16 / 81
第1章
素直な気持ちで 1
しおりを挟む
アイちゃんに戻ります!
「悲しいことは忘れたい 4」から続いています( ¨̮ )
-----------------------------------------------
sideアイ
冷たい風が頬を滑った感触がして目が覚めた。
辺りを見回すと、見知らぬ景色が広がっていた。
しかも、芝生の上で寝ている。
驚いて立ち上がり服についた芝を落とした。
なんで私こんな所で寝てるの…。
これまでの事を思い出そうとするけど頭がぼうっとしていて働かない。
取り敢えず座って考えた。
緑色の芝生は良く手入れされていて気持ち良い。
「おい!」
芝生をいじりながら考えていると、後ろから怒鳴り声が聞こえた。
振り返ると金髪の男の子が走って来た。
誰だか知らないけど、遠目からでも怒っているのが分かる。
怒りを宿した青い瞳は私を睨んでいる。
私は怖くなって後退りをした。
「出て行け!どうしてここに居るんだ」
えっ…。
「お前はもう要らない」
待って。
行かないで。
そう言いたいのに声が出ない。
私はあなたを知っている。
もう少しで思い出せるから、待って欲しい。
私は、あなたを忘れたくない。
だから。
٭❀*
「待って!!」
ベッドから飛び起きた。
天井に向かって手を伸ばしている。
「はあ………はぁ、…はっ」
前髪から水滴が落ち、シーツを濡らした。
呼吸が乱れていて苦しい。
「………ゆ、め?」
呼吸を整えながら周りを見ると、私の部屋だった。
正確に言うと、「私が居候をさせてもらっているマクファーソン家の別荘の一室」だけれど。
今の夢は、一体なんだろう。
既に忘れかけているが、胸が苦しくなった。
「あー思い出せない…」
私は呟きながらベッド横のテーブルに置いてあった水を飲み干した。
冷静になった私は、夢の事など頭になかった。
思い出したのはパーティでの事だけ。
私は具合いが悪くなって途中で帰ったんだ。
最悪だぁ………。
ルークくんと階段で休んで一瞬回復したけど、結局帰ったんだ。
しかも、ルークくんも巻き込んで。
ルークくんは友達に会うのを楽しみにしていたはず。
それなのに私に付き添って帰ったんだ。
私、最低すぎる。
ルークくんに謝罪に行かなきゃ…!
ぐしゃぐしゃの髪の毛を1つにまとめてドアノブに手をかけた。
あれ、軽い。
そう思ってドアを開けると、目の前にノアがいた。
「ノア!?どうしてここに。パーティは?」
「もう動いて大丈夫なのか!?」
全然答えになってないよ…。
「具合が悪くなって先に帰ったって聞いたから早く帰って来たんだよ。…どこに行こうとしてたんだ?安静にしてなきゃダメだろ」
「ご、ごめん。ルークくんに謝りに行こうと思って。その…私のせいでパーティ楽しめなかっ…」
「明日で良いだろ!今日は寝てないと」
ノアは私を部屋の中に入れた。
「待って、私はもう平気だから」
「こんなに汗かいてて熱があるかもしれないだろ」
「これは、ちょっと夢見が悪くて…」
「尚更寝てろ!」
ノアは私を押してベッドに放り込んだ。
ほんとに元気なのに…。
ノアを見るとなんだか元気が無い。
ノアこそ具合悪いんじゃないの?と思うくらい。
「ほんとにごめん」
頭を抱えてノアがベッドの横にしゃがみ込んだ。
「具合悪いの全然気付かなかった」
ルークくんもそんな事を言ってた気がする。
兄弟そろって優しいなぁ。
「色々あって混乱してるのに慣れてないパーティに連れてくとか配慮がなくてごめん」
「いや、ノアは悪くないよ。私が…ちょっと人酔いしちゃっただけだよ!」
心配させないように笑顔を作って言った。
でも、ノアはまだ納得いかない表情をしている。
「ごめん……明日の帰国はやめとこう」
ノアは早口で言う。
聞き逃しそうになったけど、私も一緒に行く前提で話してるよね?
「魔法学校の説明会も、今回はやめよう」
「それはダメだよ!だって、行きたいんでしょう?」
「でも、アイの体力とか…」
「私は全然大丈夫だよ!」
私は力強く言った。
ノアが魔法学校の話をしてる時、生き生きしてたもん。
私に遠慮して憧れの場所に行くチャンスを逃して欲しくない。
「それよりも、私も一緒にアン国まで行って良いんだなって思って安心しちゃったよ」
「え、行かないつもりだったのか?」
ノアは目を見開いて言った。
「悲しいことは忘れたい 4」から続いています( ¨̮ )
-----------------------------------------------
sideアイ
冷たい風が頬を滑った感触がして目が覚めた。
辺りを見回すと、見知らぬ景色が広がっていた。
しかも、芝生の上で寝ている。
驚いて立ち上がり服についた芝を落とした。
なんで私こんな所で寝てるの…。
これまでの事を思い出そうとするけど頭がぼうっとしていて働かない。
取り敢えず座って考えた。
緑色の芝生は良く手入れされていて気持ち良い。
「おい!」
芝生をいじりながら考えていると、後ろから怒鳴り声が聞こえた。
振り返ると金髪の男の子が走って来た。
誰だか知らないけど、遠目からでも怒っているのが分かる。
怒りを宿した青い瞳は私を睨んでいる。
私は怖くなって後退りをした。
「出て行け!どうしてここに居るんだ」
えっ…。
「お前はもう要らない」
待って。
行かないで。
そう言いたいのに声が出ない。
私はあなたを知っている。
もう少しで思い出せるから、待って欲しい。
私は、あなたを忘れたくない。
だから。
٭❀*
「待って!!」
ベッドから飛び起きた。
天井に向かって手を伸ばしている。
「はあ………はぁ、…はっ」
前髪から水滴が落ち、シーツを濡らした。
呼吸が乱れていて苦しい。
「………ゆ、め?」
呼吸を整えながら周りを見ると、私の部屋だった。
正確に言うと、「私が居候をさせてもらっているマクファーソン家の別荘の一室」だけれど。
今の夢は、一体なんだろう。
既に忘れかけているが、胸が苦しくなった。
「あー思い出せない…」
私は呟きながらベッド横のテーブルに置いてあった水を飲み干した。
冷静になった私は、夢の事など頭になかった。
思い出したのはパーティでの事だけ。
私は具合いが悪くなって途中で帰ったんだ。
最悪だぁ………。
ルークくんと階段で休んで一瞬回復したけど、結局帰ったんだ。
しかも、ルークくんも巻き込んで。
ルークくんは友達に会うのを楽しみにしていたはず。
それなのに私に付き添って帰ったんだ。
私、最低すぎる。
ルークくんに謝罪に行かなきゃ…!
ぐしゃぐしゃの髪の毛を1つにまとめてドアノブに手をかけた。
あれ、軽い。
そう思ってドアを開けると、目の前にノアがいた。
「ノア!?どうしてここに。パーティは?」
「もう動いて大丈夫なのか!?」
全然答えになってないよ…。
「具合が悪くなって先に帰ったって聞いたから早く帰って来たんだよ。…どこに行こうとしてたんだ?安静にしてなきゃダメだろ」
「ご、ごめん。ルークくんに謝りに行こうと思って。その…私のせいでパーティ楽しめなかっ…」
「明日で良いだろ!今日は寝てないと」
ノアは私を部屋の中に入れた。
「待って、私はもう平気だから」
「こんなに汗かいてて熱があるかもしれないだろ」
「これは、ちょっと夢見が悪くて…」
「尚更寝てろ!」
ノアは私を押してベッドに放り込んだ。
ほんとに元気なのに…。
ノアを見るとなんだか元気が無い。
ノアこそ具合悪いんじゃないの?と思うくらい。
「ほんとにごめん」
頭を抱えてノアがベッドの横にしゃがみ込んだ。
「具合悪いの全然気付かなかった」
ルークくんもそんな事を言ってた気がする。
兄弟そろって優しいなぁ。
「色々あって混乱してるのに慣れてないパーティに連れてくとか配慮がなくてごめん」
「いや、ノアは悪くないよ。私が…ちょっと人酔いしちゃっただけだよ!」
心配させないように笑顔を作って言った。
でも、ノアはまだ納得いかない表情をしている。
「ごめん……明日の帰国はやめとこう」
ノアは早口で言う。
聞き逃しそうになったけど、私も一緒に行く前提で話してるよね?
「魔法学校の説明会も、今回はやめよう」
「それはダメだよ!だって、行きたいんでしょう?」
「でも、アイの体力とか…」
「私は全然大丈夫だよ!」
私は力強く言った。
ノアが魔法学校の話をしてる時、生き生きしてたもん。
私に遠慮して憧れの場所に行くチャンスを逃して欲しくない。
「それよりも、私も一緒にアン国まで行って良いんだなって思って安心しちゃったよ」
「え、行かないつもりだったのか?」
ノアは目を見開いて言った。
0
あなたにおすすめの小説
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
いや、無理。 (本編完結)
詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。
一旦完結にしましたが、他者視点を随時更新の間連載中に戻します。
もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、
「わかってくれるだろう?ミーナ」
と手を差し伸べた。
だから私はこう答えた。
「いや、無理」
と。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】
積み上がった伏線の回収目前!!
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる