姫の血縁

姫宮瑠璃

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学園③

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「やっぱりな。報告ご苦労様。」

エド叔父様は、入って来た兵士に労いの言葉をかけると、私に向き直った。

「ヒロミは魔法で、この箱を呼び出したんだ。」

エド叔父様がそう言うと、魔術士も頷いた。

「どこかにあったこの箱を、ヒロミ様が転送したんだと思います。」
「でも、私は転送魔法は持ってないし。
だいいち、別の世界から持ってくる事出来るんですか?」
「召喚するのと、同じ原理だとは思います。ですが、簡単に出来る事ではありません。」

召喚と同じと言う事は、魔力をかなり使うらしく、10年以上魔力を貯めた魔石が30個以上、熟練の魔術士が4、50人集まって行わなければ出来ない。
まして、それで行なっても位置指定が完璧に出来る訳では無いらしい。
私達の召喚の時は、予定であった城の神殿の祈りの場では無く、神殿の奥の広間の空中に放り出されたらしい。

「じゃあ、どうやって・・・?」

この世界に無い物が、どうして出てきたのか。
私が何かしたらしいのな確かみたいだけれど・・・。

「あ。そういえば、それと同じ箱を前に見た事がある。」

お父様が思い出したと手を叩いた。
私を召喚した時に同じような箱がいくつもあったのだという。
でも、どこかに回収したという報告は受けてないそうだ。

ーーーそういえば、私が持っていたはずのリュックサックはどこにあるのだろう?

学校の宿直室で下ろした記憶は無い。
お父様に確認すると、真也と康人は持っていたが、私はバッグを身に付けていなかったそうだ。
落ちている間に何処かに飛ばされてしまったのだろうか。

「なあ、確かヒロミは空属性持ってたよな?そこに入ってるって事は考えられないか?」

エド叔父様が、また私の頭に手を乗せて、お父様に問う。
お父様は私達を交互に見やってから、

「ヒロミ、中身を開いて確認してみて下さい。」

と、事も投げに言った。

「え。どうやってですか?」
「分かりません。
魔法はまだ開発途中ですし、あってもヒロミは呪文を唱えられませんから。」
「えー⁈どうしたら良いんですか⁈」
「何かそれっぽい事をイメージしてみなさい。」

思いっきり丸投げされて、仕方なく考えてみる。

ーーー物が入ってるんだから、鞄?
ーーーでも、ダンボールが入るくらいだから部屋みたいな所。
ーーーでも、部屋の中で部屋が出ちゃったら大変!

何が入っているか知りたいだけだから、別に中身を出したい訳じゃない。

ーーー目録みたいなリストがあれば・・・。

「えーと、・・・《倉庫のリストを見せて》?」

私は顎に軽く握った手を当てたまま、自信なく声に出した。
すると、頭の中に項目が浮かんできた。

『倉庫内リスト

◯1-1学園祭用(水風船・スーパーボール・クリップ・輪ゴム・ポイ)
◯1-1学園祭用(ぷよぷよボール・ケミカルライト・金魚袋)
◯1-3学園祭用(ボールペン)
◯1-3学園祭用(ボールペン)
◯1-3学園祭用(ボールペン)
◯1-3学園祭用(グルーガン・グルースティック)
◯1-5学園祭用(カキ氷機・カキ氷シロップ・スプーンストロー)
◯1-5学園祭用(カキ氷カップ)
◯2-2学園祭用(カツラ・整髪料・化粧品)
◯2-2学園祭用(コスプレ衣装)
◯2-2学園祭用(アニマルマスク)
◯3-2学園祭用(業務用石チョコ・業務用金平糖)
◯3-2学園祭用(業務用醤油煎餅・業務用おかき)
◯3-4学園祭用(プチギフトタオルハンカチ・プチギフト入浴剤)
◯折り畳み式台車(大)
◯折り畳み式台車(大)
◯リュックサック(教科書・ノート・筆記用具・リップ・飴)』

私のリュックサックは、ちゃんとあった。

ーーー鞄はあったけども、何だこの1年3組のボールペンは!
ーーーこの場に出ているダンボールの他に、あと3箱もあるって、どんだけだ!
ーーーいったい学園祭で何をするつもりだったんだ⁈

「どうだった?」

お父様の言葉を、とりあえずスルーして、私は部屋にあるダンボールの、さっきボールペンを試し書きした方とは反対側のフタを閉めて見る。

『1-3』

ダンボールの横も、身体を曲げて見る。

『1-3』

何故私はこれが落ちて来た時、気づかなかったのか。

ーーー業者さん、もっと大きく、太いペンで書こうよ!
ーーー、見えにくいって!

「ヒロミ?出来たのか?出来なかったのか?」

お父様が、再び問いかけた。
私は姿勢を正して、お父様の方を向いた。

「確認出来ました。
おそらく、こちらも私の倉庫?の中にあった物です。」
「そうか。では、出所も分かった事だし、皆を安心させてやらなければ。」

お父様はエド叔父様に目配せをすると、エド叔父様と魔術士が出て行った。
邸が落ち着くまではもう少しかかるからと、お兄様と私はそのままお父様の書斎に残っていたのだが、皆は初めて見たボールペンに興味深々で紙に試し書きをし始めた。
液だれも滲みも掠れもしないボールペンは、こちらでは画期的かもしれないので、仕方ない。

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