超絶天才な俺が異世界に転生する話 ~Sランク越えのチートスキル(才能)で世界を攻略~

シン・ミカ

文字の大きさ
6 / 30
第一章

第5話

しおりを挟む
 アイテムボックスからペンダントを取り出す。
 金色に輝くペンダントの真ん中には赤紫の透き通った宝石。中では紫の光が動いている。
 この世界で記憶が戻った日、ポケットに入っていたペンダント。これがなんなのか、元師匠であるゲインに見せても「知らん、でも高く売れそうだから持ってろ」としか言われなかった。
 それ以降1日1回ペンダントを人知れず確認することが日課になっていた。
 ペンダントが無事であったことを確認してアイテムボックスに戻す。
 そして後ろの方を歩いている王女のリンシアと護衛メイドであるメルに声をかけた。

 
「遅いぞお前ら! もっと早く歩けないのかぁ!」

「全くもって、無礼ね」


 メルが砕けた口調で俺に言った。敬語はやめてくれと俺が言ったからだ。


「早く大浴場に入りたいんだ。凄く入りたいんだ!」


 語彙力の欠片もない主張をしてみる。


「そんなに大浴場好きなのですか?」


 リンシアはまだ丁寧な言葉を使っている。
 さすが王族だと俺は思った。


「俺は特別、大浴場……つまり温泉が好きなんだ!」


 笑顔で主張して温泉が好きなことをアピールする。


「なんだか知りませんが大浴場に凄い熱意を感じますね……」


 スラム街であるジルムンクでの水はかなり希少だった。身体を洗うために使う余裕など無い。ましてや湯船に浸かるぐらいの水など用意できるものはいないのだ。
 身体を綺麗にする生活魔法である【クリーン】を使っていた俺だが、こちらで目覚めてから10年、1度も天然の湯に使ったことがないのだ。
 天然と言えば……。


「そういえば気になったんだが、王城の大浴場は天然なのか?」

「天然とはどういうことですか?」

「ただ水を温めただけではなく、地下から出てきている天然物なのかという意味だ」


 天然かどうかは俺にとってかなり大切な要素である。ただの温めた湯なら自分でも作れそうだからだ。


「そういう意味でしたら天然ですよ。城を建設する当時に掘り起こされたらしいです。美容にも良く、当時は奇跡の湯と呼ばれていたらしいですよ」

「ますます楽しみだな」


 俺は唇を綻ばせた。
  天然なのであれば文句はない、早く入りたいものだ。


「徒歩だと、王都まであと1日もかかるのか?」

「先程申し上げた通り、私たちのような、女性の足では1日はかかる」


 メルは笑顔で「か弱い」という部分を主張してきた。


「か弱いねぇ……メルは相当出来ると思うんだけどね」


 王族の護衛メイドなだけあってなかなかに強いと感じた。ジルムンクで俺に集団リンチを仕掛けた男達のリーダー格程度なら軽く倒せるレベルである。


「メルが騎士になればいいんじゃない?」


 これまでの道中で俺を騎士にしたい理由の説明をリンシアの口から一通り受けていた。だからこそ素朴な疑問を投げかけてみた。
 どうにも王族の事情というのはめんどくさいことこの上ないし、関わるつもりはないと思わせられた。


「メルも強いですが、王国の騎士達はもっと強いです。それに女性で騎士になるためには爵位を持った者でしかならないという決まりがあるのです」


 リンシアの言葉を聞いたメルの表情は暗い。
 メルの事情は聞いていないが、なにか訳ありなのだろう。


「事情がおありで、まぁ俺は身分証と大浴場さえ入れればいいんだけどね」

「それよりもさっきアイテムボックスを使ってませんでしたか?」


 さっき使ったところを後ろから見ていたのだろう。


「あぁ使ったよ。次元属性じげんぞくせい魔法ぐらい誰だって使えるだろう?」

次元属性じげんぞくせい魔法……この国でも使えるものは3人しかいない、かなりレアな属性だぞ」


 俺の答えにメルが驚きの表情で答える。リンシアも驚いたがすぐ笑顔になった。

 次元属性じげんぞくせい魔法、そんなにレアだったのか。俺の師であるゲインも使っていたし、めずらしいぐらいにしか思ってなかった。


「とりあえず早く進もうぜ!」


 あれこれ詮索させるのも嫌だったので、話題を変えてにこやかに2人へ声をかけた。
 今のところ王族の争いに巻き込まれるつもりもないので適当な理由で騎士は辞退しようと考えている。

 こんな平凡的な会話を繰り返しながら大浴場に向かっていた。ついでに王都に。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト
ファンタジー
 現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。  そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。  その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。  お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。    ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。    お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...