者である俺はをエスコートし、ファーストダンスを踊った。誰が見ても美しく仲睦まじいカップルだ。
皇太子の卒業パーティーという事もあり、宰相をはじめ、学園とは関係の無い上位貴族等もお祝いの為に多数出席している。
そんな中リリアンはレイモンドにエスコートされていた。
もとから人目を引く珍しい髪色に加え、レイモンドが用意した高価なドレスや宝石、メイドのメイク技術のおかげでどの令嬢より目立っていた。
アレン殿下は俺にくらった傷がようやく目立たなくなったようだが、存在事態が元々目立たないのでひっそりと出席していた。
パーティーも終わりに近づいた頃、宰相であり俺の父でもあるザカリー侯爵が静粛を求め、挨拶を始めた。
「本日はカイル皇太子殿下のご卒業まことにおめでとうございます。さらにもう一つおめでたいご報告がございます。
アレン第二皇子殿下、どうぞ前へ。」
思いもよらず名前を呼ばれたアレン殿下は何事だろうかと恐る恐る前へと進み出た。
「おお、いらっしゃいましたか、まったくつつましやかな殿下はいつもどこにいらっしゃるか分からないですね。
先ほど殿下の婿入り先が決まりました。
おめでとうございます。」
「えっ?…何?」
何の事なのか理解できない様子のアレン殿下に皆口々に祝福を述べる。
「まっ、まて!何の事だ?」
「今しがた先方の国より返事をいただけたのです。」
「国?国外に?そんなわけがあるはずない!私はこの帝国の、」
「その先は言わぬほうがよい。」
カイル皇太子が遮る。
帝国の皇太子になるなどと口走ればその場で拘束されてしまうだろう。
ザカリー宰相はさらに続けて、
「アレン殿下はアディール王国に王配として迎え入れられる事になりました。」
「アディール?蛮族の国ではないか!そんな所、」
「殿下!」
ザカリー宰相は強い口調でたしなめる。
「口にお気をつけ下さい。他国の異文化を貶めるような発言はお控え下さい。
殿下には早々に異文化を学ぶためアディールに留学していただきます。」
アレン殿下は俺とリリアンを指差し、
「お前らだな!本当ならお前が婚約破棄されて、お前は、」
カイル殿下を指差した所で口を衛兵に塞がれた。
「アレン…私は悲しいよ。お前の裏切りは許されるものではない。だが私はお前を死罪にはしたくない。だからそれ以上口にしてはいけないよ。」
アレンは半ば引きずられるように衛兵につれられて会場を後にした。
社交シーズンも終わりに近づき、学園ではカイル殿下の卒業式が行われた。
式典が終わり、その日の夕方からは卒業パーティーがある。異世界学園ラブストーリーではお馴染みイベント、婚約破棄&断罪。
だが今回のパーティーではカイル皇太子は婚約者である俺はをエスコートし、ファーストダンスを踊った。誰が見ても美しく仲睦まじいカップルだ。
皇太子の卒業パーティーという事もあり、宰相をはじめ、学園とは関係の無い上位貴族等もお祝いの為に多数出席している。
そんな中リリアンはレイモンドにエスコートされていた。
もとから人目を引く珍しい髪色に加え、レイモンドが用意した高価なドレスや宝石、メイドのメイク技術のおかげでどの令嬢より目立っていた。
アレン殿下は俺にくらった傷がようやく目立たなくなったようだが、存在事態が元々目立たないのでひっそりと出席していた。
パーティーも終わりに近づいた頃、宰相であり俺の父でもあるザカリー侯爵が静粛を求め、挨拶を始めた。
「本日はカイル皇太子殿下のご卒業まことにおめでとうございます。さらにもう一つおめでたいご報告がございます。
アレン第二皇子殿下、どうぞ前へ。」
思いもよらず名前を呼ばれたアレン殿下は何事だろうかと恐る恐る前へと進み出た。
「おお、いらっしゃいましたか、まったくつつましやかな殿下はいつもどこにいらっしゃるか分からないですね。
先ほど殿下の婿入り先が決まりました。
おめでとうございます。」
「えっ?…何?」
何の事なのか理解できない様子のアレン殿下に皆口々に祝福を述べる。
「まっ、まて!何の事だ?」
「今しがた先方の国より返事をいただけたのです。」
「国?国外に?そんなわけがあるはずない!私はこの帝国の、」
「その先は言わぬほうがよい。」
カイル皇太子が遮る。
帝国の皇太子になるなどと口走ればその場で拘束されてしまうだろう。
ザカリー宰相はさらに続けて、
「アレン殿下はアディール王国に王配として迎え入れられる事になりました。」
「アディール?蛮族の国ではないか!そんな所、」
「殿下!」
ザカリー宰相は強い口調でたしなめる。
「口にお気をつけ下さい。他国の異文化を貶めるような発言はお控え下さい。
殿下には早々に異文化を学ぶためアディールに留学していただきます。」
アレン殿下は俺とリリアンを指差し、
「お前らだな!本当ならお前が婚約破棄されて、お前は、」
カイル殿下を指差した所で口を衛兵に塞がれた。
「アレン…私は悲しいよ。お前の裏切りは許されるものではない。だが私はお前を死罪にはしたくない。だからそれ以上口にしてはいけないよ。」
アレンは半ば引きずられるように衛兵につれられて会場を後にした。
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