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目覚め②
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姫小路裕美を外に避難させた騎士は、戸惑っていた。
商会の中ならば、ソファーに横にすれば良いが、外には寝かせられる場所が無い。
自分達は馬車ではなく馬で来ており、眠っている少女を座らせておく事は出来ない。
馬車や荷車を数台手配はしたが、それはほんの今さっきの事でまだ到着していなかった。
先程、公爵閣下に「自分の娘だ」と言われた少女を、敷物を敷いたとしても、地べたになど寝かせられない。
自分がこの様な事をしているのは失礼にあたると思いながらも、横抱きにしていた。
それだけでも十分恐縮してしまうのに、もう1つの商会で指揮を執っている筈のジルベルト王子が、目の前に現れたのだ。
こちらと同じ様に、あちらも家宅捜査をしているはず、色々な証拠を探しているはずなので、早々には終わらない。
探していた少女が見つかったと連絡を受けたのであろうが、持ち場を指揮官が離れるのは如何なものだろうか。
そう思っていた騎士は、自身に、いや騎士の抱き抱えた少女に向かって王子が放った言葉に、ほんの数分前に知った少女の身分の事もあって、狼狽えてしまったのだ。
「おお!我が妃は無事か?」
王子は馬から転がり降りると、騎士の腕の中で眠る少女に駆け寄り、全身を確認するように見回した。
パッと見で分かる傷が無い事に少し安堵した王子は、どういった状況下で見つけたのかを知りたがった。
ーーー我が妃とは?
王子にはまだ婚約者が決まっていないはず。
この少女、いや令嬢が婚約者なら、心配して駆け付けてくる気持ちは分かると思い、騎士は自分が令嬢を見つけた時の状況を話した。
そして、どうやら薬を盛られて眠らされている様だとも。
「『聖女の姪』に仇なすとは、何たる不敬か!この商人どもを極刑にしてくれる!」
王子は騎士の話に憤慨し、商会の玄関を睨みつけた。
騎士はまた王子の言葉に驚き、自分の腕の中の令嬢を何度も見返した。
ーーーえ。俺、今、聖女様の姪御様を抱き上げてるの⁈
周りに待機している他の騎士達も、お互いで顔を見合わせてから、令嬢と王子の間で何度も視線を行き来させている。
王子に付いて来た騎士達は、もう既に話を聞いて知っているのか驚きもせず、王子と共に中に突っ込んで行きそうに憤っていた。
この国で『聖女様』は、誰もが知っている、神にも勝るとも劣らない、信仰の対象なのだ。
・・・と、王子達が商会に突っ込んで行こうとしていると、不意に周りの音が何処かに吸い取られたように、何も聞こえなくなった。
しばらくすると、音楽の様な音色がして、辺りが柔らかい光に包まれた。
音楽も光も、騎士のすぐ近くから放たれていた。
姫小路裕美の身体が光っていて、そこから光が溢れていたのだ。
そして、懐かしい気持ちになる知らない歌を口ずさんでいた。
その歌声はだんだん大きくなり、光もすべてを包み込むかの様に輝きを増していった。
しばらく続いた光は、歌が終わると共に弾けた。
姫小路裕美は、騎士の腕の中で眠ったまま微笑んでいる。
「いったい何が・・・。」
それまであった、王子達の荒々しい感情が消え去っていた。
皆一様に、穏やかな気持ちになっている。
王子や騎士達は、空中にまだ残る舞い散る光の粒を、惚けた様に見つめていた。
商会の中ならば、ソファーに横にすれば良いが、外には寝かせられる場所が無い。
自分達は馬車ではなく馬で来ており、眠っている少女を座らせておく事は出来ない。
馬車や荷車を数台手配はしたが、それはほんの今さっきの事でまだ到着していなかった。
先程、公爵閣下に「自分の娘だ」と言われた少女を、敷物を敷いたとしても、地べたになど寝かせられない。
自分がこの様な事をしているのは失礼にあたると思いながらも、横抱きにしていた。
それだけでも十分恐縮してしまうのに、もう1つの商会で指揮を執っている筈のジルベルト王子が、目の前に現れたのだ。
こちらと同じ様に、あちらも家宅捜査をしているはず、色々な証拠を探しているはずなので、早々には終わらない。
探していた少女が見つかったと連絡を受けたのであろうが、持ち場を指揮官が離れるのは如何なものだろうか。
そう思っていた騎士は、自身に、いや騎士の抱き抱えた少女に向かって王子が放った言葉に、ほんの数分前に知った少女の身分の事もあって、狼狽えてしまったのだ。
「おお!我が妃は無事か?」
王子は馬から転がり降りると、騎士の腕の中で眠る少女に駆け寄り、全身を確認するように見回した。
パッと見で分かる傷が無い事に少し安堵した王子は、どういった状況下で見つけたのかを知りたがった。
ーーー我が妃とは?
王子にはまだ婚約者が決まっていないはず。
この少女、いや令嬢が婚約者なら、心配して駆け付けてくる気持ちは分かると思い、騎士は自分が令嬢を見つけた時の状況を話した。
そして、どうやら薬を盛られて眠らされている様だとも。
「『聖女の姪』に仇なすとは、何たる不敬か!この商人どもを極刑にしてくれる!」
王子は騎士の話に憤慨し、商会の玄関を睨みつけた。
騎士はまた王子の言葉に驚き、自分の腕の中の令嬢を何度も見返した。
ーーーえ。俺、今、聖女様の姪御様を抱き上げてるの⁈
周りに待機している他の騎士達も、お互いで顔を見合わせてから、令嬢と王子の間で何度も視線を行き来させている。
王子に付いて来た騎士達は、もう既に話を聞いて知っているのか驚きもせず、王子と共に中に突っ込んで行きそうに憤っていた。
この国で『聖女様』は、誰もが知っている、神にも勝るとも劣らない、信仰の対象なのだ。
・・・と、王子達が商会に突っ込んで行こうとしていると、不意に周りの音が何処かに吸い取られたように、何も聞こえなくなった。
しばらくすると、音楽の様な音色がして、辺りが柔らかい光に包まれた。
音楽も光も、騎士のすぐ近くから放たれていた。
姫小路裕美の身体が光っていて、そこから光が溢れていたのだ。
そして、懐かしい気持ちになる知らない歌を口ずさんでいた。
その歌声はだんだん大きくなり、光もすべてを包み込むかの様に輝きを増していった。
しばらく続いた光は、歌が終わると共に弾けた。
姫小路裕美は、騎士の腕の中で眠ったまま微笑んでいる。
「いったい何が・・・。」
それまであった、王子達の荒々しい感情が消え去っていた。
皆一様に、穏やかな気持ちになっている。
王子や騎士達は、空中にまだ残る舞い散る光の粒を、惚けた様に見つめていた。
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