姫の血縁

姫宮瑠璃

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学園④

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夜、自分の部屋で今日の事を思い返す。
学園に行く前日だというのに、ドタバタしてしまったが、私の倉庫?の存在が分かって良かった。
こちらの世界に落ちる時に台車を掴んだが、思った以上にダンボールを巻き込んでいたようだ。
1-3の事も含めて、学園で真也に会ったら、学園祭の各クラスの出し物が何だったか聞いてみよう。
生徒会長だった真也なら、知っているはずだ。
覚えてないと言われるかもしれないが。
私は今日取り出したボールペンを見た。
まだこちらに来て3ヶ月余りしか経ってないのに、こんな当たり前に生活に溶け込んでいる。
単なるボールペンですら、懐かしい。

ーーー私の向こうでの14年間は何だったのだろう。

こちらで、ほぼ1から学ばなければならない事を辛く思うと思ったけれど、寧ろ、楽しいと思っている自分がいた。
まだ自分の能力すら、把握していないのだ。

ーーーせっかく能力がバケモノ並なのだから、もっと頑張って更にバケモノに磨きをかけてやろう!

 とりあえず、倉庫?にあるものが出し入れ出来るのはわかった。
お父様が欲しがったので、1ダースセットになっていたボールペンを渡し、ダンボールを触りながら「《しまって》」と言ったらしまえた。
その後、エド叔父様が欲しがったので3本あげたら、お兄様が狡いと騒いだので3本あげ、ハリエットさんが羨ましそうに見ていたので、もう何度も出し入れするのが面倒くさくなって、邸の皆に1本ずつあげた。
凄く有り難がられたけれど、向こうの世界の値段を知っている私は、ちょっと複雑だ。
毎回、ダンボールを出してはしまうのを繰り返すのはちょっとどうにかならないのだろうか?

ーーー試しにやってみよう。
ーーーあと、思うだけででも出来ないかな?

ーーー《お願い、青のボールペンを1本出して》

目の前にボールペンが1本出現し、床に落ちた。
拾ってみると、ちゃんと青色のインクだ。

ーーーよし、成功した。

他の物も試してみる。

ーーー《お願い、リップを出して》

目の前にリュックサックが出てきた。
外ポケットを開けるとリップが入っている。

ーーー何で鞄も一緒に出たんだろう?

ーーー《お願い、ケミカルライトを出して》

目の前にダンボールが現れて落ちる。
ダンボールの封を開けて見ると、中にケミカルライトが入っている箱があった。

ーーーまた失敗。

ーーー《お願い、しまって》

ダンボールに触れてお願いする。
ダンボールが消えた。

ーーーんー、何がダメなんだろう。
ーーーフタが閉まってるか閉まってないかって事?

もう一度試してみる。

ーーー《お願い、ケミカルライトを出して》

ケミカルライトの箱が現れた。
やっぱりそういう事なのだろうか?

ーーーリップがダメだったのは、鞄のジッパーが閉じているから?

試しにもう一度ジッパーを閉めたまま倉庫?にしまって、リップを出すように願ってみた。
リップだけが出てくる。

ーーーあれ?どういう事?

じゃあ、国語の教科書を出してみようとやってみると、リュックサックが出てくる。
これは・・・

「中に入っている物をちゃんと目で確認しないとダメって事?」

リュックサックの中の教科書やノートなどが入っているのを確認して、ジッパーを閉めて、倉庫?にしまった。
もう一度呼び出してみる。

ーーー《お願い、国語の教科書を出して》

目の前に国語の教科書が現れた。

ーーー成功。

まとめて入っている物は、中身をちゃんと見て確認しないと、個々では呼び出せないようだ。
今度は、こちらの物がちゃんと出し入れできるか試してみる。
何がいいかと部屋を見回した。
手頃な大きさの物・・・花瓶、本、クッション。
花瓶は出す時に割っちゃったら困るので、クッションにする。

ーーー《お願い、しまって》

クッションを持ちながら、目を瞑り願ってみる。
見事にクッションがその場から消えた。

ーーー《お願い、リストを見せて》

ちゃんと、リストにクッションが追加されていた。

ーーー《お願い、クッションを出して》

目の前にクッションが現れた。
急いでキャッチする。
クッションを見回したが、破れたり汚れたりはしてないようだ。
こちらの物でもちゃんと出し入れできる。
あと気になるのが、毎回目の前に出る事。
キャッチ出来ないと落ちてしまう。
割れる物や壊れやすい物は、それだと困る。
位置指定も出来るのだろうか?

ーーー《お願い、リュックサックを手の上に乗せて》

両手を出して願ってみると、手の上にリュックサックが現れた。

ーーーよし、成功!

現れたリュックサックに、先程出したリップと教科書をしまう。

コンコンコン。

『お嬢様、起きてらっしゃる様ですが、明日から学園です。
早く、お眠りになって下さい。』

ドアの外から、ハリエットさんの声がした。

「はーい!すみません。今寝ます。」

ーーーダンボールが落ちる音が下まで響いたのかな?
ーーー明日は早いのだから、もう寝なければ。

ーーー《お願い、しまって》

私は、リュックサックとケミカルライトの箱を掴んで、そうお願いした。
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