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虚栄心④
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空が白んでくる早朝、ドアを通り抜けて聞こえてくる喧騒で、シオンは目覚めた。
ーーー何だ?
ーーー何が起こっている?
シオンはベッドから飛び起き、ササッと身仕度して廊下に出ると、早足で通り過ぎようとしていた兵士を掴まえた。
「一体、何の騒ぎですか?」
「私も今から向かうところなんですが、なんでも、『黒』に異変があるとか。」
ーーーヒメノコージ様が、逃げ出したのか?
急いで兵士と共に姫小路裕美を監禁している部屋に向かうと、廊下で縛られた縄を解かれている神官の姿があった。
それは、姫小路裕美の監視と世話、といっても起きないので世話らしい事はまだしていないが・・・をしていた神官だった。
ーーー何故、神官が縛られている?
姫小路裕美が寝ている筈の部屋は、ドアノブが壊され、ドアは開けっ放しになっていた。
中に入ると、兵士が十数人、部屋の中でザワザワと話し合っていた。
「ちょっと!これはどういう事ですか⁈
何故、兵の皆さんがこの部屋に屯しているのです⁈」
シオンが部屋の出入り口で声を荒げると、中に居た兵士達が一斉に振り向き、お互いが顔を見合わせ、モゴモゴと声にならない声で何か言い出した。
一度に何人もが喋り出したら何を言っているか分からないというのに、小声でモゴモゴ喋るので、全く分からない。
「退いて下さい」と言うと、シオンの前に姫小路裕美のベッドへの道が出来た。
すると、ベッドの周りに白いベールの様な物がかかっているのが見えた。
ーーーあれは何だ?
恐々、シオンは、一歩、また一歩と近づいて行った。
白いベールの様な物は、ベッドの周りをすっぽり包み込んでいた。
半透明の白い幕にレースの様な模様が浮かび、一定の間隔で万華鏡を回した様に模様が次々と変わっていく。
中に眠る姫小路裕美を守っている様だった。
「繭・・・?」
誰かの呟きが、ポツンとハッキリ聞こえた。
すると、同じようにその言葉を耳にした兵士の誰かが、それに反応した。
「『聖女の繭』だ。」
辺りにいた兵士達が、口々に繰り返していく。
『聖女の繭』とは、以前いた例の聖女がこの世界に召還された時、魔人と思われて攻撃され、発動させた防御障壁の事だ。
文献には『白く蠢く繭』と書かれているだけで、それ以上詳しくは分からない。
しかし、そうとしか思えないほど、清浄な雰囲気が漂っている。
シオンは、繭に触れようとして、更に近づこうとした。
すると足に、少し弾力のある固い物が当たり、転びそうになった。
微かに煌めく繭に目が留まり過ぎて、足元が疎かになっていたからだ。
何にぶつかったのかと下を見ると、倒れている兵士の脚に、シオンの足が当たっていた。
何故こんなところで兵士が倒れているのかと不思議に思って、倒れている兵士の頭の方へと視線を動かしていくと、壁にもたれかかるようにして、井上浩美が倒れていた。
2人が床に倒れているというのに、他の兵士は介抱するどころか、心配する気配も無く、繭に畏敬の思いで、少し離れたところで見守っている。
シオンが、2人を側で確認すると、ただ寝ているだけのようだった。
しかし、仮にも『聖女』を床に寝かせておく訳にもいかない。
近くの兵士達に、2人を部屋に寝かせて来て欲しい旨を伝えると、嫌そうな顔をして、渋々抱えて連れて行った。
ーーー何でそこまで嫌がられるのだろう?
ーーー怒鳴り声を上げてはいたが、兵士に無理難題を押し付けたりしないように、気をつけていた筈なのだが?
たとえ聖女らしく無くとも、先日の勝利は井上浩美のおかげだ。
まだ数日しか経ってないのに、忘れられる筈が無い。
それなのに、倒れているのに放置され、嫌がられるのには訳がある筈だ。
シオンが、繭の側まで行き、繭に触れようとすると、兵士に腕を掴まれた。
「触ってはいけない」と言う。
触ると、どうやら眠ってしまうらしい。
では、倒れていた2人は、繭に触れた所為で眠っていたのか。
「どうしてこのようになっているのか知っている人はいませんか?」
私が兵士達に問い掛けると、ザワザワとし始め、そのうちの3人が「お前が話せ」「いや、お前が話せ」と擦りつけているのに気づいた。
どうやら、この場にいる兵士全員が理由を知っているようだが、当事者はその3人らしい。
話を聞こうと近づくと、他の兵士達は遠巻きにするように引き下がった。
「で?何があったんです?」
シオンが睨みつけるように問うと、仕方ない様子で話始めた。
ーーー何だ?
ーーー何が起こっている?
シオンはベッドから飛び起き、ササッと身仕度して廊下に出ると、早足で通り過ぎようとしていた兵士を掴まえた。
「一体、何の騒ぎですか?」
「私も今から向かうところなんですが、なんでも、『黒』に異変があるとか。」
ーーーヒメノコージ様が、逃げ出したのか?
急いで兵士と共に姫小路裕美を監禁している部屋に向かうと、廊下で縛られた縄を解かれている神官の姿があった。
それは、姫小路裕美の監視と世話、といっても起きないので世話らしい事はまだしていないが・・・をしていた神官だった。
ーーー何故、神官が縛られている?
姫小路裕美が寝ている筈の部屋は、ドアノブが壊され、ドアは開けっ放しになっていた。
中に入ると、兵士が十数人、部屋の中でザワザワと話し合っていた。
「ちょっと!これはどういう事ですか⁈
何故、兵の皆さんがこの部屋に屯しているのです⁈」
シオンが部屋の出入り口で声を荒げると、中に居た兵士達が一斉に振り向き、お互いが顔を見合わせ、モゴモゴと声にならない声で何か言い出した。
一度に何人もが喋り出したら何を言っているか分からないというのに、小声でモゴモゴ喋るので、全く分からない。
「退いて下さい」と言うと、シオンの前に姫小路裕美のベッドへの道が出来た。
すると、ベッドの周りに白いベールの様な物がかかっているのが見えた。
ーーーあれは何だ?
恐々、シオンは、一歩、また一歩と近づいて行った。
白いベールの様な物は、ベッドの周りをすっぽり包み込んでいた。
半透明の白い幕にレースの様な模様が浮かび、一定の間隔で万華鏡を回した様に模様が次々と変わっていく。
中に眠る姫小路裕美を守っている様だった。
「繭・・・?」
誰かの呟きが、ポツンとハッキリ聞こえた。
すると、同じようにその言葉を耳にした兵士の誰かが、それに反応した。
「『聖女の繭』だ。」
辺りにいた兵士達が、口々に繰り返していく。
『聖女の繭』とは、以前いた例の聖女がこの世界に召還された時、魔人と思われて攻撃され、発動させた防御障壁の事だ。
文献には『白く蠢く繭』と書かれているだけで、それ以上詳しくは分からない。
しかし、そうとしか思えないほど、清浄な雰囲気が漂っている。
シオンは、繭に触れようとして、更に近づこうとした。
すると足に、少し弾力のある固い物が当たり、転びそうになった。
微かに煌めく繭に目が留まり過ぎて、足元が疎かになっていたからだ。
何にぶつかったのかと下を見ると、倒れている兵士の脚に、シオンの足が当たっていた。
何故こんなところで兵士が倒れているのかと不思議に思って、倒れている兵士の頭の方へと視線を動かしていくと、壁にもたれかかるようにして、井上浩美が倒れていた。
2人が床に倒れているというのに、他の兵士は介抱するどころか、心配する気配も無く、繭に畏敬の思いで、少し離れたところで見守っている。
シオンが、2人を側で確認すると、ただ寝ているだけのようだった。
しかし、仮にも『聖女』を床に寝かせておく訳にもいかない。
近くの兵士達に、2人を部屋に寝かせて来て欲しい旨を伝えると、嫌そうな顔をして、渋々抱えて連れて行った。
ーーー何でそこまで嫌がられるのだろう?
ーーー怒鳴り声を上げてはいたが、兵士に無理難題を押し付けたりしないように、気をつけていた筈なのだが?
たとえ聖女らしく無くとも、先日の勝利は井上浩美のおかげだ。
まだ数日しか経ってないのに、忘れられる筈が無い。
それなのに、倒れているのに放置され、嫌がられるのには訳がある筈だ。
シオンが、繭の側まで行き、繭に触れようとすると、兵士に腕を掴まれた。
「触ってはいけない」と言う。
触ると、どうやら眠ってしまうらしい。
では、倒れていた2人は、繭に触れた所為で眠っていたのか。
「どうしてこのようになっているのか知っている人はいませんか?」
私が兵士達に問い掛けると、ザワザワとし始め、そのうちの3人が「お前が話せ」「いや、お前が話せ」と擦りつけているのに気づいた。
どうやら、この場にいる兵士全員が理由を知っているようだが、当事者はその3人らしい。
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「で?何があったんです?」
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