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冒険者
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神皇国の孤児院にいた私は、10歳になるかならないかの頃に逃げ出し、隣りのテルニアに行った。
いつ生まれたのか分からないから、本当の歳は分からない。
逃げ出したのは、『聖皇国』から『神皇国』へと名前が変わってしばらくしてからだ。
国の名前が変わったのは、上に立つお偉いさんが変わったからだとは聞いていた。
それが、孤児院の生活に関わってくるなんて、私達孤児には分からない事だった。
お腹いっぱいとは言えないし、甘い物なんて年に一回くらいしか貰えなかったけれど、普通に食べれていた生活は、国の名前が変わって2週間もしないうちに貧しくなった。
補助金?っていう国からのお金が入って来なくなったらしい。
市場での物の値段も上がった。
腹が空いて、掻っ払いの為に市場を彷徨いていたから、「また高くなった」「こんなに高くちゃ生活もままならない」って声はよく聞いた。
孤児院で変わったのは食事だけじゃない。
孤児の引き取りが多くなった事だ。
前だって、貴族や商人が訪ねて来る事はあった。
そんな日には夕食に果物が付いたり、絵本やおもちゃが増えたりしていた。
でも、訪ねてくる貴族や商人は前と違い、腹の突き出た脂っぽい顔のやつばかりで、果物が夕食に付く事も絵本やおもちゃが増える事もなく、仲間が連れて行かれるだけだった。
ある日、夜トイレに起きた私は、孤児院長達の話を耳にした。
どうやら、連れて行かれた仲間達は、端金で奴隷として売られていたらしい。
そのお金で、死なない程度には、食事する事が出来ていたのだ。
奴隷として売られていくヤツが増えても、孤児も増えていて、孤児院の人数が大きく減る事は無かった。
なので、ひもじさは無くならず、市場で万引きする回数は増えていった。
万引きが見つかって、蹴られたり殴られたりしても、食べる為にまた万引きして。
そしてある日、私はまた万引きして袋叩きに遭い、いつもより余計にやられた所為で足が腫れて痛くて、門限の時間に孤児院に帰る事が出来なかった。
脛や踝が倍ぐらいに腫れ、熱を持ち、ジンジン痛んだ。
誰かの家の裏で踞り、朝を待った。
朝になっても痛みは引かず、休みながら足を引き摺って昼過ぎに孤児院に戻った。
食事時間はとうに過ぎ、皆食べ物を漁りに町に出て行ったのだろう。
孤児院は静かだった。
井戸で手足を洗い、痛みを我慢しながらいつも寝ているベッドに向かい、横になった。
寝ていれば、かすり傷程度なら半日、骨折でも3日あれば、痛くとも動けるようにはなる。
後で知った事だが、私は知らずに治癒魔法を僅かに使っていたらしい。
人に向かって使う事が出来ないくらいのポンコツだが、自分の怪我は時間はかかるがある程度治せるので、今でも重宝している。
痛みを我慢しているうちに寝てしまったのか、起きた時はもう暗かった。
以前と違い、少ない食事を皆で奪うように取っているので、わざわざ食事時間に探しに来てくれることはない。
せめて水で腹を膨らまそうと、ベッドから起き出した。
窓の外も部屋の中も暗いが、部屋にある6つのベッドには、私以外誰も横になっていなかった。
体重をかけなければ大丈夫なくらいには回復した足を庇いながら、ゆっくりと台所まで歩いた。
早く歩こうとすると痛かったからだ。
水瓶に水を入れてくれているとは限らないが、井戸まで行くよりは台所までの方が近かったので、二度手間になるかもしれなかったが、台所を目指した。
もしかしたら、何か口に出来る残りカスでもあるかと期待して。
もちろん、そんな物は無かったが。
しかし、水瓶には半分くらい水が入っていた。
柄杓で掬って何杯も飲んだ。
喉がカラカラだったから。
人心地ついて、椅子に座り、月明かりだけの台所でボーッとしていると、馬の蹄と木の軋む音が外から聞こえたような気がした。
窓に寄って外を見る事はしなかった。
まだ脚が痛い。
腹も空いている。
無駄に体力を使おうとは思わなかった。
月明かりしかない外の暗さや静けさから、人通りも馬車が行き交うような時間帯ではない事は分かっていたが、その時の私は空腹と脚の痛みで、疑問に思う事は無かった。
微かに話し声と足音が聞こえた。
何を話しているかまでは分からないけれど、1人は孤児院長だろうと思った。
しばらくボーッとして、もう一杯水を飲み、脚を引きずるようにして部屋のベッドに戻った。
部屋にはもちろん自分以外、誰も居ない。
脚が痛くて確認してはいないが、隣やその隣、向かいの部屋にも孤児は誰も居ないのだろう。
どうせ、また明日になれば、新しい子供達が部屋にやって来るのだ。
瞼を透ける光で目が覚めた。
自分以外居ない部屋は、時間が止まっているかの様だ。
脚の痛みは殆ど感じられなくなっていたが、立ち上がって体重がかかるとまだ少し痛かった。
昨夜と同じく台所に行き、水を飲んだ。
外からは荷車や馬車の音、人々の雑踏が聞こえている。
昼まではいってないが、陽の高さから考えてみると、早朝ではなかった。
仕事を始めている時間だ。
台所はガランとし、火の気は無く、ひんやりとしていた。
他に孤児が居ないのなら、孤児院長達の残りカスやスープ鍋の底を舐めるくらいは出来るかもと思ったのだが、今朝は台所を使う事さえ無かったらしい。
空きっ腹で痛む腹を撫でなら、裏門から外に出た。
まだ少し痛む脚で逃げ切れるか分からないが、上手く食べ物を盗むしかない。
屋台や宿屋のゴミを漁り、食べ物を盗みながら路地の片隅で休んだ。
幸い今日は捕まらずに済んでいる。
甘いオレンジの最後の房を口に入れながら、次はどれを狙えるだろうかと顔を上げた。
目に入って来たのは、冒険者の一行だった。
薄暗い路地から見えた、日光が燦々と当たる通りを歩く冒険者達は、やけにキラキラして見えた。
「なぁなぁ、何か食おうぜ。」
「串焼きでも買うか?」
「包み焼きも!」
発せられた言葉に、唾がジワリと口内に湧き出た。
ーーー肉。
ーーー肉が食いたい。
肉なんて、口に出来る事は滅多に無い。
孤児院だけじゃ無く、路地裏にも浮浪者は老若男女いて、皆腹を空かしている。
ゴミ漁りも盗みも、場所の取り合いだ。
私は、ふらふらと路地から出て、冒険者達の後を追った。
普段ならこんな事しない。
冒険者や兵士は武器を持ってるし、気性の荒い奴もいる。
攻撃魔法に秀でている奴もいるから、捕まって生きて帰れる保証は無い。
でも私は、連日食べれてない事と、気付かずに使っていた治癒魔法の所為もあって、いつも以上に腹が空き、肉への誘惑もあって、冷静な判断を失っていた。
楽しそうに笑いながら歩く冒険者達の後ろを、砂漠で水を求める難民のようについて行った。
時折、何かの商品を指差しては笑う冒険者。
仲間に何か言われて頬を膨らまし戯れる冒険者。
呆れたような顔で親しげに諭す冒険者。
生暖かい表情で仲間達を見つめる冒険者。
私の周りには無かった、眩しい空間がそこにはあった。
「おっちゃん、串焼き8本。」
冒険者の声にハッとした時には、私はもう走り出していた。
屋台と冒険者のわずかな隙間に向かって。
差し出され、受け取る間際の串を何本か引っ掴んで駆け抜けた。
何人かにぶつかりながら路地へ曲がろうとした時、足元の石に引っかかってすっ転んだ。
痛い。
辛うじて串焼きは地面には付いていない。
顔面を犠牲にして守ったからだ。
しかし、「土が付かなくて良かった」と思った瞬間、背中を踏みつけられ、串焼きは取り上げられた。
「ぐぇっ!」
自分の喉から、カエルの様な音が出た。
「おい。悪ガキ。いい度胸してるじゃないか。あん⁈」
上から凄んだ声がした。
うつ伏せのまま、背中を踏みつけられているので、身体を丸めて守る事も出来ない。
目の前に誰かが立った。
ブーツの足先が見える。
顔を蹴られるのだろうと思い、咄嗟に目を瞑った。
次の瞬間、脇に手を入れられ、身体が浮き上がった。
パンッとやけにいい音が響き、頬が熱くなる。
薄ら目を開けると、目の前にガタイの良い冒険者が立っていて、自分の両頬に手を当てられていた。
段々と頬がジンジンしてきた。叩かれたらしい。
後ろから腕をパッと取られた。
目の前の冒険者よりは細身だが体格の良い目つきの鋭い冒険者が、睨んでいた。
ヒュッと喉が鳴った。
ああ、今日はこの前の怪我の比ではないだろう。
俯き、声も出せず、震え出した私の目線に、先程の串焼きが差し出された。
おずおずと目を向けると、目の前の冒険者が更に串焼きを突き出して来た。
訳が分からず、目が泳ぐ。
私の腕を掴んでいた冒険者が、溜息を吐いてからその腕を持ち上げ、串焼きを握らされた。
「もう、冒険者から盗もうなんてすんじゃねーぞ。」
「つーか、盗みはもうすんな!ほら、食え!」
「食え」と言われて、手の中の串焼きから目が離せなくなった。
夢中で肉にかぶりつく。
視界がぼやけて、肉が段々しょっぱくなった。
頭をポンポンと軽く叩かれたが、やめて欲しい。
串が喉に刺さりそうだ。
「いーい?腹が空いたから、ギルド前にいらっしゃい。」
「私達がいたら少しは何かあげるし、手伝いしてくれたら奢ってあげるから。」
食べてる間に、他の冒険者仲間もやって来て、頭をポンポンと叩いた。
去り際に串焼きを更に2本もらい、私は孤児院へ戻った。
夕陽が差している孤児院は、やけに静かだった。
井戸で手足と顔を洗い、ついでに汚れていた服を洗った。
古着や古布を置いてある物置に行って、着替えようとしたが、伽藍堂だった。
仕方なく、下履き一枚のまま部屋に行き、ベッドの下の木箱を漁った。
誰かに盗られる事はあるが、個人的な荷物を置けるのは、この木箱しかない。
古びた人形や真っ白な石、千切れた布紐や萎れた花輪など。
着替えや下着も、自分用と決めた物はここにしまう。
同じ部屋には、だいたい同じくらいの年齢の子が寝ていたので、着られる大きさの物はすぐに見つかった。
私が自分の木箱に入れていた服は、何故かその木箱で見つかったのだが。
辺りが暗くなり、外の喧騒が落ち着いても、孤児院の中は何の音もしなかった。
台所に行っても、朝と同じで火の気は無く、食堂はガランとし燭台の火すらない。
自分以外の孤児が居ないのだから、子供の声はしなくとも、院長や職員、下男の声くらいは多少聞こえそうなものなのに、全く聞こえてこない。
だいいち、台所を使ってないのは如何してなのか。
昼間の肉のおかげで、空腹や脚の痛さも無くなっていたので、好奇心が疼いてきていた。
足音を立てないように、孤児院長室に忍び足で行く。
余りにも静か過ぎて、ほんの少しの音にもドキリとする。
廊下はもちろん、院長達の部屋の前からも何も聞こえてこない。
流石に、いきなり院長室に忍び込むのは憚れたので、下男達の部屋のドアを、親指くらい、そっと開けた。
中は真っ暗で何も見えない。
もう少し開けると、窓から月明かりが射しているのが見えた。
誰も居ないようなので、思い切って中に入り、音を立てないようにドアを閉めた。
古びたタンスとベッドが2つ並び、窓側に机がある以外、質素な部屋だった。
クローゼットを開けてみたが、何も入っていない。
机の引き出しにも、ベッド下の木箱にも、何も入っていなかった。
ベッドの上には、毛布や枕さえ無い。
解雇でもされたのだろうかと首を傾げながら、職員達の部屋も周ってみたが、全て荷物は取り払ってあり、何一つとして残っていない。
孤児院長室に来る頃には、音に注意する事もなくなっていた。
思い切り開けた院長室は、家具すら無かった。
たぶん私が怪我をしたあの日、院長達は、孤児達や不用品などを売り払い、孤児院を後にしたのだろう。
ーーーこれからどうしよう・・・。
頭が真っ白になり、不安にかられた。
奴隷として売られるのは嫌だが、売られた方が良かったのかもとも思ってしまう。
ろくに食べれなかったが、それでも多少食べれるだけでも良かった。
何しろ、水と寝床は確実にあったのだから。
明日からどうしよう。
しばらくは隠れ住む事は出来るだろうが、そのうち追い出されるだろう。
もしかしたら、明日にでも。
各部屋を周って、細々とした残っていた物をかき集めた。
古い物、汚れた物、壊れている物。
少しでも売れないかと広げたシーツに纏めてみた。
成人前の薄汚れたチビの物なんて買ってもらえないだろうが、ほんの少しにでもなればと思って。
今日会った冒険者達の姿が浮かんだ。
次の日、日が昇る頃、私は冒険者ギルド前に荷物を担いで立っていた。
昨夜集めた孤児院に残っていた物と、少しの私物。
私物といっても、着替え4枚と手拭いくらいのものだ。
仕事に行き交う人々が通るようになった頃、昨日の冒険者達がギルド前に来た。
私の方を見るが、気付かないのかそのままギルドに入ろうとする。
「あ、あの!」
呼び止めると、目つきのキツい冒険者が更に目をキツめに窄めた。
「あん⁈」
怖いが、背に腹は変えられない。
「あの、昨日の!」
「はあ⁈」
「き、昨日は、串焼き、ありがとうございました!」
しばらく、ポカンと私を見下ろした冒険者達は、目をまん丸にして顔を覗き込んできた。
「え⁈お前、女の子だったの⁈」
昨日まで縛ってなかった髪は、誰かの私物の紐で纏めてあるし、昨日まで着ていた服よりはまだ綺麗なワンピースを着ている。
出来るだけ、印象を良くする為に身綺麗にしたつもりだったが、幾ら昨日すっ転んで土が付いていたとはいえ、性別を間違えられているとは思わなかった。
「わざわざ、挨拶しに来てくれたの?」
「いえ、あの、実は・・・。」
私は、孤児院がいつの間にか誰も居なくなっている事、今後の不安、不用品の売却のお願いなど、個人的な事を全て話した。
知り合いでもない、ほぼ初対面の相手にこんな話をするのは、相当な馬鹿だと思う。
実際、冒険者達にもそう言われた。
でも、奴隷商に売られても仕方ないと覚悟していたので、全て話す気になったのだ。
食べ物は盗んだ物だけ、水も満足に飲めず、安心して寝る事も出来なければ、早いうちに動けなくなり後は死ぬだけだろう。
「うーん・・・。そうだ!あんた家事はできる?」
担いでいたシーツの中身を見ていた冒険者の女性が、渋い顔から急に閃いた顔になった。
「えっと。掃除と洗濯なら、少し。」
「料理は?」
「スープくらいなら・・・。」
女性冒険者が目をキラリと光らせて、もう1人の女性冒険者と頷き合った。
「じゃあ、君は今日から『冒険者見習い兼家事手伝い』ね。」
静かに聞いていた細面の冒険者が、ニコリと私に笑いかけた。
それを聞いた体格の良い冒険者と目つきのキツい冒険者も、ニコリと私に笑顔を向けた。
「うん、うん。何でも修行だぞ。
食べれるスープが作れるなら、他の料理だって作れるようになる。」
何か、意味深な言い方だったが、深くは考えない方が良いと思った。
女性冒険者の目つきが鋭くなった気がしたから。
一緒にギルドに連れて行かれて、仮のギルド証を発行してもらった。
成人していなければギルド証は発行してもらえないし、ギルドから仕事を紹介してもらえないのだが、後見人がいれば、未成年でも仮証を発行してもらえて、簡単な採取や手伝い仕事を紹介してもらえるそうだ。
「大丈夫。立派な料理人にしてあげるからねー。」
何故かそう言って、女性冒険者に抱きしめられたが、私は冒険者の方が良い。
ーーーキラキラしたあなた達と、肩を並べて歩きたい。
私は、冒険者になるのだ!
いつ生まれたのか分からないから、本当の歳は分からない。
逃げ出したのは、『聖皇国』から『神皇国』へと名前が変わってしばらくしてからだ。
国の名前が変わったのは、上に立つお偉いさんが変わったからだとは聞いていた。
それが、孤児院の生活に関わってくるなんて、私達孤児には分からない事だった。
お腹いっぱいとは言えないし、甘い物なんて年に一回くらいしか貰えなかったけれど、普通に食べれていた生活は、国の名前が変わって2週間もしないうちに貧しくなった。
補助金?っていう国からのお金が入って来なくなったらしい。
市場での物の値段も上がった。
腹が空いて、掻っ払いの為に市場を彷徨いていたから、「また高くなった」「こんなに高くちゃ生活もままならない」って声はよく聞いた。
孤児院で変わったのは食事だけじゃない。
孤児の引き取りが多くなった事だ。
前だって、貴族や商人が訪ねて来る事はあった。
そんな日には夕食に果物が付いたり、絵本やおもちゃが増えたりしていた。
でも、訪ねてくる貴族や商人は前と違い、腹の突き出た脂っぽい顔のやつばかりで、果物が夕食に付く事も絵本やおもちゃが増える事もなく、仲間が連れて行かれるだけだった。
ある日、夜トイレに起きた私は、孤児院長達の話を耳にした。
どうやら、連れて行かれた仲間達は、端金で奴隷として売られていたらしい。
そのお金で、死なない程度には、食事する事が出来ていたのだ。
奴隷として売られていくヤツが増えても、孤児も増えていて、孤児院の人数が大きく減る事は無かった。
なので、ひもじさは無くならず、市場で万引きする回数は増えていった。
万引きが見つかって、蹴られたり殴られたりしても、食べる為にまた万引きして。
そしてある日、私はまた万引きして袋叩きに遭い、いつもより余計にやられた所為で足が腫れて痛くて、門限の時間に孤児院に帰る事が出来なかった。
脛や踝が倍ぐらいに腫れ、熱を持ち、ジンジン痛んだ。
誰かの家の裏で踞り、朝を待った。
朝になっても痛みは引かず、休みながら足を引き摺って昼過ぎに孤児院に戻った。
食事時間はとうに過ぎ、皆食べ物を漁りに町に出て行ったのだろう。
孤児院は静かだった。
井戸で手足を洗い、痛みを我慢しながらいつも寝ているベッドに向かい、横になった。
寝ていれば、かすり傷程度なら半日、骨折でも3日あれば、痛くとも動けるようにはなる。
後で知った事だが、私は知らずに治癒魔法を僅かに使っていたらしい。
人に向かって使う事が出来ないくらいのポンコツだが、自分の怪我は時間はかかるがある程度治せるので、今でも重宝している。
痛みを我慢しているうちに寝てしまったのか、起きた時はもう暗かった。
以前と違い、少ない食事を皆で奪うように取っているので、わざわざ食事時間に探しに来てくれることはない。
せめて水で腹を膨らまそうと、ベッドから起き出した。
窓の外も部屋の中も暗いが、部屋にある6つのベッドには、私以外誰も横になっていなかった。
体重をかけなければ大丈夫なくらいには回復した足を庇いながら、ゆっくりと台所まで歩いた。
早く歩こうとすると痛かったからだ。
水瓶に水を入れてくれているとは限らないが、井戸まで行くよりは台所までの方が近かったので、二度手間になるかもしれなかったが、台所を目指した。
もしかしたら、何か口に出来る残りカスでもあるかと期待して。
もちろん、そんな物は無かったが。
しかし、水瓶には半分くらい水が入っていた。
柄杓で掬って何杯も飲んだ。
喉がカラカラだったから。
人心地ついて、椅子に座り、月明かりだけの台所でボーッとしていると、馬の蹄と木の軋む音が外から聞こえたような気がした。
窓に寄って外を見る事はしなかった。
まだ脚が痛い。
腹も空いている。
無駄に体力を使おうとは思わなかった。
月明かりしかない外の暗さや静けさから、人通りも馬車が行き交うような時間帯ではない事は分かっていたが、その時の私は空腹と脚の痛みで、疑問に思う事は無かった。
微かに話し声と足音が聞こえた。
何を話しているかまでは分からないけれど、1人は孤児院長だろうと思った。
しばらくボーッとして、もう一杯水を飲み、脚を引きずるようにして部屋のベッドに戻った。
部屋にはもちろん自分以外、誰も居ない。
脚が痛くて確認してはいないが、隣やその隣、向かいの部屋にも孤児は誰も居ないのだろう。
どうせ、また明日になれば、新しい子供達が部屋にやって来るのだ。
瞼を透ける光で目が覚めた。
自分以外居ない部屋は、時間が止まっているかの様だ。
脚の痛みは殆ど感じられなくなっていたが、立ち上がって体重がかかるとまだ少し痛かった。
昨夜と同じく台所に行き、水を飲んだ。
外からは荷車や馬車の音、人々の雑踏が聞こえている。
昼まではいってないが、陽の高さから考えてみると、早朝ではなかった。
仕事を始めている時間だ。
台所はガランとし、火の気は無く、ひんやりとしていた。
他に孤児が居ないのなら、孤児院長達の残りカスやスープ鍋の底を舐めるくらいは出来るかもと思ったのだが、今朝は台所を使う事さえ無かったらしい。
空きっ腹で痛む腹を撫でなら、裏門から外に出た。
まだ少し痛む脚で逃げ切れるか分からないが、上手く食べ物を盗むしかない。
屋台や宿屋のゴミを漁り、食べ物を盗みながら路地の片隅で休んだ。
幸い今日は捕まらずに済んでいる。
甘いオレンジの最後の房を口に入れながら、次はどれを狙えるだろうかと顔を上げた。
目に入って来たのは、冒険者の一行だった。
薄暗い路地から見えた、日光が燦々と当たる通りを歩く冒険者達は、やけにキラキラして見えた。
「なぁなぁ、何か食おうぜ。」
「串焼きでも買うか?」
「包み焼きも!」
発せられた言葉に、唾がジワリと口内に湧き出た。
ーーー肉。
ーーー肉が食いたい。
肉なんて、口に出来る事は滅多に無い。
孤児院だけじゃ無く、路地裏にも浮浪者は老若男女いて、皆腹を空かしている。
ゴミ漁りも盗みも、場所の取り合いだ。
私は、ふらふらと路地から出て、冒険者達の後を追った。
普段ならこんな事しない。
冒険者や兵士は武器を持ってるし、気性の荒い奴もいる。
攻撃魔法に秀でている奴もいるから、捕まって生きて帰れる保証は無い。
でも私は、連日食べれてない事と、気付かずに使っていた治癒魔法の所為もあって、いつも以上に腹が空き、肉への誘惑もあって、冷静な判断を失っていた。
楽しそうに笑いながら歩く冒険者達の後ろを、砂漠で水を求める難民のようについて行った。
時折、何かの商品を指差しては笑う冒険者。
仲間に何か言われて頬を膨らまし戯れる冒険者。
呆れたような顔で親しげに諭す冒険者。
生暖かい表情で仲間達を見つめる冒険者。
私の周りには無かった、眩しい空間がそこにはあった。
「おっちゃん、串焼き8本。」
冒険者の声にハッとした時には、私はもう走り出していた。
屋台と冒険者のわずかな隙間に向かって。
差し出され、受け取る間際の串を何本か引っ掴んで駆け抜けた。
何人かにぶつかりながら路地へ曲がろうとした時、足元の石に引っかかってすっ転んだ。
痛い。
辛うじて串焼きは地面には付いていない。
顔面を犠牲にして守ったからだ。
しかし、「土が付かなくて良かった」と思った瞬間、背中を踏みつけられ、串焼きは取り上げられた。
「ぐぇっ!」
自分の喉から、カエルの様な音が出た。
「おい。悪ガキ。いい度胸してるじゃないか。あん⁈」
上から凄んだ声がした。
うつ伏せのまま、背中を踏みつけられているので、身体を丸めて守る事も出来ない。
目の前に誰かが立った。
ブーツの足先が見える。
顔を蹴られるのだろうと思い、咄嗟に目を瞑った。
次の瞬間、脇に手を入れられ、身体が浮き上がった。
パンッとやけにいい音が響き、頬が熱くなる。
薄ら目を開けると、目の前にガタイの良い冒険者が立っていて、自分の両頬に手を当てられていた。
段々と頬がジンジンしてきた。叩かれたらしい。
後ろから腕をパッと取られた。
目の前の冒険者よりは細身だが体格の良い目つきの鋭い冒険者が、睨んでいた。
ヒュッと喉が鳴った。
ああ、今日はこの前の怪我の比ではないだろう。
俯き、声も出せず、震え出した私の目線に、先程の串焼きが差し出された。
おずおずと目を向けると、目の前の冒険者が更に串焼きを突き出して来た。
訳が分からず、目が泳ぐ。
私の腕を掴んでいた冒険者が、溜息を吐いてからその腕を持ち上げ、串焼きを握らされた。
「もう、冒険者から盗もうなんてすんじゃねーぞ。」
「つーか、盗みはもうすんな!ほら、食え!」
「食え」と言われて、手の中の串焼きから目が離せなくなった。
夢中で肉にかぶりつく。
視界がぼやけて、肉が段々しょっぱくなった。
頭をポンポンと軽く叩かれたが、やめて欲しい。
串が喉に刺さりそうだ。
「いーい?腹が空いたから、ギルド前にいらっしゃい。」
「私達がいたら少しは何かあげるし、手伝いしてくれたら奢ってあげるから。」
食べてる間に、他の冒険者仲間もやって来て、頭をポンポンと叩いた。
去り際に串焼きを更に2本もらい、私は孤児院へ戻った。
夕陽が差している孤児院は、やけに静かだった。
井戸で手足と顔を洗い、ついでに汚れていた服を洗った。
古着や古布を置いてある物置に行って、着替えようとしたが、伽藍堂だった。
仕方なく、下履き一枚のまま部屋に行き、ベッドの下の木箱を漁った。
誰かに盗られる事はあるが、個人的な荷物を置けるのは、この木箱しかない。
古びた人形や真っ白な石、千切れた布紐や萎れた花輪など。
着替えや下着も、自分用と決めた物はここにしまう。
同じ部屋には、だいたい同じくらいの年齢の子が寝ていたので、着られる大きさの物はすぐに見つかった。
私が自分の木箱に入れていた服は、何故かその木箱で見つかったのだが。
辺りが暗くなり、外の喧騒が落ち着いても、孤児院の中は何の音もしなかった。
台所に行っても、朝と同じで火の気は無く、食堂はガランとし燭台の火すらない。
自分以外の孤児が居ないのだから、子供の声はしなくとも、院長や職員、下男の声くらいは多少聞こえそうなものなのに、全く聞こえてこない。
だいいち、台所を使ってないのは如何してなのか。
昼間の肉のおかげで、空腹や脚の痛さも無くなっていたので、好奇心が疼いてきていた。
足音を立てないように、孤児院長室に忍び足で行く。
余りにも静か過ぎて、ほんの少しの音にもドキリとする。
廊下はもちろん、院長達の部屋の前からも何も聞こえてこない。
流石に、いきなり院長室に忍び込むのは憚れたので、下男達の部屋のドアを、親指くらい、そっと開けた。
中は真っ暗で何も見えない。
もう少し開けると、窓から月明かりが射しているのが見えた。
誰も居ないようなので、思い切って中に入り、音を立てないようにドアを閉めた。
古びたタンスとベッドが2つ並び、窓側に机がある以外、質素な部屋だった。
クローゼットを開けてみたが、何も入っていない。
机の引き出しにも、ベッド下の木箱にも、何も入っていなかった。
ベッドの上には、毛布や枕さえ無い。
解雇でもされたのだろうかと首を傾げながら、職員達の部屋も周ってみたが、全て荷物は取り払ってあり、何一つとして残っていない。
孤児院長室に来る頃には、音に注意する事もなくなっていた。
思い切り開けた院長室は、家具すら無かった。
たぶん私が怪我をしたあの日、院長達は、孤児達や不用品などを売り払い、孤児院を後にしたのだろう。
ーーーこれからどうしよう・・・。
頭が真っ白になり、不安にかられた。
奴隷として売られるのは嫌だが、売られた方が良かったのかもとも思ってしまう。
ろくに食べれなかったが、それでも多少食べれるだけでも良かった。
何しろ、水と寝床は確実にあったのだから。
明日からどうしよう。
しばらくは隠れ住む事は出来るだろうが、そのうち追い出されるだろう。
もしかしたら、明日にでも。
各部屋を周って、細々とした残っていた物をかき集めた。
古い物、汚れた物、壊れている物。
少しでも売れないかと広げたシーツに纏めてみた。
成人前の薄汚れたチビの物なんて買ってもらえないだろうが、ほんの少しにでもなればと思って。
今日会った冒険者達の姿が浮かんだ。
次の日、日が昇る頃、私は冒険者ギルド前に荷物を担いで立っていた。
昨夜集めた孤児院に残っていた物と、少しの私物。
私物といっても、着替え4枚と手拭いくらいのものだ。
仕事に行き交う人々が通るようになった頃、昨日の冒険者達がギルド前に来た。
私の方を見るが、気付かないのかそのままギルドに入ろうとする。
「あ、あの!」
呼び止めると、目つきのキツい冒険者が更に目をキツめに窄めた。
「あん⁈」
怖いが、背に腹は変えられない。
「あの、昨日の!」
「はあ⁈」
「き、昨日は、串焼き、ありがとうございました!」
しばらく、ポカンと私を見下ろした冒険者達は、目をまん丸にして顔を覗き込んできた。
「え⁈お前、女の子だったの⁈」
昨日まで縛ってなかった髪は、誰かの私物の紐で纏めてあるし、昨日まで着ていた服よりはまだ綺麗なワンピースを着ている。
出来るだけ、印象を良くする為に身綺麗にしたつもりだったが、幾ら昨日すっ転んで土が付いていたとはいえ、性別を間違えられているとは思わなかった。
「わざわざ、挨拶しに来てくれたの?」
「いえ、あの、実は・・・。」
私は、孤児院がいつの間にか誰も居なくなっている事、今後の不安、不用品の売却のお願いなど、個人的な事を全て話した。
知り合いでもない、ほぼ初対面の相手にこんな話をするのは、相当な馬鹿だと思う。
実際、冒険者達にもそう言われた。
でも、奴隷商に売られても仕方ないと覚悟していたので、全て話す気になったのだ。
食べ物は盗んだ物だけ、水も満足に飲めず、安心して寝る事も出来なければ、早いうちに動けなくなり後は死ぬだけだろう。
「うーん・・・。そうだ!あんた家事はできる?」
担いでいたシーツの中身を見ていた冒険者の女性が、渋い顔から急に閃いた顔になった。
「えっと。掃除と洗濯なら、少し。」
「料理は?」
「スープくらいなら・・・。」
女性冒険者が目をキラリと光らせて、もう1人の女性冒険者と頷き合った。
「じゃあ、君は今日から『冒険者見習い兼家事手伝い』ね。」
静かに聞いていた細面の冒険者が、ニコリと私に笑いかけた。
それを聞いた体格の良い冒険者と目つきのキツい冒険者も、ニコリと私に笑顔を向けた。
「うん、うん。何でも修行だぞ。
食べれるスープが作れるなら、他の料理だって作れるようになる。」
何か、意味深な言い方だったが、深くは考えない方が良いと思った。
女性冒険者の目つきが鋭くなった気がしたから。
一緒にギルドに連れて行かれて、仮のギルド証を発行してもらった。
成人していなければギルド証は発行してもらえないし、ギルドから仕事を紹介してもらえないのだが、後見人がいれば、未成年でも仮証を発行してもらえて、簡単な採取や手伝い仕事を紹介してもらえるそうだ。
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何故かそう言って、女性冒険者に抱きしめられたが、私は冒険者の方が良い。
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