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第2章
複雑な恋模様
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sideアイ
私は目を丸くした。
「ぇえ……と?紅花ちゃん、落ち着いて…」
「落ち着いてられない!世の中不公平なのよ!」
「う、うん。そうだね……えー、紅花ちゃんはサシャさんのことをとても尊敬してるって話、かな?」
「大好きって話よ!ちゃんと聞いてんの!?」
私は混乱した。
まず、紅花ちゃんがこんなによく喋る子だと思っていなかった。
次に、紅花ちゃんはリュカくんの婚約者だから、リュカくんのこと好きだと思ってた。
そして、私がサシャさんのお気に入り?って、言ってる意味が分からない。
早口過ぎて聞き取れなかったけど今の一言、ツッコミどころ多かった気がする。
私は紅花ちゃんのいるベッド脇の椅子に座った。
「紅花ちゃん、良ければもう少し話をしよう?」
「………今、全部言った」
「ゆっくり、聞かせて欲しい」
紅花ちゃんは私を睨んだ。
私は睨まれた時、どうして良いか分からなくて誤魔化すように笑う。
「………そーゆーとこだよね」
紅花ちゃんは、泣いていた。
悔しそうで、悲しそうで、何かを諦めたような顔で。
「……笑えば良いの?教えてよ、あなたはどうやって、サシャさんの心を掴んだの?」
サシャさんの心を掴むとか、お気に入りとか。
紅花ちゃんは何を勘違いしてるんだろう。
サシャさんは紅花ちゃんのことを大切に思っているのに。
電話越しでも分かった。
サシャさんがどれだけ紅花ちゃんのことが大好きか。
今も必死にここに向かってる。
「泣かないで、紅花ちゃん」
上手い言葉が見つからない。
サシャさんは紅花ちゃんのことが好きなんだよ、とか、私は別に気に入られてないよ、とか。
私の口から言っても全然意味が無いと思う。
だから、「泣かないで」しか言えない。
「アイはどうしてあたしが酷いこと言っても諦めないの?嫌に、ならないの?」
「えっ………」
意外な質問に戸惑った。
もちろん紅花ちゃんは厳しいし、酷いこと言うし、勧誘も諦めようかなって思ったことは何度もある。
「最初は合宿の勧誘をするからって、自分のために紅花ちゃんに話しかけてたんだけど……。えぇと、そうなだな……、最近紅花ちゃんて無理矢理暴言吐いてる気がしてきて。わざと私に冷たいのかな~って思ったの」
紅花ちゃんは何も言わなかった。
「話し掛けてたら、ちょっとだけど笑ってくれる時もあったでしょ?だから、仲良くなりたいと思ったの」
満面ではないけど笑ってくれた時、すごく嬉しかった。
絶対悪い子じゃないって思った。
「………変な子」
「へ、変じゃないよ?別に。……それに今スルーしちゃったけど、アイって呼んでくれた、よね?」
「呼んでない」
「え、嘘。絶対呼んだよ」
「呼んでない」
そんな掛け合いをしていると、ノック音がしてからドアが開いた。
ノアだ。
「サシャさんそろそろ着くって………大丈夫か?」
泣いている紅花ちゃんを見ての気遣いだろう。
目が赤い紅花ちゃんを見たらサシャさんはきっと驚く。
「………目の腫れが引くまで、会わない」
紅花ちゃんは俯いて言った。
ノアは「了解」とだけ言って、保健室から出て行った。
また2人きりになって、沈黙が続いた。
外からの部活動中の生徒の声だけが響いた。
数分してから、紅花ちゃんはゆっくり話し始めた。
「あたしとサシャさんは、もう会ってから10年くらい経つんだけど………」
紅花ちゃんは教えてくれた。
6歳の時サシャさんと出会って、それが初恋で、片思い歴10年だということや、サシャさんのタイプに合わせて黒い髪をストロベリーブロンドに染めたこととか。
リュカくんの婚約者候補だけど、本当は今も昔もずっとサシャさんのことが好きだってことも。
「10歳差は、埋められないって実感してる。サシャさんはあたしのこと妹だと思ってるから」
悲しそうに言う紅花ちゃんを見て私は不思議に思った。
「紅花ちゃんが倒れた」と電話した時の、サシャさんの焦った声。
2人は多分、両思いなのに。
「サシャさんも、年の差を気にしてるんじゃないかな。しかも、リュカくんの婚約者候補だし」
紅花ちゃんは首を横に振った。
「サシャさんはあたしの気持ち絶対分かってる。分かった上で遠ざけるのは、迷惑ってことだから」
そうなのかな?
もし迷惑だと思ってたら────
ガラッと、ノックも無しで保健室のドアが開いた。
「紅花、大丈夫か!?」
サシャさんだった。
呼吸は荒く、額には汗が光っている。
────もし迷惑だと思ってたら、こんなに一生懸命にならないよね?
私は目を丸くした。
「ぇえ……と?紅花ちゃん、落ち着いて…」
「落ち着いてられない!世の中不公平なのよ!」
「う、うん。そうだね……えー、紅花ちゃんはサシャさんのことをとても尊敬してるって話、かな?」
「大好きって話よ!ちゃんと聞いてんの!?」
私は混乱した。
まず、紅花ちゃんがこんなによく喋る子だと思っていなかった。
次に、紅花ちゃんはリュカくんの婚約者だから、リュカくんのこと好きだと思ってた。
そして、私がサシャさんのお気に入り?って、言ってる意味が分からない。
早口過ぎて聞き取れなかったけど今の一言、ツッコミどころ多かった気がする。
私は紅花ちゃんのいるベッド脇の椅子に座った。
「紅花ちゃん、良ければもう少し話をしよう?」
「………今、全部言った」
「ゆっくり、聞かせて欲しい」
紅花ちゃんは私を睨んだ。
私は睨まれた時、どうして良いか分からなくて誤魔化すように笑う。
「………そーゆーとこだよね」
紅花ちゃんは、泣いていた。
悔しそうで、悲しそうで、何かを諦めたような顔で。
「……笑えば良いの?教えてよ、あなたはどうやって、サシャさんの心を掴んだの?」
サシャさんの心を掴むとか、お気に入りとか。
紅花ちゃんは何を勘違いしてるんだろう。
サシャさんは紅花ちゃんのことを大切に思っているのに。
電話越しでも分かった。
サシャさんがどれだけ紅花ちゃんのことが大好きか。
今も必死にここに向かってる。
「泣かないで、紅花ちゃん」
上手い言葉が見つからない。
サシャさんは紅花ちゃんのことが好きなんだよ、とか、私は別に気に入られてないよ、とか。
私の口から言っても全然意味が無いと思う。
だから、「泣かないで」しか言えない。
「アイはどうしてあたしが酷いこと言っても諦めないの?嫌に、ならないの?」
「えっ………」
意外な質問に戸惑った。
もちろん紅花ちゃんは厳しいし、酷いこと言うし、勧誘も諦めようかなって思ったことは何度もある。
「最初は合宿の勧誘をするからって、自分のために紅花ちゃんに話しかけてたんだけど……。えぇと、そうなだな……、最近紅花ちゃんて無理矢理暴言吐いてる気がしてきて。わざと私に冷たいのかな~って思ったの」
紅花ちゃんは何も言わなかった。
「話し掛けてたら、ちょっとだけど笑ってくれる時もあったでしょ?だから、仲良くなりたいと思ったの」
満面ではないけど笑ってくれた時、すごく嬉しかった。
絶対悪い子じゃないって思った。
「………変な子」
「へ、変じゃないよ?別に。……それに今スルーしちゃったけど、アイって呼んでくれた、よね?」
「呼んでない」
「え、嘘。絶対呼んだよ」
「呼んでない」
そんな掛け合いをしていると、ノック音がしてからドアが開いた。
ノアだ。
「サシャさんそろそろ着くって………大丈夫か?」
泣いている紅花ちゃんを見ての気遣いだろう。
目が赤い紅花ちゃんを見たらサシャさんはきっと驚く。
「………目の腫れが引くまで、会わない」
紅花ちゃんは俯いて言った。
ノアは「了解」とだけ言って、保健室から出て行った。
また2人きりになって、沈黙が続いた。
外からの部活動中の生徒の声だけが響いた。
数分してから、紅花ちゃんはゆっくり話し始めた。
「あたしとサシャさんは、もう会ってから10年くらい経つんだけど………」
紅花ちゃんは教えてくれた。
6歳の時サシャさんと出会って、それが初恋で、片思い歴10年だということや、サシャさんのタイプに合わせて黒い髪をストロベリーブロンドに染めたこととか。
リュカくんの婚約者候補だけど、本当は今も昔もずっとサシャさんのことが好きだってことも。
「10歳差は、埋められないって実感してる。サシャさんはあたしのこと妹だと思ってるから」
悲しそうに言う紅花ちゃんを見て私は不思議に思った。
「紅花ちゃんが倒れた」と電話した時の、サシャさんの焦った声。
2人は多分、両思いなのに。
「サシャさんも、年の差を気にしてるんじゃないかな。しかも、リュカくんの婚約者候補だし」
紅花ちゃんは首を横に振った。
「サシャさんはあたしの気持ち絶対分かってる。分かった上で遠ざけるのは、迷惑ってことだから」
そうなのかな?
もし迷惑だと思ってたら────
ガラッと、ノックも無しで保健室のドアが開いた。
「紅花、大丈夫か!?」
サシャさんだった。
呼吸は荒く、額には汗が光っている。
────もし迷惑だと思ってたら、こんなに一生懸命にならないよね?
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