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特異⑥
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3人は寮に急いで帰り、私とお兄様は中庭に居たマーガレット様達に聞いて、学園長室の隣にある応接間に向かった。
中庭で、ライト先生を捕まえて一緒に。
コンコンコン。
「失礼します。」
3秒程待ち、ドアを開ける。
この時間さえも、もどかしい。
中には、ゆったりとお茶を飲み、談笑するお父様と王太后様がソファーに座って休んでいた。
「王太后様、シンヤ様の『拘束』を解いて頂けないでしょうか。」
部屋に入るとすぐに、お兄様は王太后様に願い出た。
「なんじゃ。やはり逃げたのか?」
王太后様はカップをテーブルに置くと、お兄様の方を向いた。
「いきなり部屋に入って来られたら、誰でも怖くなって逃げ出します。
お願いですから、早く解いてあげて下さい!」
「ふむ。逃げたら捕らえよと伝えたのじゃが、認識の違いがあったかの?」
王太后様がお父様に目配せすると、お父様が一礼して立ち上がった。
ポケットからペンとメモ帳の様な物を出し、何かをスラスラと書いた。
窓を開けて、その紙に息を吹きかけ、外に放り投げると、紙が鳥の形をして飛んで行った。
「ありがとうございます!」
お兄様は、勢いよく頭を下げると、部屋を飛び出して行った。
真也を確認しに行ったのだろう。
いつもの、落ち着いた感じのお兄様の行動とは思えない。
「私も、怪我が無いか、診て参ります。」
ライト先生が、お兄様を追うように出て行き、私がポツンと残された。
王太后様が、私を手招きする。
「ヒロミ、お座りなさい。」
「はい。」
私が、王太后様の向かいのソファーに座ると、お父様は私の隣に座った。
「ヒロミも、シンヤの事で来たのかい?」
お父様と王太后様が、私の方を見た。
「はい。でも、それだけじゃなくて・・・。お父様に報告したい事があって。」
ーーー《お願い、薔薇のミニタオルのプチギフトを2つ出して》
私が思い願うと、ポンと、薔薇の形にタオルハンカチを巻いたプチギフトが目の前に出てきた。
私は手を出して、受け取った。
王太后様が目を見開く。
「なんと!ヒロミ、何をしたのじゃ⁈」
私は、プチギフトを2人に渡しながら、王太后様に倉庫?の話をした。
王太后様は、時々驚いたりしながら、目を煌めかせて聞いている。
お父様は、時折補足しながら、プチギフトを眺めていた。
「それで、これがその中に入っていた物なのじゃな?」
「はい。
茎の部分は金平糖、花は小さいタオルで出来ています。」
「なるほどのぉ。上手いこと作るものじゃ。」
2人は、上下に左右にとプチギフトを動かしながら、眺めている。
「それで、これをクラスメイトに、挨拶がわりに差し上げたらと思ったのですが、ハリエットがお父様に聞いてからにした方が良いというので・・・。」
お父様は、一目私に視線を向け、またプチギフトを眺めてから、私の方を向いた。
「これは、向こうの世界では、このように装飾して売っている物なんだよね?」
「普通に袋や箱に入って個別で売っていますけれど、これは結婚式とかパーティーで配る用などに、このようにラッピングして見栄え良くしてあります。」
「ふむ。」
お父様は、しばらくプチギフトを見つめたまま、考えている。
私は、何を言われるのかと、唾を飲み込んだ。
「これは、売り物になる・・・。1つ1つは得別な物ではないが、それに付加価値を付けているのは、こちらに無い考え方だ。」
「はい・・・。」
「これと同じ物は幾つくらいあるんだい?」
「えーと、30個くらいでしょうか。」
「ふむ。」
お父様は、包装を外し、ゆっくり確認するようにバラしていく。
そして、もう一度直して元どおりにした。
「思ったよりかなり簡単なつくりだ。
茎の部分をどうにかすれば、すぐにでも商品化出来るだろう。」
「・・・。」
「ヒロミ。」
「はい。」
「これをあげる時には、『今度売り出す試作品なんですが』と言って渡しなさい。」
「え?」
「いいですね?分かりましたね?」
「は、はい。」
「2週間以内には、うちの商会から売り出します。」
お父様は、ボールペンの時の様に、どこにタオルを発注するかなどと、商品化についての考えに没頭し始めた。
他にも入浴剤について話したかったが、こちらに今までなかった物は、大きな商機になる。
話をするなら、他の方が居ない時の方が良いだろう。
不意にコツコツと窓を叩く音がした。
窓を見ると、白い鳥が窓ガラスを叩いている。
部屋にいたメイドが窓を開けると、鳥はスッと中に入ってきて、王太后様の前で紙に変わった。
私は、目を見開いた。
なるほど、お父様はああやって先程手紙を送ったのか。
紙の内容を眺めた王太后様が、私に微笑んだ。
「シンヤの『拘束』は解かれましたよ。
失神していたようで、怪我も擦り傷程度で、ほとんど覚えていないそうです。」
「失神ですか・・・。」
いったい、どんな感じだったのだろう。
康人は今頃、平謝りしているかもしれない。
「大会には、ちゃんと出場できそうで、良かったわね。」
「え。こんな事があった後にですか⁈」
「だって、シンヤの剣技がメインなんでしょう?」
私は、絶句した。
王太后様も、容赦ない。
「ヒロミも、一緒に見に行きましょうね。」
私は唖然としながら、頷いた。
中庭で、ライト先生を捕まえて一緒に。
コンコンコン。
「失礼します。」
3秒程待ち、ドアを開ける。
この時間さえも、もどかしい。
中には、ゆったりとお茶を飲み、談笑するお父様と王太后様がソファーに座って休んでいた。
「王太后様、シンヤ様の『拘束』を解いて頂けないでしょうか。」
部屋に入るとすぐに、お兄様は王太后様に願い出た。
「なんじゃ。やはり逃げたのか?」
王太后様はカップをテーブルに置くと、お兄様の方を向いた。
「いきなり部屋に入って来られたら、誰でも怖くなって逃げ出します。
お願いですから、早く解いてあげて下さい!」
「ふむ。逃げたら捕らえよと伝えたのじゃが、認識の違いがあったかの?」
王太后様がお父様に目配せすると、お父様が一礼して立ち上がった。
ポケットからペンとメモ帳の様な物を出し、何かをスラスラと書いた。
窓を開けて、その紙に息を吹きかけ、外に放り投げると、紙が鳥の形をして飛んで行った。
「ありがとうございます!」
お兄様は、勢いよく頭を下げると、部屋を飛び出して行った。
真也を確認しに行ったのだろう。
いつもの、落ち着いた感じのお兄様の行動とは思えない。
「私も、怪我が無いか、診て参ります。」
ライト先生が、お兄様を追うように出て行き、私がポツンと残された。
王太后様が、私を手招きする。
「ヒロミ、お座りなさい。」
「はい。」
私が、王太后様の向かいのソファーに座ると、お父様は私の隣に座った。
「ヒロミも、シンヤの事で来たのかい?」
お父様と王太后様が、私の方を見た。
「はい。でも、それだけじゃなくて・・・。お父様に報告したい事があって。」
ーーー《お願い、薔薇のミニタオルのプチギフトを2つ出して》
私が思い願うと、ポンと、薔薇の形にタオルハンカチを巻いたプチギフトが目の前に出てきた。
私は手を出して、受け取った。
王太后様が目を見開く。
「なんと!ヒロミ、何をしたのじゃ⁈」
私は、プチギフトを2人に渡しながら、王太后様に倉庫?の話をした。
王太后様は、時々驚いたりしながら、目を煌めかせて聞いている。
お父様は、時折補足しながら、プチギフトを眺めていた。
「それで、これがその中に入っていた物なのじゃな?」
「はい。
茎の部分は金平糖、花は小さいタオルで出来ています。」
「なるほどのぉ。上手いこと作るものじゃ。」
2人は、上下に左右にとプチギフトを動かしながら、眺めている。
「それで、これをクラスメイトに、挨拶がわりに差し上げたらと思ったのですが、ハリエットがお父様に聞いてからにした方が良いというので・・・。」
お父様は、一目私に視線を向け、またプチギフトを眺めてから、私の方を向いた。
「これは、向こうの世界では、このように装飾して売っている物なんだよね?」
「普通に袋や箱に入って個別で売っていますけれど、これは結婚式とかパーティーで配る用などに、このようにラッピングして見栄え良くしてあります。」
「ふむ。」
お父様は、しばらくプチギフトを見つめたまま、考えている。
私は、何を言われるのかと、唾を飲み込んだ。
「これは、売り物になる・・・。1つ1つは得別な物ではないが、それに付加価値を付けているのは、こちらに無い考え方だ。」
「はい・・・。」
「これと同じ物は幾つくらいあるんだい?」
「えーと、30個くらいでしょうか。」
「ふむ。」
お父様は、包装を外し、ゆっくり確認するようにバラしていく。
そして、もう一度直して元どおりにした。
「思ったよりかなり簡単なつくりだ。
茎の部分をどうにかすれば、すぐにでも商品化出来るだろう。」
「・・・。」
「ヒロミ。」
「はい。」
「これをあげる時には、『今度売り出す試作品なんですが』と言って渡しなさい。」
「え?」
「いいですね?分かりましたね?」
「は、はい。」
「2週間以内には、うちの商会から売り出します。」
お父様は、ボールペンの時の様に、どこにタオルを発注するかなどと、商品化についての考えに没頭し始めた。
他にも入浴剤について話したかったが、こちらに今までなかった物は、大きな商機になる。
話をするなら、他の方が居ない時の方が良いだろう。
不意にコツコツと窓を叩く音がした。
窓を見ると、白い鳥が窓ガラスを叩いている。
部屋にいたメイドが窓を開けると、鳥はスッと中に入ってきて、王太后様の前で紙に変わった。
私は、目を見開いた。
なるほど、お父様はああやって先程手紙を送ったのか。
紙の内容を眺めた王太后様が、私に微笑んだ。
「シンヤの『拘束』は解かれましたよ。
失神していたようで、怪我も擦り傷程度で、ほとんど覚えていないそうです。」
「失神ですか・・・。」
いったい、どんな感じだったのだろう。
康人は今頃、平謝りしているかもしれない。
「大会には、ちゃんと出場できそうで、良かったわね。」
「え。こんな事があった後にですか⁈」
「だって、シンヤの剣技がメインなんでしょう?」
私は、絶句した。
王太后様も、容赦ない。
「ヒロミも、一緒に見に行きましょうね。」
私は唖然としながら、頷いた。
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