鈴守ヒロインに過保護ロックされました ーー不器用な愛が、転ばない世界を導く

星乃和花

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第10話 鈴の封印騒動と、陰謀の火種

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 その知らせは、朝いちばんの鈴の音と一緒にやってきた。

「アサ殿。
 上層部からの呼び出しだ」

 政庁の中庭で、いつものように足元の石段を色で見分けていたとき、
 警備の騎士が真顔で駆け寄ってきた。

「呼び出し……ですか?」

「参謀殿と一緒に、会議室へ。
 神殿と政庁の合同……その、なんというか」

 言い淀む騎士の横で、
 廊下の向こうからすっと現れた黒い影。

「“処遇会議”だ」

 ユキシロ・シグレ。

 いつも通り整った衣服に、
 いつも通り冷静な瞳。

 ……のはずなのに、
 彼の足元でふわりと伸びる輪が、
 いつも通りではないことを、いやでも主張していた。

「アサ。行くぞ」

「……はい」

 胸元の鈴が、きゅっと冷たく震えた。



 会議室の空気は、
 朝だというのに夜のように重かった。

 長い机を挟んで、
 片側には政庁の高官や将軍たち。
 反対側には神殿の上級神官たち。

 その少し後ろに、
 イリアさんと、記録官のリュシエルさん。

 私は、シグレさんの斜め後ろ――
 壁際に控える位置を指定された。

 まるで、何かの証拠品みたいに。

(……落ち着け。深呼吸)

 鈴を両手で包み込み、
 こっそり息を整える。

 しゃん……。

 小さく鳴った音は、
 「逃げられないね」と笑っているような、
 「大丈夫」と宥めているような。

「では、始めよう」

 政庁側の年配の官吏が、
 低い声で切り出した。

「今回の山岳作戦における“過度な守護の輪の偏り”について。
 鈴守アサ、および神殿側の管理体制を含め、
 今後の扱いを決めなければならん」

 “扱い”。

 その言葉が、部屋の空気の温度を
 さらに下げた気がした。



「まず、政庁としての見解を述べる」

 別の官吏が立ち上がる。

「報告書によれば、作戦において敵主力の撃破には至らず、
 結果として敵は夜陰に紛れて撤退。
 これは大きな機会損失であり、
 王都防衛上、看過できぬ失態である」

 淡々とした口調。
 数字の羅列。
 その中に、
 私の名前だけが妙に生々しく響く。

「一方で、兵の死傷者はゼロ。
 これは鈴守の守護によるところが大きいという報告もある。
 よって、鈴守アサおよびその鈴を
 “有用だが危険性のある戦力”として再評価すべきだと考える」

 有用で危険。
 まるで、扱いに困る武器のような言い方。

(……実際、危険なんだろうけど)

 私の胸の中で、
 小さな反論がしおれていく。

「そこで、提案が二つある」

 官吏は、人差し指と中指を立てた。

「ひとつは、鈴守アサを前線から完全に外し、
 神殿にて封印、もしくは鈴そのものを保管対象とする案」

 封印。

 その一語が突き刺さる。

 鈴が、ぎゅっと熱を帯びた。

「もうひとつは、鈴を“神殿と政庁の共同管理下”に置き、
 参謀ユキシロの監督のもと、
 限定的な作戦にのみ投入する案だ」

「限定的、とは?」

 隣でシグレさんの声が低く響いた。

「王都城壁防衛戦など、
 地形が把握され、兵の配置も事前に統制可能な状況に限る。
 谷のような不確定要素の多い場所には、
 原則として投入しない」

 それは、
 鈴を“危険な場所”から遠ざける案でもあり、
 同時に、私を“危険だから”と遠ざける案でもあった。

 どちらの案にも、
 私の意思はどこにもない。



「神殿側の意見は?」

 官吏が視線を移す。

 上級神官のひとりがゆっくりと立ち上がった。

「当然、我々としては、
 鈴守の身と鈴を守る立場にある。
 封印案も、共同管理案も、
 それぞれ一理ある」

「では封印に賛成と取ってよろしいか?」

「いいえ」

 別の声が割り込んだ。

 静かで、よく通る声。

 記録官リュシエルさんだった。

「神殿記録官として意見を述べます。
 今回の現象は“暴走”ではなく、
 “本心の優先固定”です」

 部屋の視線が、一斉に彼女に向く。

「鈴守アサの鈴は、
 参謀ユキシロの名をもっとも深く鳴らした結果、
彼を“最優先保護対象”に設定しました。
 これは異常ではなく、仕様の範囲内です」

「仕様……」

 誰かが眉をひそめる。

「鈴が、参謀だけを守るのは問題では?」

「問題なのは、
 『参謀だけを守らせ続けるかどうか』です」

 リュシエルさんは紙束を指先で揺らした。

「鈴の優先順位は、
 持ち主の“本心の音”によって書き換え可能。
 今回のように固定された場合も、
 “本心の音の儀”を通して
 範囲を広げることができます」

「……儀?」

 政庁側の数人が、
 顔を見合わせた。

 イリアさんが、そこで口を開く。

「わたしたち神殿としては、
 封印に反対します」

 はっきりした口調だった。

「鈴守アサはまだ若く、
 鈴との付き合いも浅い。
 だからこそ、制御は未熟で、
 輪が偏った」

「しかし、それで作戦が――」

「ええ。作戦は台無しになったわ」

 イリアさんはあっさり言い切った。

「でも、“誰も死ななかった”。
 鈴守の本分としては、
 これ以上ないほど優秀だったのよ」

 静かなざわめきが広がる。

「だからこそ、
 この鈴と鈴守を“封印すべき危険”ではなく、
 “育てるべき資質”として扱いたい」

 イリアさんは、
 少しだけ笑って続けた。

「欲張りで、怖がりで、
 誰かを一番に守りたいって思ってしまう――
 そんな鈴守の本心は、
 簡単に“危険”と切り捨てたくないの」

 胸が、痛くて、あたたかくなった。

(欲張りで、怖がり……)

 それは、そのまま私のことだ。



「……参謀ユキシロの意見を聞こう」

 視線が、隣の人に集まる。

 シグレさんは、
 いつものように背筋を伸ばし、席を立った。

「今回の件について、
 責任は私にある」

 開口一番、それだった。

「参謀殿?」

「鈴を“囮”として利用する作戦を立案し、
 鈴守アサの本心の揺れを
 計算に入れなかったのは私だ」

 淡々とした声。

 けれど、その中に
 わずかな熱が混じっているのが分かる。

「彼女は、鈴守としての役割を果たした。
 結果として、兵の死傷者はゼロ。
 谷の地形に不慣れだったのは、
 むしろ私の方だ」

「しかし、敵を逃したのは――」

「作戦の失敗だ。
 それを鈴や鈴守のせいにするのは、
 参謀として恥ずべきことだと思う」

 ざわ、と空気が揺れた。

 シグレさんは、
 そのざわめきが収まるのを待ってから続ける。

「私はユキシロの名で、
 神殿に意見書を提出した。
 内容は、封印反対、共同管理賛成」

 それは、昨夜イリアさんが
 私に告げていたこと。

 でも、本人の口から聞くと、
 胸の奥の重さが変わる。

「ただし――」

 彼は、そこにひとつ条件を重ねた。

「鈴守アサを、しばらく前線には出さない。
 “本心の音の儀”を行い、
 彼女自身の意思で鈴の優先範囲を
 “私と、私が守るべき者たち”に
 広げられるようになるまでは」

 私が息を飲んだのが、自分でも分かった。

(私と、私が守るべき者たち……)

 それは、
 昨日神殿の坂道で決めたことと、
 ほとんど同じ言葉だった。

「その儀の場所と手順は、
 神殿側に一任する。
 政庁としては、その安全確保に全力を尽くす」

「……儀の間、参謀殿が不在なのは問題では?」

 将軍のひとりが眉を寄せる。

「不在にはしない」

 シグレさんは、
 あっさりと言った。

「むしろ、儀の場に私も立ち会う。
 “過保護ロック”の中心として」

 部屋の空気が、もう一度ざわめいた。

「参謀殿自ら危険に――」

「私が“守られる側”として輪の中心に入れば、
 儀式の結果も自分で引き受けられる」

 そう言って、
 ふっと口元だけで笑う。

「まあ、神殿の鈴守たち曰く、
 私は“守られ下手”らしいのでね。
 少しくらい練習しておいてもいいだろう」

 イリアさんが、くすっと笑い、
 リュシエルさんは肩をすくめた。

 一瞬だけ、重たい会議室に
 柔らかい空気が流れる。



 結論が出るまで、
 そこからさらに時間がかかった。

 封印を主張する声。
 参謀の判断を危惧する声。
 神殿に対する不信を口にする声。

 いくつもの言葉が交錯する中で、
 私はひたすら、黙って鈴を握りしめていた。

(封印だけは、嫌だ)

 怖い。
 でも手放したくない。

 シグレさんの隣で、
 もう一度鈴を鳴らしたい。

 その欲張りな本心を、
 いまさら隠しても意味がないことは分かっていた。

 やがて、椅子のきしむ音がひとつ。

「――では、こうしよう」

 最初に口火を切った年配の官吏が、
 ゆっくりと周囲を見渡した。

「鈴の封印は行わない。
 ただし、“本心の音の儀”の結果次第では、
 運用の制限を見直す」

 それは、
 とりあえずの猶予を意味していた。

「儀の場は、王都中央の鈴の間。
 内々に行う。
 外部に情報が漏れぬよう厳重に――」

「それについては、こちらからも条件がある」

 リュシエルさんが、
 すかさず口を挟んだ。

「儀の最中は、
 鈴の音が王都中に響く可能性があります。
 あまりにも“静かすぎる”のも不自然です。
 最低限の祈りと外側の鈴の護りは残させてください」

「……分かった」

 いくつかの条件を付け足しながら、
 ようやく会議は締めくくられた。

 私と鈴には、
 ひとまず“延期された判決”が下った、
 ということになる。



 会議室を出た廊下で、
 足がふにゃりと力を失いかけた瞬間。

 ふわり。

 足首のあたりに、
 柔らかい輪が現れた。

「あっ――」

 転びそうになった身体を、
 見えないクッションが支えてくれる。

 次の瞬間、
 腕を掴まれた。

「危ない」

 低い声。

 見上げると、
 至近距離にシグレさんの顔。

 ……と、その肩越しに、
 ひょこっと覗く輪。

「……」

「……」

 妙な沈黙が流れた。

 私の腕を支えたまま、
 シグレさんが小さくため息をつく。

「儀までの間、
 この輪はおそらく薄くなることはないだろう」

「……はい」

「さすがに仕事に支障が出るので、
 日常の範囲で頼む」

 真顔でそんなことを言うから、
 思わず笑ってしまいそうになる。

「日常の範囲……って、どこまでですか」

「階段と、角と、落ちてくる物体」

「けっこう広いですね」

 こみ上げた笑いが、
 少しだけ緊張を溶かしてくれた。

 シグレさんは、
 ほんのわずかだけ表情を和らげる。

「神殿での聞き取りの内容は、聞いている」

「えっ」

「“怖いけど鈴を手放したくない”。
 そう言ったそうだな」

 イリアさん。
 報告が早い。

 顔が一気に熱くなる。

「……はい」

「それは、変えるな」

 意外な言葉だった。

「怖さをゼロにした鈴守は、
 そのときこそ危うい。
 恐れているからこそ、
 見える危険もある」

 彼は、私の腕を放しながら続ける。

「怖いまま、
 “誰を守りたいか”を言えるようにしておけ」

「……誰を」

「儀のとき、
 おそらく神殿は問うだろう」

 淡々とした声。

「君の鈴は、誰を一番守りたい?」

 胸元の鈴が、
 どくん、と鳴った気がした。

「そのとき、答えられるようにしておけ。
 その答えが、輪の形を決める」

 シグレさんは、それだけ言って
 私から一歩離れる。

 ここまでずっと、
 “参謀”としての顔で話していたのに。

 去り際、ほんの一瞬だけ、
 違う顔が見えた気がした。

 少しだけ、居心地悪そうに笑う顔。

「――私も、
 守られることに慣れる努力をしておく」

 小さな声で添えられた一言は、
 聞かなかったことにするには、
 あまりにもはっきりと耳に残った。



 その日の夕方。
 神殿から正式な文書が届いた。

『本心の音の儀 執行通達』

 王都中央・大鈴の間。
 三日後の夜。

 鈴守アサと、
 輪の中心たる者――ユキシロ・シグレの立ち会いのもと。

 儀式の間、
 王都の鈴は一斉に静まり、
 ひとつの音だけが高く鳴るだろうと記されていた。

 文書を読み終えたとき、
 胸の中で鈴がふわりと震える。

「……三日後、か」

 三日。
 短いようで、長い。

 怖さと期待と、
 よく分からない熱がせめぎ合って、
 うまく呼吸ができない。

 窓の外は、
 星が瞬き始めていた。

 そのどこかで、
 山の残党たちが動いていることを、
 私はまだ知らない。



 その夜、王都の外れ。
 人の少ない酒場の裏手。

「儀式の日取りが決まったそうだ」

 低い声が、闇の中で言った。

「本心の音の儀。
 鈴守と参謀が、同じ場所に立つ」

 薄暗い路地に集まった、
 数人の男たち。

 山で追い詰められ、
 谷で逃げ延びた者たちの一部だ。

「鈴を封じる儀式……ではないようだな」

「封じはしない。
 むしろ、輪を整える儀らしい」

 声の主は、
 懐から紙片を取り出した。

「だが、鈴の力は、
 儀の最中がもっとも揺らぎやすい」

 紙片に記された文字を、
 焚き火の光がちらりと照らす。

「その瞬間に、“別の音”を差し込めば――
 参謀ごと王都を縛る輪を作れる」

 唇の端が、
 ゆっくりと持ち上がる。

「玉座も政庁も、
 守るものが何もない国など、
 大した脅威にはならん」

 彼らの笑い声が、
 夜の中に溶けていく。

 遠く離れた神殿の塔で、
 風鈴が小さく鳴った。

 その音は、
 誰に届くでもなく、
 ただ夜の空気を震わせるだけだった。



 三日後。
 “本心の音”を鳴らす夜が来る。

 怖いまま、
 鈴を手放さないと決めた私と。

 守られることに慣れてみると
 言ってしまった参謀と。

 そしてその輪を、
 利用しようとする誰かの気配と。

 全部ひっくるめて、
 鈴の中で、小さな音が静かに待っている。

 しゃん。

 それは、嵐の前の、
 不思議な静けさの音だった。

 ーー翌日、宰相も交えた政庁の最終決議が待っている。
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