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第2章
本当に欲しいもの 3(sideリュカ)
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sideリュカ
「アイちゃんに何してるの!?」
「お前なにしてんの!?」
「リュカ、落ち着け」
「ちょっと変態!何してんのよ!」
俺以外は皆口角を下げていた。
べりっと、俺とアイを剥がして全員大きな声を出す。
あれ、俺何やってんだ……。
自分の行動に驚いた。
٭❀*
それから俺への態度を変えたのは、ルークだ。
さっきまで子犬のように無邪気に甘えてきたのに、今度はアイの番犬のように俺を警戒している。
かなりアイに懐いていて、さっきの行動で俺を敵だと見なしたのだろう。
アイとは1番遠くの、対角線上の席にされ、触ることはおろか話も出来ない。
……………別に、良いけどな!
今日はアイに勉強を教えてやろうと思って数学の復習をしてきたというのに、意味が無くなってしまった。
くっそ暇だ。
俺は課題なんてないし、予習なんてやったら授業が暇すぎて死ねる。
「リュカ、勉強しないと今日集まった意味が無くなるよ」
「あー?俺はお前とは脳みその作りが違ぇんだ」
「その余裕なオーラは今すごく邪魔だから、ノートに落書きでもしててよ」
アレクはしっしと手を動かした。
何だよ、皆して黙りやがって(※勉強会だからです)。
イライラしながら、アレクが言った通り「落書き」を始めた。
俺の才能を見せてやる。
そんな気持ちで、ルークのペンケースにくっついているキーホルダーの絵をノートのど真ん中にデカデカと描いた。
アン国で今爆発的人気を誇るオオカミのキャラクター、ウォルフィーくんだ。
タレ目なのに目付きが悪い、不思議な表情をしている。
ウォルフィーくんが完成に近付いてきた頃、俺の後ろをルークが通った。
その時に、絵が目に入ったのだろう。
「リュカくん、それウォルフィーくん!?すっごーーく上手だね!!」
ルークは目を輝かせて言った。
そうだろう、そうだろう。
俺は天に二物……いや、三物くらい与えられてる男だからな。
絵の才能にも溢れているんだ。
「うわ、相変わらず上手いね」
アレクは少し驚いた様子を見せた。
「最近描いて無かったから訛ってると思ってたよ」
「あぁ?俺はブランクも才能でカバー出来るタイプの人間なんだよ」
俺が得意げに言うと、ルークが言った。
「じゃあこっちも描いて!トラのリグラーも!」
「良いぞ」と言ってさらさらと描いてやった。
アレクの言った通り、俺は絵を描いたのは久しぶりだ。
昔は本当に沢山の絵を描いていた。
色々あって全く描かなくなってたけど、やっぱり楽しいな。
気分よくノートを動物たちで埋めていると、ルークがこんな質問をしてきた。
「似顔絵とか、景色とかも描くの?」
「………そうだな、昔は描いてた。コンクールで優勝したこともある」
俺は絵を描くのが好きだった。
特に、人を描くのが好きだった。
出来れば髪の長い女性を描きたくて、モデルを探しに街へ出たことさえあった。
女の子の髪の毛は男とは違う。
柔らかくて、繊細で、光の角度で色を変えて。
そういや、一華のことをちゃんと描いたこと無かったな。
いつも、あいつに隠れてこっそりモデルにしてた。
スケッチブックには、俺の方を向いてない一華の絵が沢山あるはず──────
懐かしさに浸っていたらペンが止まっていた。
ルークが不思議そうな目で俺を見る。
敵を見るような目では無く、無邪気な子どもの目だ。
それを見て、ほとんど無意識に言っていた。
「ルークのこと描いて良いか?」
昔好きだったことをまた好きになるきっかけは突然やってくるのだと、思った。
٭❀*
「リュカくん、何かポーズとかとるの?」
俺は「描くんだったら外でやって」とアレクに言われ、ルークと一緒に庭へ出た。
良く手入れされたバラたちに囲まれ、ペンを握る。
「要らねぇ。ずっと喋ってろ」
「喋るって?」
「リラックスしてる顔が1番良いんだ。好きな食べ物の解説でもしてろ」
「えぇ~、じゃあ、リュカくんに質問しても良い?」
「構わねぇ」
テキトーに返事をした。
すると、ルークはにっこり笑って言った。
「アイちゃんのこと好きなの?」
バ キ ン
ペンが折れた。
違う、俺が折ったんだ。
「もしかして動揺して折った?分かりやすいねぇ」
ルークは真っ白のベンチに座って楽しそうに足をパタパタさせた。
………こいつ、二重人格か?
さっきまで出会った時みたいな無邪気な子どもだったのに、今はアイに触った時のちょっと黒いオーラが出てる……気がする。
「これは影をつけようとしたら力を加えすぎたんだ。べ、別に動揺して折った訳じゃねぇ!」
「本当に~?じゃあどうして最初あんなことしたの」
「……あ、あれは!あいつが今日やけにキラキラしてたから化粧でもしてんのかと思って確認したんだよ」
「エプロン姿可愛いよね、僕も好き」
「あぁ、めっちゃかわ……………」
………あ、やべぇ。
「めっちゃかわ」まで言ってしまった。
ここから誤魔化すためにはどうすれば良い。
「大丈夫リュカくん。そこから誤魔化してもしなくても、もう分かってるから」
ルークがやべぇ奴にしか見えない。
確かこいつ9歳かそこらだった気がする。
何だこのオーラ。
「リュカくんて意外にアイちゃんみたいなとこあるんだね」
ノアにそっくりな笑い方。
天使のように愛くるしい笑顔の奥で一体何を考えているのだろう。
「アイちゃんに何してるの!?」
「お前なにしてんの!?」
「リュカ、落ち着け」
「ちょっと変態!何してんのよ!」
俺以外は皆口角を下げていた。
べりっと、俺とアイを剥がして全員大きな声を出す。
あれ、俺何やってんだ……。
自分の行動に驚いた。
٭❀*
それから俺への態度を変えたのは、ルークだ。
さっきまで子犬のように無邪気に甘えてきたのに、今度はアイの番犬のように俺を警戒している。
かなりアイに懐いていて、さっきの行動で俺を敵だと見なしたのだろう。
アイとは1番遠くの、対角線上の席にされ、触ることはおろか話も出来ない。
……………別に、良いけどな!
今日はアイに勉強を教えてやろうと思って数学の復習をしてきたというのに、意味が無くなってしまった。
くっそ暇だ。
俺は課題なんてないし、予習なんてやったら授業が暇すぎて死ねる。
「リュカ、勉強しないと今日集まった意味が無くなるよ」
「あー?俺はお前とは脳みその作りが違ぇんだ」
「その余裕なオーラは今すごく邪魔だから、ノートに落書きでもしててよ」
アレクはしっしと手を動かした。
何だよ、皆して黙りやがって(※勉強会だからです)。
イライラしながら、アレクが言った通り「落書き」を始めた。
俺の才能を見せてやる。
そんな気持ちで、ルークのペンケースにくっついているキーホルダーの絵をノートのど真ん中にデカデカと描いた。
アン国で今爆発的人気を誇るオオカミのキャラクター、ウォルフィーくんだ。
タレ目なのに目付きが悪い、不思議な表情をしている。
ウォルフィーくんが完成に近付いてきた頃、俺の後ろをルークが通った。
その時に、絵が目に入ったのだろう。
「リュカくん、それウォルフィーくん!?すっごーーく上手だね!!」
ルークは目を輝かせて言った。
そうだろう、そうだろう。
俺は天に二物……いや、三物くらい与えられてる男だからな。
絵の才能にも溢れているんだ。
「うわ、相変わらず上手いね」
アレクは少し驚いた様子を見せた。
「最近描いて無かったから訛ってると思ってたよ」
「あぁ?俺はブランクも才能でカバー出来るタイプの人間なんだよ」
俺が得意げに言うと、ルークが言った。
「じゃあこっちも描いて!トラのリグラーも!」
「良いぞ」と言ってさらさらと描いてやった。
アレクの言った通り、俺は絵を描いたのは久しぶりだ。
昔は本当に沢山の絵を描いていた。
色々あって全く描かなくなってたけど、やっぱり楽しいな。
気分よくノートを動物たちで埋めていると、ルークがこんな質問をしてきた。
「似顔絵とか、景色とかも描くの?」
「………そうだな、昔は描いてた。コンクールで優勝したこともある」
俺は絵を描くのが好きだった。
特に、人を描くのが好きだった。
出来れば髪の長い女性を描きたくて、モデルを探しに街へ出たことさえあった。
女の子の髪の毛は男とは違う。
柔らかくて、繊細で、光の角度で色を変えて。
そういや、一華のことをちゃんと描いたこと無かったな。
いつも、あいつに隠れてこっそりモデルにしてた。
スケッチブックには、俺の方を向いてない一華の絵が沢山あるはず──────
懐かしさに浸っていたらペンが止まっていた。
ルークが不思議そうな目で俺を見る。
敵を見るような目では無く、無邪気な子どもの目だ。
それを見て、ほとんど無意識に言っていた。
「ルークのこと描いて良いか?」
昔好きだったことをまた好きになるきっかけは突然やってくるのだと、思った。
٭❀*
「リュカくん、何かポーズとかとるの?」
俺は「描くんだったら外でやって」とアレクに言われ、ルークと一緒に庭へ出た。
良く手入れされたバラたちに囲まれ、ペンを握る。
「要らねぇ。ずっと喋ってろ」
「喋るって?」
「リラックスしてる顔が1番良いんだ。好きな食べ物の解説でもしてろ」
「えぇ~、じゃあ、リュカくんに質問しても良い?」
「構わねぇ」
テキトーに返事をした。
すると、ルークはにっこり笑って言った。
「アイちゃんのこと好きなの?」
バ キ ン
ペンが折れた。
違う、俺が折ったんだ。
「もしかして動揺して折った?分かりやすいねぇ」
ルークは真っ白のベンチに座って楽しそうに足をパタパタさせた。
………こいつ、二重人格か?
さっきまで出会った時みたいな無邪気な子どもだったのに、今はアイに触った時のちょっと黒いオーラが出てる……気がする。
「これは影をつけようとしたら力を加えすぎたんだ。べ、別に動揺して折った訳じゃねぇ!」
「本当に~?じゃあどうして最初あんなことしたの」
「……あ、あれは!あいつが今日やけにキラキラしてたから化粧でもしてんのかと思って確認したんだよ」
「エプロン姿可愛いよね、僕も好き」
「あぁ、めっちゃかわ……………」
………あ、やべぇ。
「めっちゃかわ」まで言ってしまった。
ここから誤魔化すためにはどうすれば良い。
「大丈夫リュカくん。そこから誤魔化してもしなくても、もう分かってるから」
ルークがやべぇ奴にしか見えない。
確かこいつ9歳かそこらだった気がする。
何だこのオーラ。
「リュカくんて意外にアイちゃんみたいなとこあるんだね」
ノアにそっくりな笑い方。
天使のように愛くるしい笑顔の奥で一体何を考えているのだろう。
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