初恋と悪あがき

村上りく

文字の大きさ
15 / 81
第1章

降参なんて、してやらない(sideリュカ)

しおりを挟む
sideリュカ


「そいつ、怪しくない?」


アレクにそう言われた2日後、ソフィアは俺の家にやって来た。
そして今日も絶好調でぶりぶりしてくる。
流石にそろそろ胃もたれしてくる。

「あれぇ、リュカ様。今日は一華さんいらっしゃらないんですか?」

そして、俺の怒りのポイントをついてくる。
ぶん殴りてぇ。
でも、証拠を掴むまで我慢しないとな…。
アレクと話し合った結果、ソフィアこの女がグリゴリーをそそのかした可能性が高いという結論に至った。

「ちょっと出かけてるんだ」

「そうなんですかぁ。お話したかったから残念だな…」

指を唇にあてて言う。
なんだそのポーズは、はったおすぞ。
怒りを押さえ込みながら作戦を実行した。

「リュカ様、アレクスィ様がいらっしゃいましたよ」

「おう、すぐ行く」

「お友達ですか?」

「ああ、ちょっと行ってくるからグリゴリーとでも話しててくれ」

「リュカ様のお友達でしたら、私も挨拶を…」
「今日は大事な話だから今度紹介するな!」

危ない危ない、一緒に来られたら作戦が台無しだもんな。
アレクと合流し、俺の部屋に行く。
これでグリゴリーとソフィアは2人きりだ。

「グリゴリーがソフィアの家庭教師だったって本当なんだよな?」

「うん、本当だよ」

有能な友達を持って幸せだ。
アレクはグリゴリーとソフィアの関係について2日で調べてきてくれた。
どうやったのかはナイショだそうだ。
俺は席に小型録音機を置いて来た。
グリゴリーとソフィアは2人きり。
2人の会話をすこーしだけ録音させてもらう。


そしてその夜。


٭❀*


アレクはウチに泊まることになったので、俺の部屋で録音機を再生した。


『グリゴリーさん、本当に上手くいったんですか?』

俺が居なくなった後すぐに聞こえたのは低い女の声。
え、もしかしてソフィア?
地声こんなに低いの?
普段作りすぎだろ!
隣で聞いていたアレクもドン引きしている。
女って怖いな。

『ええ、一華は昨日の真夜中に出て行きましたよ』

これはグリゴリーの声だ。

「この会話って…」

「ああ、間違いないな」

俺とアレクは目を見合わせた。
一華を追い出したのは確実にこの2人だ。
確信した途端怒りがふつふつと湧いてくる。
 
『ですが、よくあんなにタイミング良くリュカ様から言葉を引き出せましたね』

『リュカ様って可愛らしいわよね。私が言って欲しいこと全部くれるんだもの』

ソフィアの高笑いが響いた。

『一華の表情かおは傑作でしたよ。必死に泣くのを堪えながら私の部屋に来ましたから』

『ふふふっ、結構可愛い子だったわよねぇ。まあ、だから邪魔だったんだけど』



「おい、リュカ!壊すな証拠まで無くなるぞ!!!!」


アレクの声で我に返った。
俺は無意識に録音機を壊そうとしていた。


「悪い」

「あっぶないな。…でも、これではっきりしたね」

「ああ」



グリゴリーとソフィアこいつら許さねぇ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

踏み台(王女)にも事情はある

mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。 聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。 王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。

【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する

ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。 夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。 社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。 ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。 「私たち、離婚しましょう」 アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。 どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。 彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。 アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。 こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。

いや、無理。 (本編完結)

詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。 一旦完結にしましたが、他者視点を随時更新の間連載中に戻します。 もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、 「わかってくれるだろう?ミーナ」 と手を差し伸べた。 だから私はこう答えた。 「いや、無理」 と。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】 積み上がった伏線の回収目前!! 夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。 長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。 待っていたのは、凍てつく絶望。 けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。 「夫は愛人と生きればいい。  今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」 それでも私は誓う―― 「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」 歪で、完全な幸福――それとも、破滅。 “石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...