花の王都の策士は、言い訳が多い(わたしの、いちばん好きなローラン様です)

星乃和花

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第4話 花祭当日、策士は予定外に弱るものです

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 花祭当日の朝、花の王都リリシアは、いつもより少しだけ早く目を覚ました。

 大通りの上には、色とりどりの花のアーチ。
 窓辺の鉢植えには、祝いのリボン。
 通りのあちこちで、職人たちが最後の確認に走り回り、子どもたちはソワソワと新しい靴を鳴らしている。

 そんな喧騒とは少し離れたフロレアル家の執務室では――別の意味で慌ただしい朝が訪れていた。

「参事官」

 カミーユが、じっとりした目でローランを見つめる。

「質問です。いつから寝ておられませんか」

「……昨夜の、二時までは起きていた自覚がある」

「そこから先の記憶は?」

「気づいたら夜明けだった」

「それは“寝た”とは言いません」

 机の上には、地図と進行表と、予備の進行表と、さらに“最悪ケース用の代替案”が積み上がっている。
 その横には、飲みかけのコーヒーカップが三つ。数で言えば、徹夜の証拠として十分すぎた。

「……必要最低限の確認だけだ」

「その“必要最低限”の中に、“全部”が入っているのが参事官の悪癖です」

 カミーユは、ため息をひとつ吐いてから、書類の山をトントンと揃える。

「大通りの導線確認、花火の安全距離の再計算、アーチ点灯式の手順見直し……全部終わってるじゃないですか」

「万が一がある」

「昨日、一昨日、その前の日も同じこと言って全部確認しましたよね?」

「昨日と今日は人の流れが違う」

「……もう、いいです」

 諦めたように、カミーユはローランの前に一枚の紙を突き出した。

「こちら、本日の公式スケジュール。
 お嬢様が関わるのは三つです」

 ― 午前:開会の挨拶&花アーチ前でのリボンセレモニー
 ― 午後:花車パレードの観覧
 ― 夜:アーチ点灯式にて、参事官と並んでの登壇

「以上。
 お嬢様の前で倒れたら本末転倒ですからね」

「倒れん」

「目の下のクマが、倒れる三歩手前です」

「……これは、影だ」

「影がクマの形してます」

 カミーユは、すっと視線を細めた。

「参事官」

「何だ」

「お嬢様には、“完璧な段取り”よりも、“倒れない婚約者”のほうが必要だと思います」

「……」

 妙に刺さる正論だった。

 ローランは、反論しようとして――ふ、と先日の大通りの光景を思い出した。

 荷車が傾き、鉢植えが落ちかけたあの瞬間。
 自分が引き寄せた彼女の震え。
 そして、そのあとで小さく笑って、「守ろうとしてくださったことは、伝わりました」と言った声。

 あれをもう一度聞きたいか、と問われたら。
 返答は、“はい”。
 だが、同じ危険は、できれば二度と起こしたくない。

「……わかった」

 ようやく、短く答える。

「必要な部分だけに集中する」

「ではまず、“睡眠不足”というリスクの切り捨てから始めましょう」

「今から寝るわけにはいかん」

「では、代わりに“無駄な心配”を少し削ってください」

 カミーユは、書類の束の一番上をひらりとめくる。

「たとえば、この“万が一、花アーチに鳥が巣を作っていた場合の撤去手順”とか」

「鳥は予測不能だ」

「鳥まで最適化しようとしないでください」

 やりとりはいつも通りだったが、カミーユの声には、どこか柔らかい諦めと信頼が混じっていた。

「……さすがにもう、これ以上は整ってますよ。
 あとは、参事官が“失敗したとしても自分を焼きすぎない覚悟”を決めるだけです」

「それは、難しいな」

「そこを頑張ってください」

 難題をさらりと投げてから、カミーユはにやりと笑った。

「お嬢様も、今日はきっと、参事官のことをよく見ておられますよ」

 その一言が、妙に胸に残った。

 ***

 同じころ、ブランシュ伯爵家の屋敷でも、別種の準備が進んでいた。

「お嬢様、リボンの最終確認を」

「はい……」

 姿見の前で、リリアンヌは、ぐるりと一度まわってみた。

 今日は、王都の花祭の“顔”のひとつとして、公式の場に立つ。
 ドレスは、伯爵夫人と仕立て屋とが何度も相談して決めた“花祭仕様”だった。

 淡い白百合色のドレス。
 裾には、小さな花びらを模したレースが幾重にも重なり、光の加減でやわらかく揺れる。
 腰には、花冠をほどいたようなリボンの飾り。
 髪はハーフアップにまとめ、そこにも小さなレースの花が散らされている。

「……ちょっと、きれいすぎないかな」

 鏡の中の自分を見て、思わず呟いてしまった。

「きれいすぎる、という苦情は、受付を終了しております」

 ノエルがきっぱりと言い切る。

「本日のコンセプトは、“花の王都に咲いた一輪の白百合”です。
 異論は受け付けません」

「そんな大層な……」

「お嬢様。
 ローラン様が本日、何百人分の動線と安全と段取りを抱えているか、ご存じですか」

「えっと……たくさん」

「そうです。たくさんです」

 ノエルは、きゅっと胸を張った。

「ですから、お嬢様の本日の主な任務は、“そこにいるだけで周囲の士気を上げること”です。
 具体的には、“あ、今日頑張ってよかったかも”と参事官に思わせることです」

「そんな、難しいこと……」

「難しくありません。笑っていれば大体達成です」

 ノエルはさらりと言う。

「お嬢様が笑っていれば、参事官は『計画が機能している』と認識し、精神的負荷が三割減るでしょう」

「そんなに?」

「ノエル観測値です」

「……わたし、今日、ローラン様の役に立てるかな」

 レースの裾を指でつまみながら、リリアンヌがぽつりと言う。

「立てますよ」

 ノエルは、きっぱりと断言した。

 ある夜、リリアンヌから全部聞いた大通りでの騒ぎを思い出す。
 「覚悟しておけ」の意味。怖かったのに、同時に安心したこと。
 「どうしてそんなに必死なんだろう」と、彼の心配を始めたこと。

「お嬢様が、“守られている側”でありながら、“守ってくれている人の心配ができるようになった”時点で、関係のバランスは変わっています」

「バランス……」

「はい。
 参事官の“必死さ”を、ただ甘受するだけではなく、“どうして?”と覗き込む視線は、立派な支えです」

 リリアンヌは、少しだけ目を丸くした。

「覗き込む……」

「ええ。
 今日は、どうか、少しだけ観察者になってみてください。
 『この人、今、どこが必死なんだろう』って」

 それなら、できるかもしれない。
 彼の全部を理解するのは、きっと難しい。
 でも、「今、ここで」必死になっている理由くらいなら、少しは見つけられるかもしれない。

「……がんばって、観測してみる」

「はい。その意気です。
 あとは、転ばないようお気をつけください。参事官の心臓が持ちません」

「う、うん……!」

 胸のあたりをぎゅっと押さえながら、リリアンヌは小さく深呼吸をした。

 今日は、“守られるだけの日”ではない。
 少しだけ、“支える側”に足を踏み出してみたい日だ。

 ***

 開会の鐘が鳴り響くと同時に、花の王都の一日は本格的に始動した。

 大通りの始まりにある大きな花のアーチの前には、既にたくさんの人が集まっている。
 貴族たちの姿も多く、地方からやってきた商人や観光客もいる。
 子どもたちは、一番前の列で背伸びをしていた。

 アーチの前に、ローランとリリアンヌが並んで立つ。

 ローランは、いつもより一段階フォーマルな装いだ。
 濃紺の礼服に、フロレアル家の紋章を象ったブローチ。
 髪もきっちりと整えられているが、すこしだけ目の下に影がある。

(やっぱり、少しお疲れそう……)

 隣で見上げながら、リリアンヌは胸の中でそっと呟いた。

 でも、その横顔は、いつもと変わらず落ち着いている。
 視線はアーチと人の流れを一度確認し、次に、何かあったときにすぐ動けるような位置取りを計算しているようだった。

 司会役の係が、一歩前に出て声を張り上げる。

「ただいまより、花の王都リリシア、春の花祭の開会セレモニーを始めます!」

 歓声が上がる。
 その中で、ローランは一歩前に出た。

「花の王都の皆さん、本日はようこそ」

 声はよく通り、落ち着いていた。
 昨夜ほとんど眠っていないとは思えない。

「今年もこうして花祭を迎えられたことは、多くの方々の支えと努力のおかげです。
 安全で、美しく、そして少しだけ浮かれた一日になりますように。
 どうか、存分に楽しんでください」

 「少しだけ浮かれた」のあたりで、ところどころくすくすと笑いが起きる。
 ローランは真面目な顔のままだが、その言葉には、確かに愛情のようなものが滲んでいた。

「そして――」

 一瞬だけ、視線がリリアンヌに向けられる。

「本日のアーチの祝福は、ブランシュ伯爵家のお嬢様、リリアンヌ・ブランシュ様にお願いしております」

 名前を呼ばれて、一瞬だけ心臓が跳ねた。
 けれど、ノエルに言われたことを思い出す。

(“そこにいるだけでいい”……)

 リリアンヌは、小さく息を吸ってから、一歩前に出た。

「……皆さま、本日はお越しくださいまして、ありがとうございます」

 自分で驚くほど、声は震えていない。

「わたしは、花のことは、まだあまり詳しくありません。
 でも、ローラン様が――フロレアル家の皆さまが、いつもたくさんのことを考えて、この日を準備してくださっていることは、少しだけ知っています」

 横で、ローランの指がぴくりと動いた。

「ひとり一輪のお花が集まって、花束になるように。
 今日この場所に集まった皆さまの笑顔が、どうか、ひとつの大きな花になりますように」

 そう言って、リリアンヌは、アーチのリボンにそっと手を伸ばした。

 祝福の言葉は、伯爵夫人と練習したものだ。
 それでも、最後の一行だけは、昨夜、自分で付け足した。

(“ローラン様が考えてくれたことが、ちゃんと届きますように”)

 それは、声には出さなかったけれど、心の中の小さな祈りだった。

 リボンを切ると、アーチに仕掛けられていた小さな花びらが、ふわりと舞い落ちる。
 歓声と拍手。
 子どもたちの喜びの声。

 その中で、ローランは一瞬だけ目を細めた。

 ――今の言葉に、自分の名前が出てきた気がした。
 皆の前で、軽く感謝を口にされるのは、少しむずがゆい。
 でも、悪くない。

 彼は、ほんのわずかにだけ口元を緩めた。

「……よくやった」

 小声で呟くと、リリアンヌは、はにかみながら頷いた。

「ローラン様が、最適化してくださったおかげです」

「今のは、君自身の言葉だろう」

「すこしだけ、です」

 そう言って笑うその顔は、花びらが降る中で、誰よりも柔らかく見えた。

 ***

 午前のセレモニーが終わると、ローランはすぐに次の持ち場へ移動した。

 各エリアの責任者と短い打ち合わせ。
 予定外の来賓の対応。
 パレードルートの再確認。

 リリアンヌは、その途中までは並んで歩いていたが、次第に事情がわかってきた。

(ローラン様……本当に、休む暇がない……)

 彼は、誰かが困っていれば、必ずそこに顔を出す。
 大きな問題も、小さな問題も、自分のところに集めてしまう。
 きっと、そのほうが全体を把握しやすいのだろうけれど――。

「ローラン様、少し水を」

 合間を縫って、リリアンヌは水筒を差し出した。

「ありがとう」

 彼は、それを受け取ってひと口飲むと、すぐに周囲に視線を戻した。

「……大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」

「嘘では……」

「誇張はあるかもしれないが、嘘ではない」

 言い方が妙に正直だった。

 リリアンヌは、彼の手元にある書類をちらりと見る。
 そこには、“トラブル発生時の対応表”が、細かな字でびっしりと書き込まれていた。

 ――“全責任は参事官ローラン・フロレアルが負う”――

 その一行だけ、妙に太い線で囲まれている。

「……ローラン様」

「何だ」

「全部、“ローラン様の責任”になるのですか?」

「最終的な判断者が責任を負うのは当然だ」

「当然、ですか?」

「ああ。誰か一人が矢面に立つことで、他の者が動きやすくなる。
 そういう役目だ」

 それは、彼にとっては当たり前の理屈だった。
 けれど、リリアンヌには、少しだけ息苦しく聞こえた。

「……それは、重くないのですか?」

「重い」

「重いのですね」

「だが、そういう重さを引き受けるために、俺はここにいる」

 即答だった。

 その迷いのなさが、かえって胸に刺さる。

「……じゃあ」

 リリアンヌは、無意識に口を開いていた。

「せめて、重さをひとりで抱えているときくらい、
 『重い』って顔をしてもいいのではないでしょうか」

「……顔に出ているだろう?」

「出ていません」

 きっぱりと言ってしまってから、「あ」と慌てて口を押さえた。

 ローランが、少しだけ目を瞬いた。

「出ていないか」

「はい。
 いつもと同じで、落ち着いていて、何でも大丈夫そうに見えます」

「それは、悪くない状態のはずだが」

「でも……」

 リリアンヌは、少しだけ視線を落とした。

「本当に重いときは、『重い』って顔をしてくださったほうが、
 周りの人が助けに行きやすいと、わたしは思います」

 ノエルの受け売りではない。
 今、目の前で見る彼の背中が、あまりにも「大丈夫そう」に見えてしまうからこそ出てきた言葉だった。

「“完璧なローラン様”は、たしかに安心ですけど……
 “ちょっと大変そうなローラン様”のほうが、“何かしたい”って思えてしまうから」

 言ってから、自分で顔が熱くなる。

(な、なんだか変なことを言ってしまった……)

 ローランは、しばらく黙って彼女を見つめていた。

 完璧であろうとすることは、彼にとって呼吸と同じだった。
 隙を見せないこと。穴を作らないこと。
 それは、これまで何度も失敗を繰り返して学んできた、彼なりの「安全策」でもある。

 「大変そうな自分」を見せることは、隙であり、リスクである。
 ずっと、そう思っていた。

 けれど。

「……君は、変わったことを言うな」

 最後に出てきたのは、それだけだった。

「悪い意味ではありませんか?」

「悪い意味ではない」

 肩の力が、ほんの少しだけ抜ける感覚があった。

 誰かの前で、“完璧でない自分”を見せてもいいのかもしれない。
 そう思えたのは、もしかすると、初めてかもしれない。

「……検討しておく」

「検討……」

「そう簡単に変えられるものでもない。
 だが、その意見は、覚えておく」

 そう言って、ローランは視線を前に向けた。

 花車パレードが、そろそろ出発の時間を迎えようとしている。
 花で飾られた馬車たちが、ゆっくりと列を整え始めていた。

「午後のパレードは、君にはできるだけ楽しんでもらいたい。
 観覧席から見ていてくれ」

「ローラン様は?」

「俺は巡回だ」

 当然のように言う。
 それが彼の仕事だから。

 リリアンヌは、それ以上「一緒に」とは言えなかった。
 代わりに、小さく頷く。

「……では、観覧席から、“大変そうなお顔がないか”観測させていただきますね」

「……あまり近い距離からはするな」

「遠くから、そっと」

 そこで、ふたりは笑った。

 ***

 午後の花車パレードは、順調に進んだ。

 子どもたちが花の冠を振り、大人たちは手を振り返す。
 音楽隊の演奏。
 色とりどりの花で飾られた馬車が、大通りをゆっくりと進んでいく。

 観覧席の一角で、リリアンヌはその様子を見守りながら、つい視線を別方向に向けてしまう。

(ローラン様は……)

 人混みの中を歩く紺色の影。
 控えめだが慣れた動きで、人の流れを調整し、職人や警備の者と言葉を交わしている。

 誰かが困った顔をしていれば、そこにすっと現れる。
 誰かが迷っていれば、簡潔な指示を飛ばす。
 問題が起きる前に、ひとつひとつ可能性を潰していく。

(……やっぱり、必死だ)

 顔はいつもと同じように見える。
 けれど、そのひとつひとつの動きの裏側に、「失敗させたくない」という強い意志が感じられた。

 ノエルが隣で、こっそりと囁く。

「お嬢様。観測結果はいかがですか」

「“大変そう”です」

「どのあたりが?」

「全部……」

 思わず、素直に答える。

「でも、かっこいいです」

「それはとても大事なデータですね」

 ノエルが、満足そうに頷いた。

「“大変そうだけどかっこいい”人を見ているとですね、たいてい人は、“支えたい”方向に補正されていきます」

「補正……」

「はい。
 その補正が、ゆっくりと、“ただの尊敬”から、“少し特別な感情”に変わっていくわけです」

 リリアンヌは、心臓のあたりがまた少し、きゅっとなるのを感じた。

(……わたし、今、少しだけ、その補正が始まっているのかもしれない)

 怖いような。
 でも、悪くないような。

 複雑な感情を抱えたまま、彼女は空を見上げた。

 夕暮れに向けて、空の色がゆっくりと変わり始めている。

 このあと、夜のアーチ点灯式では――。

 ローランは、そこでもまた、ひとつ“新しい経験”をすることになる。
 彼自身はまだ自覚していないかもしれないが、それは、今日一日の中で最も彼の本音に近い言葉になるはずだ。

 ***

 もし、花祭当日昼までの出来事を、王都の記録係が書き残すとしたら――きっと、こうまとめるだろう。

 ――本日、春の花祭開会。
  フロレアル家の参事官、相変わらず全責任を抱え込む姿勢を崩さず。
  しかし、婚約者より「大変そうな顔をしてもよい」との新提案を受ける。

  同時に、白百合のドレスのお嬢様側でも、
  “守られるだけの対象”から一歩踏み出すべく、観測と心配が始まった模様。

  なお、両者とも、
  この時点で「距離はもうかなり縮んでいる」という事実に、まだあまり気づいていない。
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