1 / 12
1.本物のレシピに違いないんだわさ
しおりを挟む
「おっ媚薬だって~! 」
怪しい本屋の怪しい古書店に書いてあったものめずらしい見出しを見て、私は隣に立っていた同期の男の腕をつついた。
人が一人入れるぐらいの隙間を開けて、別の本を読んでいる男は職場の同期の男で、大層な童顔をしている。可愛らしい顔つきは子役のような垢抜けた雰囲気でくりくりとした眼はまさにどんぐり眼。唇は形よく程よい赤色をしている。身長はギリギリ自分よりも高いと思うが、私自身が女子の平均身長ちょうどといったところなので、男にしたら少し物足りないという高さだ。
もう少し身長が高ければ引く手数多だっただろうに……背の低い男というのは悲しいかな……というのは本人も気にしているので禁句である。からかうのもNGのガチ本気の言っては行けないワードだ。
真っ黒な髪は艶々テカテカと煌めいていて、どこのシャンプーのCM狙ってんだという完璧なキューティクルが完璧な天使の輪を作っている。
私の髪はパーマとカラーで痛んで歪な輪っかもどきしかないと言うのにに不平等ではなかろうか。
別に羨ましくなんてないんだからねっ。
嘘、めっちゃ羨ましい。
どこのトリートメント使ってんの?え?使ってない?そんなばかな……。なんて会話はもうすでにしたから今更聞くことなどなにもない。
天然のキューティクルなんだわ。
雛田は黙っていればまだ学生でも通用する外見をしている。なんならまだ詰襟を着ていても通報されないだろう。
雛田は生真面目な顔をして別の本を読んでいて、私の方を面倒そうにちらッと見てから「媚薬なんてもん存在するわけないだろ」とあっさりと話をぶったぎる。
その声は顔に似合わない、低く太めの声だ。慣れていなければ外見とのギャップで顔を二度見したところだ。
しかしわたしと雛田の同期暦はすでに三年。既にそのアンバランスな声には慣れている。
服装もラフな服を着ていると学生に間違われてめんどくさいという理由から、いかにも仕事が出来そうなスーツを着ている。
服に着られている感はまだ若干あるが、そのスーツのおかげでギリギリ社会人には見える。
それでも新社会人にしか見えないけども。スーツに着られてる感があるんだよなぁ。
私は休日なりの服を着ている。
なんか動きやすいシックと言えなくもない膝丈ワンピース。
こいつがスーツなんか着てくるからおかしいんだよなぁ。なんか新卒をたぶらかしてるおねーさんみたいになってない?大丈夫?
「いや、でも書いてあるから」
見てみてよ、と開いた本を雛田にちかづける。
私が差し出した本の開いたページをちら、と一瞥した雛田は馬鹿にしたような表情を浮かべて、へっと吐き出すように笑う。
雛田のその表情を私は思わず二度見した。
なんて嫌な表情をどうやったらそこまで悪意を顔の表じゃに練り込めるんだ。
口の歪め方なんて性格の悪さが滲み出ている。長年の性格の悪さのキャリア感が半端ない。
正統派の整った顔をしているくせに、こういうところがまったく童顔らしくなくてかわいくない……。せっかくの可愛い顔が台無しだ。もっとこう素直な感じのほうが似合う顔なのに、中身が伴っていないんだよな。ギャップ狙ってるなら絶対にやめた方がいい。
本人としても可愛いと言われるのは業腹らしいからそれでいいんだろうが……もったいない。
神の与えた自らの有利性を手放すとは……
これが人間が知性を得た代償か……
などと高尚なことを考えていたところ、雛田の言葉が思考に割り込んでくる。
「んなもん嘘に決まってる」
きっぱりはっきりと決めつけられた。
怪しい本屋の怪しい古書店に書いてあったものめずらしい見出しを見て、私は隣に立っていた同期の男の腕をつついた。
人が一人入れるぐらいの隙間を開けて、別の本を読んでいる男は職場の同期の男で、大層な童顔をしている。可愛らしい顔つきは子役のような垢抜けた雰囲気でくりくりとした眼はまさにどんぐり眼。唇は形よく程よい赤色をしている。身長はギリギリ自分よりも高いと思うが、私自身が女子の平均身長ちょうどといったところなので、男にしたら少し物足りないという高さだ。
もう少し身長が高ければ引く手数多だっただろうに……背の低い男というのは悲しいかな……というのは本人も気にしているので禁句である。からかうのもNGのガチ本気の言っては行けないワードだ。
真っ黒な髪は艶々テカテカと煌めいていて、どこのシャンプーのCM狙ってんだという完璧なキューティクルが完璧な天使の輪を作っている。
私の髪はパーマとカラーで痛んで歪な輪っかもどきしかないと言うのにに不平等ではなかろうか。
別に羨ましくなんてないんだからねっ。
嘘、めっちゃ羨ましい。
どこのトリートメント使ってんの?え?使ってない?そんなばかな……。なんて会話はもうすでにしたから今更聞くことなどなにもない。
天然のキューティクルなんだわ。
雛田は黙っていればまだ学生でも通用する外見をしている。なんならまだ詰襟を着ていても通報されないだろう。
雛田は生真面目な顔をして別の本を読んでいて、私の方を面倒そうにちらッと見てから「媚薬なんてもん存在するわけないだろ」とあっさりと話をぶったぎる。
その声は顔に似合わない、低く太めの声だ。慣れていなければ外見とのギャップで顔を二度見したところだ。
しかしわたしと雛田の同期暦はすでに三年。既にそのアンバランスな声には慣れている。
服装もラフな服を着ていると学生に間違われてめんどくさいという理由から、いかにも仕事が出来そうなスーツを着ている。
服に着られている感はまだ若干あるが、そのスーツのおかげでギリギリ社会人には見える。
それでも新社会人にしか見えないけども。スーツに着られてる感があるんだよなぁ。
私は休日なりの服を着ている。
なんか動きやすいシックと言えなくもない膝丈ワンピース。
こいつがスーツなんか着てくるからおかしいんだよなぁ。なんか新卒をたぶらかしてるおねーさんみたいになってない?大丈夫?
「いや、でも書いてあるから」
見てみてよ、と開いた本を雛田にちかづける。
私が差し出した本の開いたページをちら、と一瞥した雛田は馬鹿にしたような表情を浮かべて、へっと吐き出すように笑う。
雛田のその表情を私は思わず二度見した。
なんて嫌な表情をどうやったらそこまで悪意を顔の表じゃに練り込めるんだ。
口の歪め方なんて性格の悪さが滲み出ている。長年の性格の悪さのキャリア感が半端ない。
正統派の整った顔をしているくせに、こういうところがまったく童顔らしくなくてかわいくない……。せっかくの可愛い顔が台無しだ。もっとこう素直な感じのほうが似合う顔なのに、中身が伴っていないんだよな。ギャップ狙ってるなら絶対にやめた方がいい。
本人としても可愛いと言われるのは業腹らしいからそれでいいんだろうが……もったいない。
神の与えた自らの有利性を手放すとは……
これが人間が知性を得た代償か……
などと高尚なことを考えていたところ、雛田の言葉が思考に割り込んでくる。
「んなもん嘘に決まってる」
きっぱりはっきりと決めつけられた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる