『心読み令嬢の最適解は、きみのとなり』 – 数字にならない気持ちを、あなたと見つける –

星乃和花

文字の大きさ
12 / 14

第11話 心読み令嬢、はじめて数字を無視する

しおりを挟む
 それから数日、アリアは意識的に“普段通りの日々”を装った。

 ——朝の紅茶。
 ——屋敷での所作の稽古。
 ——午後の図書館。

 頭のどこかで、「期限まであと何日」という数字がちらつき続ける。

(考えない、考えない)

 そう自分に言い聞かせながら、
 足はやはり王立図書館へ向かっていた。

 その日、図書館では、小さな読み聞かせ会が開かれていた。

「こちらで、お子さま向けの物語を読む会をしているんです」

 ユリウスに誘われ、アリアは閲覧室の一角を覗いた。

 小さな椅子が半円形に並べられ、
 その真ん中に広げられた絵本と、司書の若い女性。

 子どもたちの頭上には、「わくわく度」「眠気」「おやつへの期待」など、
 相変わらず愛らしい数字が浮かんでいる。

(平和な数字……だわね)

 アリアは、少し肩の力が抜けるのを感じた。

 だが、空気を乱す数字も、ひときわ強く目に入ってきた。

 ——「騒音に対する不満」65。

 端の席に、ひとりの老人が座っていた。
 分厚い本を前に広げているが、視線はほとんど絵本のほうへ向いている。

 ——集中したい度75。
 ——さみしさ50。
 ——頑固度60。

「……あの方、最近よく来てくださるようになったんですよ」

 ユリウスが小声で説明してくれる。

「とても本好きで、でも“うるさいのは苦手”な方でして。
 読み聞かせの日は、少しご機嫌を損ねてしまうこともあります」

(なるほど……)

 アリアは、老人の頭上の数字をもう一度確かめた。

 子どもたちの「楽しさ」と老人の「不満」。
 単純に足し引きすれば、「子どもを別室に移す」のが最適解かもしれない。

 ——騒音対策の効率78。
 ——老人の満足度+30。
 ——子どもの“特別感”-10。

(でも、この読み聞かせの“空気”ごと、どこかへ運ぶのは難しいわね)

 ざわざわする思考を抱えたまま見守っていると、
 予想通り、老人が眉間に皺を寄せ始めた。

「……うるさい」

 小さな呟き。
 やがて、司書に聞こえるくらいの声になる。

「ここは静かに本を読む場所じゃないのかね」

 若い司書の頭上に、「困惑50」「焦り45」が浮かぶ。

「申し訳ありません。本日は読み聞かせ会のため——」

「そんなもの、別の部屋でやれ」

 ——苛立ち68。
 ——本当は寂しいだけ度50。

(あぁ、これは……)

 アリアは、体が勝手に動いていた。

「失礼いたします、おじさま」

 そっと老人の近くへ歩み寄る。

「お読みになっている本、とても素敵な装丁ですね。
 旅の記録かしら?」

 分厚い表紙には、古びた羅針盤の絵。
 タイトルは『忘れられた港町の話』。

 老人は、怪訝そうにアリアを見上げた。

「なんだね、あんたは」

「こちらの図書館で、すこしお手伝いをさせていただいている者ですわ」

 笑顔で軽く腰を折る。
 頭の上の数字を読むのではなく、瞳の奥の色を確かめる。

(寂しさ、ね)

 そこにあるのは、「静かさを奪われた怒り」だけではない。

「おじさまは、その本、お好きなのですか?」

「……好きさ」

 老人は、ぶっきらぼうに答えた。

「昔、よく読んだ。
 港町で、子どもたちに話をしてやったこともある」

「まぁ。
 きっと素敵な語りだったのでしょうね」

 アリアは、あえて数字を見ないように目線を落とし、
 テーブルに置かれた本の端に指を添えた。

「もし、よろしければ——」

 ふと、閃きが走った。

 最適解ではなく、ただの思いつき。
 でも、胸のどこかが「それがいい」と囁いている。

「今から、その物語を、こちらの子どもたちに聞かせていただくことはできませんか?」

 老人の眉が、ぴくりと跳ねた。

「……わしが、か?」

「えぇ。
 おじさまの“港町の話”が、気になってしまいましたもの」

 読み聞かせをしている司書も、思わずこちらを振り返る。

「ちょうど今読んでいるのも、“海の向こうのお話”ですわよね?」

 アリアは司書に目配せをした。

「次の一冊だけ、おじさまにバトンを渡してみてはいかがかしら?」

「えっ、ええと……」

 司書の頭上に、「戸惑い65」「面白そうだと思う度40」がゆらゆらと。

(数字、見るな、見るな……)

 ちらりと視界の端に浮かびかけた数字を、アリアは意識的に払いのけた。

 代わりに、老人の瞳だけを見る。

「うるさいと思われるのも、ごもっともですわ」

 正直に認める。

「でも、おじさまの“好きな物語”が、
 この子たちの“これから好きになる物語”になったら——」

 言葉を探しながら、少しだけ笑った。

「この少しの騒がしさも、そんなに悪くないかもしれませんわ」

 沈黙が落ちた。

 老人は、長く息を吐き出す。

「……最近の若いのは、みんな遠慮がないな」

 ぶつぶつと呟きながら、
 しかし本をそっと閉じて立ち上がった。

「おい」

 読み聞かせをしていた司書に向かって、低い声が飛ぶ。

「次の話……少し、わしに読ませてくれんか」

 司書の顔がぱっと明るくなった。

「も、もちろんです! ぜひ!」

 子どもたちも、一斉に老人のほうを向く。
 好奇心の数字が、花火のように弾けた。

「おじいちゃん、お話してくれるの?」

「ああ。うるさくするなよ。お話が逃げちまう」

 照れ隠しに咳払いをして、
 老人は絵本を手に取り、子どもたちの輪の真ん中に腰を下ろした。

 その瞬間——

 ——さみしさ40 → 20。
 ——怒り60 → 15。
 ——照れくささ80。

(……見ちゃった)

 思わず数字が目に入ったが、
 アリアはそれ以上追いかけるのをやめた。

 老人の読み聞かせは、驚くほど滑らかだった。
 声に抑揚があり、登場人物ごとに話し方が変わり、
 子どもたちはすぐに引き込まれていく。

(やっぱり)

 アリアの胸の中で、「これは最適解じゃないかもしれないけれど」という言い訳が静かに消えていった。

 誰かひとりの「静かに本を読みたい」を守る代わりに、
 ここにいる全員の「楽しい」を少しだけ分け合った。

 数字で測れば、効率はよくないかもしれない。
 それでも——空気は、あたたかい。

「……今の、選び方」

 いつの間にか隣に来ていたユリウスが、小さな声で囁いた。

「僕は、とても好きです」

 ——照れ度(アリア)85。

「見ていらしたのですね」

「はい。
 アリア様、あのとき、いつものように上を見ませんでした」

「上?」

「人の頭の上、です」

 図星をさされて、アリアは目を丸くする。

「……わかるものなのですか?」

「だいたい」

 ユリウスは、くすっと笑った。

「“数字を読むときの目”と、“ただその人を見るときの目”は、違って見えるので」

 そう言われて、アリアは自分の両手をぎゅっと握りしめた。

(気づかれていたんだ……最初から)

 少し怖く、でも、どこか嬉しい。

「今の選び方は、“最適解”じゃないのかもしれません」

 ユリウスは、老人と子どもたちの輪を眺めながら言った。

「もしかしたら、別の誰かが見れば、“もっといい方法があった”と言うかもしれない」

「えぇ、そうかもしれませんわね」

「でも、“あの老人が、あの子たちに話をしている光景”は——」

 彼は、少しだけ目を細めた。

「今日、この瞬間にしか生まれなかった気がします」

 アリアの胸の奥で、何かが温かく灯る。

 ——幸福度68。
 ——後悔予測5以下。

(数字にしても、悪くないわね)

 自然と、そんなことを思ってしまう自分に苦笑する。

 *

 読み聞かせ会が一段落し、
 老人が少し照れた様子で席に戻ったあと。

 アリアとユリウスは、いつもの窓辺の席で向かい合っていた。

「さっきの選び方は、“数字を無視した”というより……」

 ユリウスが、少し考え込むような顔をする。

「“数字の外側にあるものを先に選んだ”ように見えました」

「外側……」

「“さみしさ”とか、“楽しさ”とか、“誇り”とか。
 そういうものを、数字としてではなく、
 そのままの感情として見た、というか」

 アリアは、膝の上で手をぎゅっと握った。

「……正直に言いますわ」

「はい」

「最初に頭に浮かんだのは、“どこへ移動すれば効率的か”という計算でした」

 自嘲気味に笑う。

「わたくしの悪い癖ですわね。
 すぐに“最適解”を探してしまう」

「悪いとは、思いません」

 ユリウスはきっぱりと言った。

「でも、“それだけじゃない選び方”もできる、ということを、
 今日、アリア様自身が証明してしまったのだと思います」

「……」

「だから、僕は嬉しかったんです」

 少しだけ照れたように、目を伏せる。

「アリア様が、“数字の外側”を選ぶところを見られて」

 ——心拍数(双方)上昇。

 空気が、ふわりと熱を帯びた。

 黙っていると、期限の数字が浮かんでくる。
 喋り出すと、胸の奥から別の言葉が溢れてくる。

(……どちらも、もう誤魔化せない)

 アリアは、深く息を吸った。

「ユリウス様」

「はい」

「レヴァン様からの正式なお申し入れについて、
 お父さまから“今月末までに答えを出しなさい”と言われました」

 ユリウスの肩が、わずかに震える。

「そう、ですか」

「えぇ。
 条件だけ見れば、“はい”と答えるのが、わたくしにとっての最適解です」

 それ自体は、変わっていない。

「でも……」

 言葉が喉の奥で絡まる。

「でも?」

「今日、わたくしが“数字を見ない選択”をしてみて、気づいてしまったのです」

 窓の外の空を見ながら、ぽつりぽつりと言葉を落とす。

「“後悔しない”って、
 必ずしも“正しいほうを選ぶ”ことではないのかもしれない、と」

 ユリウスは黙って聞いている。

「数字だけで見れば、レヴァン様との婚約は、
 わたくしにとっても家にとっても、ほとんど文句のない“答え”です」

「……はい」

「でも、“わたくしが本当に望んでいる毎日”を思い浮かべたとき——」

 アリアは、膝の上でぎゅうっと手を握りこんだ。

「そこにいるのは、“完璧な侯爵夫人のわたくし”では、ないのです」

 心臓がうるさい。

「……ここに座って、
 迷子札を整理したり、
 誰かの“息苦しさ”を少しだけ減らしたり、
 “最適解をサボる日”を持ちたいと願う自分が、確かにいるのです」

 その隣には、
 静かな司書の横顔が浮かんでしまう。

「だから、もしかしたら——」

 アリアは、震える声で続けた。

「レヴァン様との縁を、“断る”という選択肢も、
 ちゃんと見なければいけないのかもしれない、と思い始めています」

 ユリウスの目が、大きく見開かれた。
 驚き。喜びを抑えようとする喉の詰まり。怖さ。
 その全てが揺れている。

「もちろん、それで全てが解決するわけではありません」

 アリアは、自嘲ぎみに笑う。

「家のこともあります。
 お父さまの期待も、お母さまの心配もあります」

「はい」

「でも、“全部を満たす最適解”がないのだとしたら——」

 ユリウスの言葉を借りるように、呟いた。

「“まだマシだと思える後悔”を選びたいのです」

 そう言いながら、アリアはユリウスを見た。

 彼の瞳は、真っ直ぐにこちらを見返している。
 逃げる気配はない。

「ユリウス様」

 名前を呼ぶと、自分の声が震えているのがわかった。

「はい」

「わたくし、たぶん——」

 喉の奥に、たったひとつの言葉が引っかかっている。

 好き。

 それを飲み込んで、別の形を探す。

「わたくしが想像する“後悔しない未来”の中には、
 いつもユリウス様が、どこかにいらっしゃるのです」

 ユリウスの表情が、初めて露骨に揺れた。

「アリア様……」

「これはきっと、
 “司書として尊敬している”だけの感情ではないのだと思います」

 そこまで言って——
 ついに、言葉が途切れた。

 ——もう一歩踏み出したい度90。
 ——怖さ88。

「だから、わたくし——」

 “あなたのことが、好きです”と言おうとした、そのとき。

「失礼いたします! エルネル侯爵家のご令嬢は——」

 閲覧室の扉が、勢いよく開かれた。

 屋敷の紋章をつけた従者が、息を切らして立っていた。

「アリア様でいらっしゃいますね!?
 至急、お屋敷にお戻りいただきたいとのご伝言です!」

「……え?」

 現実が、ぐい、と腕を引っ張る。

「ご当主様が、クレイツ公爵家とお話を進めておられます。
 今夜中に、一度お顔をそろえたいとのことで——」

 ——猶予期間、急加速。

 アリアの頭の中で、「期限まで十数日」が「今日の夜」に一気に縮んだ。

「……わかりました」

 何とか答える。

 ユリウスのほうを振り向くと、
 彼は、唇を噛みしめるようにしてこちらを見ていた。

「行って、らっしゃいませ」

 それが、やっと絞り出した言葉だった。

「……はい」

 本当は、今ここで決めてしまいたかった。
 今ここで、“最適解ではない告白”を、最後まで言ってしまいたかった。

 でも、時間切れだ。

 アリアは立ち上がり、スカートの裾を整えた。

「ユリウス様」

「はい」

「さっきの話の続き……
 必ず、またここに戻ってお話しても、よろしいかしら?」

 彼は、迷いなく頷いた。

「図書館は、いつでもアリア様の居場所です」

 その頭上には、もう数字は見えない。
 ただ、「待っている」という言葉だけが、確かに見えた気がした。

(見間違いでも、いい)

 アリアは、その言葉を胸に抱いたまま、
 振り返らずに図書館をあとにした。

 ——“人生、楽勝”と微笑んでいた令嬢は、
 今ようやく、“楽勝ではない道”に、片足を踏み出そうとしている。

 その先にあるのが、どんな誤差だとしても。
 それを、自分の選んだ誤差として抱きしめられますように——。

 そう願いながら。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる

若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ! 数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。 跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。 両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。 ――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう! エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。 彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。 ――結婚の約束、しただろう? 昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。 (わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?) 記憶がない。記憶にない。 姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない! 都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。 若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。 後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。 (そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?) ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。 エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。 だから。 この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し? 弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに? ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。

王子と令嬢の別れ話

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
「婚約破棄しようと思うのです」 そんなありきたりなテンプレ台詞から、王子と令嬢の会話は始まった。 なろう版:https://ncode.syosetu.com/n8666iz/

お姫さんと呼ばないで

秋月朔夕
恋愛
華族の娘として生まれたからにはお家のために結婚しなさい。そう父に言われ続けて、わたしは今日幼馴染と結婚する。けれど洋館で出迎えた男は全く違う人だった。

妻が通う邸の中に

月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。

王宮メイドは今日も夫を「観察」する

kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」 王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。 ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。 だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……? ※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。

骸骨公女と呪いの王子

藍田ひびき
恋愛
”骸骨公女”―― 呪いにより骨だけの姿となった公爵令嬢フロレンツィア。 それを知る者たちからは化け物と嘲笑われ、名ばかりの婚約者には冷たくあしらわれる日々だった。 嫌々ながらも出席した夜会の場を抜け出した彼女は、そこで見知らぬ青年と出会う。 フロレンツィアの姿を恐れることなく接してくる彼と踊るうちに、彼女の姿に変化が――?

有名俳優の妻

うちこ
恋愛
誰もが羨む結婚と遺伝子が欲しかった そこに愛はいらない

処理中です...