姫の血縁

姫宮瑠璃

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家族②

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広間には警備の騎士以外、私達を含めて14人の男女が残っていた。
ギャボット侯爵と侯爵夫人。
その弟の近衛騎士団団長とその令嬢。
ロードリン宮中伯ご夫妻。
宮中伯の父親の魔法大臣と、宮中伯夫人の父親のヴィルエノール元辺境伯。
そして、ニコラスさんとその息子。
ニコラスさんの弟の魔法騎士団副団長。
それから、私達3人だ。
簡単にニコラスさんが紹介すると、お互いの家族に分かれて話をする事になった。

「こっちが息子のアラン。こっちが私の弟のエドマンド。」

ニコラスさんは、改めて息子と弟を私に紹介してくれた。

「初めまして。アラン=ライ=ベルローズだ。
母が君に失礼な事をしてしまったが、私に他意はありません。
ぜひ仲良くして欲しい。」

私はコクンと頷き、アランお兄様と握手をした。
彼は、私の捜索を手伝ったと聞いている。
まして、私の知らない出来事で、恨む事などできない。
だって、私の記憶の中には存在しないのだから。

「初めまして。叔父になるエドマンド=ライ=ベルローズだ。
22歳でまだ独身だから、邸で会う事があるだろう。よろしくな!」

私はまたコクンと頷き、一礼した。
エドマンド叔父様は、仕事であまり帰っていないが、同じ邸で暮らしているという。
左目の傍に、親指の爪くらいの赤い痣みたいな物があった。
叔父様が5歳の時に、18歳のニコラスさんが風と炎の魔法を合体させる実験で受けた傷痕だそうだ。

「その事がきっかけで、兄に傷つけられないように魔法の勉強を頑張っていたら、魔法騎士団に入る事になってたってわけだ。」

叔父様が「ガハハハ」と笑った。

「失礼ですねー。
いつも私に引っ付いて邪魔ばかりしていたからバチが当たったんですよ。
急に飛び出してきたエドが悪いのに、私は散々怒られたんですよー。」

私は用意してもらった紙に、サラサラと書いてニコラスさんに見せた。

『魔法で傷は消えないのですか?』

ニコラスさんは、しばらくジーっと紙を眺めて考え込み、そしてまた紙を見てから

「普通の傷なら痕は残らないんですけど、2つ以上の魔法を混ぜた実験段階の未熟な魔法でしたし、かなり抉ってしまってましたから。」

と答えた。そして、

「文字は早めに覚えてもらった方が良いですね。
あなたの世界の言葉は、発音も難しいし、文字は更に難しい。」

と言った。
今さっきの私が書いた文も、ほとんどの人は読めないという。
実はこちらの言葉が分かるのは、召喚時に魔法で分かるようにしただけで、私が喋っている言葉はこちらの言葉ではないらしい。
叔父様もお兄様も読めないそうだ。
私は肩を落とした。
声が出ない今、意思疎通がかなり難しい。

「大丈夫ですよ。
そのうち声が出るようになります。
私も息子も弟も、あなたの助けになりましょう。
なにしろ、家族になったんですから。」
「そうそう、を頼りなさい。」
「あ、叔父上、ズルイ。が助けになりますからね。」
「2人とも、何だ。
を宛にするんですよ?」

私は無言の大声で笑った。
大伯母様、私にも、優しい楽しい家族が、異世界に出来ました。
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