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13-蛇足
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娘のことがわからず恐ろしかったのだ、と成人前の少女に魔法封じの枷をつけて監禁していた父親は取り調べにてそう語った。
リアラは特別頭の良い子だ、自分たちの血を分けた子だとは思えないほどの魔法を使える。
普通に考えれば親からすればそれは誇らしいことであり、手放しに喜んでもいいことのはずだ。
しかしこの両親は少女を恐れた。
なぜか、少女が両親にまったく懐いていない、心を開いていないことを知っていたからだ。
リアラにとって両親姉妹十把一絡げ。そのへんの他人よりはさすがに名前を覚えているあたり特別であったのだろうが、それでも《どうでもいい》存在なのだと感じていたからである。
リアラが成人すると、自動的にすべての家の資産はリアラが相続してしまう。この国の決まりで、一家で1番魔法に長けたものが家当主になることが決まっているからである。
この国は年長であろうと関係がない完全な《魔法至上主義》である。
それは仕方のないことだ。
……しかし……そうなったあとで、リアラが自分たちをどう扱うのか全く持って読めなかった。
特に虐げた覚えはない。
小さな頃はまだリアラの特性がわかっていなかったため普通の女の子のようにかわいいかわいいと育てていたが、リアラに明確な自我が芽生えるとそうも、言っていられなくなった。
どこか普通じゃない。
言語化できないが、リアラは変だ。
漠然とした不安感がずっとぬぐえず、リアラのやることなすことを注視する。
全寮制の学校へ通わせ、心の安寧を得る。
普通ならば両親に連絡したり、帰省するのだろうがリアラは学校卒業まで一切自ら連絡をよこさず、帰省もしなかった。
父親は不安に駆られるようになった。
リアラが当主になってしまったら自分たちは無一文で放り出されてしまうのではないか?
……殺されてしまうのではないか?
自分の娘ながらリアラが持つ両親への好感は限りなく0だ。
自分が当主になったのだから出ていってくたさい、と平坦な抑揚のない声の幻聴が頭にいつまでも残った。
リアラは特別頭の良い子だ、自分たちの血を分けた子だとは思えないほどの魔法を使える。
普通に考えれば親からすればそれは誇らしいことであり、手放しに喜んでもいいことのはずだ。
しかしこの両親は少女を恐れた。
なぜか、少女が両親にまったく懐いていない、心を開いていないことを知っていたからだ。
リアラにとって両親姉妹十把一絡げ。そのへんの他人よりはさすがに名前を覚えているあたり特別であったのだろうが、それでも《どうでもいい》存在なのだと感じていたからである。
リアラが成人すると、自動的にすべての家の資産はリアラが相続してしまう。この国の決まりで、一家で1番魔法に長けたものが家当主になることが決まっているからである。
この国は年長であろうと関係がない完全な《魔法至上主義》である。
それは仕方のないことだ。
……しかし……そうなったあとで、リアラが自分たちをどう扱うのか全く持って読めなかった。
特に虐げた覚えはない。
小さな頃はまだリアラの特性がわかっていなかったため普通の女の子のようにかわいいかわいいと育てていたが、リアラに明確な自我が芽生えるとそうも、言っていられなくなった。
どこか普通じゃない。
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漠然とした不安感がずっとぬぐえず、リアラのやることなすことを注視する。
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