76 / 81
第2章
本当に欲しいもの 2(sideリュカ)
しおりを挟む
sideリュカ
そして週末。
「皆さんこんにちは!」
マクファーソン家の呼び鈴を鳴らしたら、ノアをそのまま縮めたような少年が出て来た。
声変わりはしていない、鈴の音の様な声で俺たちを迎えてくれた。
「ルーク、お邪魔します」
ノアの弟のルークは、アレクと仲が良いらしい。
アレクはルークの頭を撫で回した。
気持ちは分からんでもない。
赤茶のふわふわした髪にくりっとした瞳が犬を思わせるから。
「リュカくんもこんにちは」
1度しか会っていないのに笑顔で挨拶をしてきた。
……………なるほど、これは可愛い。
子どもは好きじゃないけれど、ルークは好きになれそうだ。
流石ノアと同じ遺伝子。
「アレクくん、このお姉さんは?」
「紅花ちゃんだよ。自己紹介してあげな」
アレクがそう言うと、ルークは紅花に自己紹介を始めた。
俺と同じく子ども嫌いの紅花も結構喋っているようだ。
すげぇな、マクファーソンの血。
俺が感心していると、奥からノアが「出られなくて悪い」と言いながらやって来た。
全員でノアの部屋に移動する。
ノアの部屋は、まぁ、イメージ通りだった。
ベージュやアイボリーなどの優しい色を基調とした部屋で、木目の家具が多く、観葉植物なんかもある。
なんか変な魚の水槽もある。
「アントルサって言う魔魚なんだ」
水槽を眺めていると後ろからノアが言った。
突然の事だったので驚いた。
「可愛くねー魚」
「そんなこと言うなって」
ノアは一瞬笑ってから、真剣な顔になった。
「今日はごめん。無理矢理俺ん家に呼んじゃって」
「良いよ。俺がうっかり誘っちまったの気付いたんだろ?」
俺の家に誘った時、しまったと思った。
昔住んでいた所に行ったら、思い出してしまう可能性がある。
ノアはそれをフォローするためにやや不自然な言い回しをして自分の家で勉強会をするよう言ったんだ。
仕方の無い事なのに、ノアはしょんぼりしている。
「そんな顔するなって。ほら、勉強するんだろ。…………てか、アイはまだ来てないのか?」
ノアの部屋にもいない。
玄関でも見なかった。
「あぁ、アイなら………」
ノアが言いかけたところで、ノック音が響いた。
「開けて~」と、アイの声がする。
ルークが慌てて扉を開けると───
「ルークくんありがと~。あ!もう皆来てたんだね。見て見て、ケーキ焼いてみたんだ!」
エプロン姿のアイだった。
……………はっ?
なんか、化粧でもしてんのか?
なんか、ラメ入ってね?
今日のアイは、やたらキラキラしていた。
俺の目がおかしくなったのだろうか。
エプロンの下にはシンプルなTシャツに、ふんわりとしたロングスカート。
お盆にケーキを乗せて、「美味しそうでしょ?」と得意げに笑う。
一華と重なる。
俺は、気付いたらアイの顔を両手で挟んで、かなり顔を近付けていた。
「お前、化粧してんのか?」
俺の問いかけに、アイは間抜けな声を出して赤くなった。
俺は構わずアイの顔面を眺めた。
アイは驚きか恥ずかしさか両方か知らないが、硬直していた。
口が開いてて間抜け面だ。
俺にからかわれてこいつが赤くなる。
久しぶりだ。
「あはははっ、すげぇ間抜けな顔してんぞ」
俺は懐かしさと嬉しさと、色んな感情によってめちゃくちゃ口角が上がった。
そして週末。
「皆さんこんにちは!」
マクファーソン家の呼び鈴を鳴らしたら、ノアをそのまま縮めたような少年が出て来た。
声変わりはしていない、鈴の音の様な声で俺たちを迎えてくれた。
「ルーク、お邪魔します」
ノアの弟のルークは、アレクと仲が良いらしい。
アレクはルークの頭を撫で回した。
気持ちは分からんでもない。
赤茶のふわふわした髪にくりっとした瞳が犬を思わせるから。
「リュカくんもこんにちは」
1度しか会っていないのに笑顔で挨拶をしてきた。
……………なるほど、これは可愛い。
子どもは好きじゃないけれど、ルークは好きになれそうだ。
流石ノアと同じ遺伝子。
「アレクくん、このお姉さんは?」
「紅花ちゃんだよ。自己紹介してあげな」
アレクがそう言うと、ルークは紅花に自己紹介を始めた。
俺と同じく子ども嫌いの紅花も結構喋っているようだ。
すげぇな、マクファーソンの血。
俺が感心していると、奥からノアが「出られなくて悪い」と言いながらやって来た。
全員でノアの部屋に移動する。
ノアの部屋は、まぁ、イメージ通りだった。
ベージュやアイボリーなどの優しい色を基調とした部屋で、木目の家具が多く、観葉植物なんかもある。
なんか変な魚の水槽もある。
「アントルサって言う魔魚なんだ」
水槽を眺めていると後ろからノアが言った。
突然の事だったので驚いた。
「可愛くねー魚」
「そんなこと言うなって」
ノアは一瞬笑ってから、真剣な顔になった。
「今日はごめん。無理矢理俺ん家に呼んじゃって」
「良いよ。俺がうっかり誘っちまったの気付いたんだろ?」
俺の家に誘った時、しまったと思った。
昔住んでいた所に行ったら、思い出してしまう可能性がある。
ノアはそれをフォローするためにやや不自然な言い回しをして自分の家で勉強会をするよう言ったんだ。
仕方の無い事なのに、ノアはしょんぼりしている。
「そんな顔するなって。ほら、勉強するんだろ。…………てか、アイはまだ来てないのか?」
ノアの部屋にもいない。
玄関でも見なかった。
「あぁ、アイなら………」
ノアが言いかけたところで、ノック音が響いた。
「開けて~」と、アイの声がする。
ルークが慌てて扉を開けると───
「ルークくんありがと~。あ!もう皆来てたんだね。見て見て、ケーキ焼いてみたんだ!」
エプロン姿のアイだった。
……………はっ?
なんか、化粧でもしてんのか?
なんか、ラメ入ってね?
今日のアイは、やたらキラキラしていた。
俺の目がおかしくなったのだろうか。
エプロンの下にはシンプルなTシャツに、ふんわりとしたロングスカート。
お盆にケーキを乗せて、「美味しそうでしょ?」と得意げに笑う。
一華と重なる。
俺は、気付いたらアイの顔を両手で挟んで、かなり顔を近付けていた。
「お前、化粧してんのか?」
俺の問いかけに、アイは間抜けな声を出して赤くなった。
俺は構わずアイの顔面を眺めた。
アイは驚きか恥ずかしさか両方か知らないが、硬直していた。
口が開いてて間抜け面だ。
俺にからかわれてこいつが赤くなる。
久しぶりだ。
「あはははっ、すげぇ間抜けな顔してんぞ」
俺は懐かしさと嬉しさと、色んな感情によってめちゃくちゃ口角が上がった。
0
あなたにおすすめの小説
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
いや、無理。 (本編完結)
詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。
一旦完結にしましたが、他者視点を随時更新の間連載中に戻します。
もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、
「わかってくれるだろう?ミーナ」
と手を差し伸べた。
だから私はこう答えた。
「いや、無理」
と。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】
積み上がった伏線の回収目前!!
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる