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恨み④
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『ヘンリエッタ』夫人は、テルニア国の第4王女として生まれた。
母は男爵令嬢で側室だった事と、8人兄弟姉妹の7番目だった為、周りの人達はもちろん、父親である王にさえ、忘れられる事がよくあった。
他の兄弟姉妹は、公爵家から嫁いだ王妃と侯爵令嬢だったもう1人の側室の子で、同腹の兄弟姉妹はいなかった。
母が身分が低かった事もあり、兄弟姉妹からイジメられた。
それでも、腐っても王女だと、誇りを失わずに育った。
姉達がそれぞれ他国の王家に嫁ぎ、自身も17歳で、父から結婚相手が決まったと話があった時、どこの国の王子とだろうかと胸をときめかせたが、伝えられた相手は隣国の公爵令息だった。
夫人は、「私は姉達より劣るのか」と失望した。
しかし、当時、流行り病と冷害で国は弱っており、隣国エンダールに支援を頼んでいて、縁を結ぶ為にこの結婚は必要だと言われたら、断る事は出来なかった。
嫁いでみれば、夫は見栄えの良い優しい男性だった。
だが、王女としてのプライドが邪魔し、どうしても上手くコミニュケーションが取れずにいた。
息子を1人もうける事は出来たが、今ではただの同居人だ。
なんと虚しいことか。
夫には結婚当初から夢中になっている事があり、夫人はいつも2番手3番手だった。
夫が夢中になっている事は、この国で『聖女』と言われている先代大皇妃『タカコ=ヒメノコージ=エンダール』を調べる事だった。
黒に近い髪色は、夫人の国では『魔物』『魔物との混種』、もしくは『魔物に近い者』と言われ、蔑みの対象だった。
なのにエンダールでは、黒に近いどころか黒髪の女が『聖女』と崇められ、教会ですら聖人と認めている。
夫人にとっては、黒髪であるというだけで『魔物』『魔女』だというのに、ソレに夢中になる夫が信じられなかった。
それなのに今回、黒髪の少女を娘として連れて来ると、しかも名前が『ヒロミ=ヒメノコージ=ベルローズ』だと言う。
自分が知らないうちに、どこかの泥棒猫と宜しくやっていたのか?
しかも、隠し子を作って、その子に聖女のミドルネームをつけて可愛がってきたのか?
ーーー『魔女』を排除しなければ・・・。
自分の生活を、自身の心を守る為、その子には地獄に落ちてもらう。
夫人の心は、もう壊れかけていた。
商人は自身の商会に着くと、公爵家の兵士から受け取った荷物を従僕に運ばせながら、先程公爵邸で見たその荷物に思いを巡らせていた。
烏の様に真っ黒な髪、黄色がかっているとはいえ透き通るような肌、目をつぶった様子はよく出来た人形の様だった。
近くでみるのが楽しみで、ウズウズしてくる。
「公爵夫人はあんな事を言っていたが・・・いやいや、コレは金の卵。・・・いや、しかし味見してみても。」
従僕の運ぶ荷物をチラリと見た。
自然と口がいやらしく上がっていく。
「・・・まぁ、お客に渡す前に躾けは必要だしな。ぐふ、ぐふふ。」
商人は従僕に、地下のある部屋へ荷物を運ぶようにと指示した。
『夜のお楽しみ』と舌舐めずりをしながら。
母は男爵令嬢で側室だった事と、8人兄弟姉妹の7番目だった為、周りの人達はもちろん、父親である王にさえ、忘れられる事がよくあった。
他の兄弟姉妹は、公爵家から嫁いだ王妃と侯爵令嬢だったもう1人の側室の子で、同腹の兄弟姉妹はいなかった。
母が身分が低かった事もあり、兄弟姉妹からイジメられた。
それでも、腐っても王女だと、誇りを失わずに育った。
姉達がそれぞれ他国の王家に嫁ぎ、自身も17歳で、父から結婚相手が決まったと話があった時、どこの国の王子とだろうかと胸をときめかせたが、伝えられた相手は隣国の公爵令息だった。
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しかし、当時、流行り病と冷害で国は弱っており、隣国エンダールに支援を頼んでいて、縁を結ぶ為にこの結婚は必要だと言われたら、断る事は出来なかった。
嫁いでみれば、夫は見栄えの良い優しい男性だった。
だが、王女としてのプライドが邪魔し、どうしても上手くコミニュケーションが取れずにいた。
息子を1人もうける事は出来たが、今ではただの同居人だ。
なんと虚しいことか。
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夫が夢中になっている事は、この国で『聖女』と言われている先代大皇妃『タカコ=ヒメノコージ=エンダール』を調べる事だった。
黒に近い髪色は、夫人の国では『魔物』『魔物との混種』、もしくは『魔物に近い者』と言われ、蔑みの対象だった。
なのにエンダールでは、黒に近いどころか黒髪の女が『聖女』と崇められ、教会ですら聖人と認めている。
夫人にとっては、黒髪であるというだけで『魔物』『魔女』だというのに、ソレに夢中になる夫が信じられなかった。
それなのに今回、黒髪の少女を娘として連れて来ると、しかも名前が『ヒロミ=ヒメノコージ=ベルローズ』だと言う。
自分が知らないうちに、どこかの泥棒猫と宜しくやっていたのか?
しかも、隠し子を作って、その子に聖女のミドルネームをつけて可愛がってきたのか?
ーーー『魔女』を排除しなければ・・・。
自分の生活を、自身の心を守る為、その子には地獄に落ちてもらう。
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商人は自身の商会に着くと、公爵家の兵士から受け取った荷物を従僕に運ばせながら、先程公爵邸で見たその荷物に思いを巡らせていた。
烏の様に真っ黒な髪、黄色がかっているとはいえ透き通るような肌、目をつぶった様子はよく出来た人形の様だった。
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「公爵夫人はあんな事を言っていたが・・・いやいや、コレは金の卵。・・・いや、しかし味見してみても。」
従僕の運ぶ荷物をチラリと見た。
自然と口がいやらしく上がっていく。
「・・・まぁ、お客に渡す前に躾けは必要だしな。ぐふ、ぐふふ。」
商人は従僕に、地下のある部屋へ荷物を運ぶようにと指示した。
『夜のお楽しみ』と舌舐めずりをしながら。
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