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武器②
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しかしながら今、ロレッティーナ様は、1階の控え室や鍛錬場脇にいる訳ではなく、2階のテラスにいる。
出場者ならば1階に控えているはずだ。
「勝者、オルコット子爵令息!」
鍛錬場から大きな声がして、試合を見る前に第1試合が終わってしまった様だ。
「次、モルドヴァ公爵令嬢対、フォード騎士爵令息!」
第2試合の呼び出しに、ロレッティーナ様の名が呼ばれた。
でも、ロレッティーナ様は、ここに居る。
どうするのだろうかと、ロレッティーナ様を見ると、ウエストからロングスカートを取り払った。
一気にワイドパンツ姿になる。
侍女にスカートを渡すと、王太后様に一礼して、ロレッティーナ様がテラスの手すりに手をかけた。
そして、ヒラリと飛び越えた。
飛び越えた先に長い棒があった。
ロレッティーナ様は、その棒を掴むと、棒を軸にして難なく下へと降り立った。
私は勢い込んで手すりに駆け寄り下を見ると、ロレッティーナ様の持っている棒は、槍だった。
ロレッティーナ様は、下で棒を支えていた侍女から、胸当てを受け取って着けている。
「ゥワーオ!ハルバードだ!」
康人が、ロレッティーナ様の持つ槍を見て、興奮していた。
「ハルバード?」
「そう!あの斧。
ゲームでしか見た事ないけど、実物もメッチャ、カッコいいなー!」
「斧?槍じゃない?」
「柄が長いけど、ほら刃の中程に斧が付いてるでしょう。
槍みたいに突いたり、斧みたいに切ったり、引っ掛けたり、いろいろ使えるんだよー。」
なるほど、先端は槍の様に細長く尖っているが、中程には斧のような形状の刃と鉤爪が付いている。
ロレッティーナ様の背より長い柄だけをみても、かなりの重さがあるだろう。
相手は、なんの変哲も無さそうに見えるロングソードだ。
「こっちがハルバードなら、あっちはツバイハンダーかなー?」
「ツバイハンダー?」
「両手持ちの大剣だよ。
ほら、普通の剣より幅があって長めでしょう?」
そう言われて見るが、相手は背が高く、がっしりした体格な所為もあって、よく分からない。
そんな話をしているうちに、試合が始まった。
ロレッティーナ様が、柄の長さを生かして、相手を突く。
相手は、避けながら間合いを詰めようと、突きの瞬間に近付こうとするが、そうすると突いたその体制から薙ぎ払われる。
それを飛び退けたり、しゃがんだりして避けながら、相手はまるで殴りかかるように剣を繰り出す。
切りかかるというより、叩くような剣筋だ。
近づけば、剣だけでなく、足技まで使ってくる。
ロレッティーナ様は、距離を取ろうとするが、1度剣が届く距離まで寄られると、なかなか引き離せないようだ。
ハルバードの柄を自身に付けるように横に持ち、自分を軸にして独楽のように回す。
相手は飛び退けると、すぐさま懐に入り込もうと剣を振り上げ、ハルバードを弾き飛ばそうとする。
一進一退の攻防を繰り返しながら、お互い勝機を探っていた。
ロレッティーナ様がまた、突きを繰り出した時、ギリギリでかわした相手が、かわした反動で身体を回転させ、そのまま横に薙ぎ払うように剣を出す。
それを、ロレッティーナ様が突き出していたハルバードを下向きに出し、棒高跳びの様に舞い上がって避けるとすぐに、柄の先端を相手に突き出した。
相手は、咄嗟に避けようと身体の前に剣を構えたが、突き出されたハルバードの柄が、剣を握る手に当り、握りが甘くなったところをもう一度突かれ、剣を落としてしまった。
そこへ、ロレッティーナ様が、ハルバードの尖った槍を向けた。
「そこまで!」
審判が声を上げた。
「勝者!モルドヴァ公爵令嬢!」
歓声が上がる。
私は、知らず知らずのうちに手を強く握り込んでいた。
手のひらに、じっとりと汗をかいている。
「すご・・・。」
康人が、私の隣で呟いた。
気持ちがつい、漏れ出てしまったかの様な、小さなつぶやきだ。
あんな試合を、真也やアンナがすると思うと、思わず身体が震えた。
それが、不安からなのか、興奮や期待、尊敬からなのかは分からない。
ただ、私には無理だという思いだけは、はっきりしている。
康人の目からは、試合前からのキラキラしい感じは消えていて、何か思い詰めた様な表情に変わっていた。
「ヒロミ様、あちらの鍛錬場でアンナが闘っていますが、見に行かれますか?」
ハリエットの声に、私はハッとする。
そうだ、ロレッティーナ様だけでは無い。
アンナを応援しなければ!
出場者ならば1階に控えているはずだ。
「勝者、オルコット子爵令息!」
鍛錬場から大きな声がして、試合を見る前に第1試合が終わってしまった様だ。
「次、モルドヴァ公爵令嬢対、フォード騎士爵令息!」
第2試合の呼び出しに、ロレッティーナ様の名が呼ばれた。
でも、ロレッティーナ様は、ここに居る。
どうするのだろうかと、ロレッティーナ様を見ると、ウエストからロングスカートを取り払った。
一気にワイドパンツ姿になる。
侍女にスカートを渡すと、王太后様に一礼して、ロレッティーナ様がテラスの手すりに手をかけた。
そして、ヒラリと飛び越えた。
飛び越えた先に長い棒があった。
ロレッティーナ様は、その棒を掴むと、棒を軸にして難なく下へと降り立った。
私は勢い込んで手すりに駆け寄り下を見ると、ロレッティーナ様の持っている棒は、槍だった。
ロレッティーナ様は、下で棒を支えていた侍女から、胸当てを受け取って着けている。
「ゥワーオ!ハルバードだ!」
康人が、ロレッティーナ様の持つ槍を見て、興奮していた。
「ハルバード?」
「そう!あの斧。
ゲームでしか見た事ないけど、実物もメッチャ、カッコいいなー!」
「斧?槍じゃない?」
「柄が長いけど、ほら刃の中程に斧が付いてるでしょう。
槍みたいに突いたり、斧みたいに切ったり、引っ掛けたり、いろいろ使えるんだよー。」
なるほど、先端は槍の様に細長く尖っているが、中程には斧のような形状の刃と鉤爪が付いている。
ロレッティーナ様の背より長い柄だけをみても、かなりの重さがあるだろう。
相手は、なんの変哲も無さそうに見えるロングソードだ。
「こっちがハルバードなら、あっちはツバイハンダーかなー?」
「ツバイハンダー?」
「両手持ちの大剣だよ。
ほら、普通の剣より幅があって長めでしょう?」
そう言われて見るが、相手は背が高く、がっしりした体格な所為もあって、よく分からない。
そんな話をしているうちに、試合が始まった。
ロレッティーナ様が、柄の長さを生かして、相手を突く。
相手は、避けながら間合いを詰めようと、突きの瞬間に近付こうとするが、そうすると突いたその体制から薙ぎ払われる。
それを飛び退けたり、しゃがんだりして避けながら、相手はまるで殴りかかるように剣を繰り出す。
切りかかるというより、叩くような剣筋だ。
近づけば、剣だけでなく、足技まで使ってくる。
ロレッティーナ様は、距離を取ろうとするが、1度剣が届く距離まで寄られると、なかなか引き離せないようだ。
ハルバードの柄を自身に付けるように横に持ち、自分を軸にして独楽のように回す。
相手は飛び退けると、すぐさま懐に入り込もうと剣を振り上げ、ハルバードを弾き飛ばそうとする。
一進一退の攻防を繰り返しながら、お互い勝機を探っていた。
ロレッティーナ様がまた、突きを繰り出した時、ギリギリでかわした相手が、かわした反動で身体を回転させ、そのまま横に薙ぎ払うように剣を出す。
それを、ロレッティーナ様が突き出していたハルバードを下向きに出し、棒高跳びの様に舞い上がって避けるとすぐに、柄の先端を相手に突き出した。
相手は、咄嗟に避けようと身体の前に剣を構えたが、突き出されたハルバードの柄が、剣を握る手に当り、握りが甘くなったところをもう一度突かれ、剣を落としてしまった。
そこへ、ロレッティーナ様が、ハルバードの尖った槍を向けた。
「そこまで!」
審判が声を上げた。
「勝者!モルドヴァ公爵令嬢!」
歓声が上がる。
私は、知らず知らずのうちに手を強く握り込んでいた。
手のひらに、じっとりと汗をかいている。
「すご・・・。」
康人が、私の隣で呟いた。
気持ちがつい、漏れ出てしまったかの様な、小さなつぶやきだ。
あんな試合を、真也やアンナがすると思うと、思わず身体が震えた。
それが、不安からなのか、興奮や期待、尊敬からなのかは分からない。
ただ、私には無理だという思いだけは、はっきりしている。
康人の目からは、試合前からのキラキラしい感じは消えていて、何か思い詰めた様な表情に変わっていた。
「ヒロミ様、あちらの鍛錬場でアンナが闘っていますが、見に行かれますか?」
ハリエットの声に、私はハッとする。
そうだ、ロレッティーナ様だけでは無い。
アンナを応援しなければ!
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