7 / 15
スリープブルー
これには精神的にまいった。どこから入って来るのかと部屋のドアも窓もガチガチに施錠し、それでも無駄だとわかれば隙間という隙間をテープで塞いだが、悪魔や魔族どもはどこからともなく現れる。しかも内容が内容だけに誰に相談することもできない。悪魔祓いを頼もうにもこいつらが話している内容は「次期魔王は私である」というとんでもないものなのだから、これを悪魔祓いを生業にしている聖職者に聞かれてしまうのは非常にまずい。
嘘でも本当でも査問に問われ、囚われて数年は身体中をモルモットのように切り刻まれて調べられることを覚悟しておいた方がいいだろう。しかも私の体を調べようものならばすぐに私の《血》の色の常人との違いに気づくのだから、最悪だ。家人にぽろりと話でももらそうものならば家人が悪魔祓いを頼んでしまうだろう。それは使用人でも同じことであるし、私はただ黙って、最近寝つきが良くなくて朝方になっても起きられなくなってしまっている、という体にしている。
「うるさい黙れ」とでも返事しようものならば絶対に「私たちの声が聞こえているんですね」と喜びそうで、私は魔族には一言も返事を返していない。それもまたストレスの元であった。向こうは好き放題にこちらに話しかけて来るにもかかわらずこちらはなにも言い返せないのだ……。
魔族はやれ「次の魔王の貴方様ならばきっと前魔王様や成し得なかった偉業をやり遂げることが出来ることでしょう」「勇者なる人間どもに殺されてしまった同族たちの仇討ちを」「目に物見せてやりましょう」「チカラが」「何でも出来る」などいろんなことを好き放題に言っている。
睡眠は人間にとって大事な時間だ。
私のイライラは募った。
私は魔王になどなりたいと思ったことなど一度もない。
勇者の敵になるなど考えられないし、人間と対立したいなどと思ったこともない。
勇者、という言葉を浮かべて私はある妙案を思いついた。
悪魔祓いなどに頼む必要はない。魔王を倒した勇者の力を借りればいい。
魔王という魔族で1番力の強い者を倒した力だ。
末端の魔族などすぐに祓えるに違いない。
善は急げとそのことを思いつき、すぐに私はマックスに会いに行った。
私から彼を訪ねたのは初めてのことだった。
いつもは彼の方が私の教える子供たちの様子を見に来てくれ、その帰りに子供たちと一緒にお茶とお菓子をつまんで少しだけ話をするといった形でしかなかった。
国の英雄になった後もマックスは以前と同じマックスのままで、「こんな美味しい菓子を出してますもらって申し訳ないな」などと言いながら、にこにこと笑顔を浮かべて紅茶には必ずミルクをどばどぼと入れて、角砂糖を三つも入れて飲んでいた。
嘘でも本当でも査問に問われ、囚われて数年は身体中をモルモットのように切り刻まれて調べられることを覚悟しておいた方がいいだろう。しかも私の体を調べようものならばすぐに私の《血》の色の常人との違いに気づくのだから、最悪だ。家人にぽろりと話でももらそうものならば家人が悪魔祓いを頼んでしまうだろう。それは使用人でも同じことであるし、私はただ黙って、最近寝つきが良くなくて朝方になっても起きられなくなってしまっている、という体にしている。
「うるさい黙れ」とでも返事しようものならば絶対に「私たちの声が聞こえているんですね」と喜びそうで、私は魔族には一言も返事を返していない。それもまたストレスの元であった。向こうは好き放題にこちらに話しかけて来るにもかかわらずこちらはなにも言い返せないのだ……。
魔族はやれ「次の魔王の貴方様ならばきっと前魔王様や成し得なかった偉業をやり遂げることが出来ることでしょう」「勇者なる人間どもに殺されてしまった同族たちの仇討ちを」「目に物見せてやりましょう」「チカラが」「何でも出来る」などいろんなことを好き放題に言っている。
睡眠は人間にとって大事な時間だ。
私のイライラは募った。
私は魔王になどなりたいと思ったことなど一度もない。
勇者の敵になるなど考えられないし、人間と対立したいなどと思ったこともない。
勇者、という言葉を浮かべて私はある妙案を思いついた。
悪魔祓いなどに頼む必要はない。魔王を倒した勇者の力を借りればいい。
魔王という魔族で1番力の強い者を倒した力だ。
末端の魔族などすぐに祓えるに違いない。
善は急げとそのことを思いつき、すぐに私はマックスに会いに行った。
私から彼を訪ねたのは初めてのことだった。
いつもは彼の方が私の教える子供たちの様子を見に来てくれ、その帰りに子供たちと一緒にお茶とお菓子をつまんで少しだけ話をするといった形でしかなかった。
国の英雄になった後もマックスは以前と同じマックスのままで、「こんな美味しい菓子を出してますもらって申し訳ないな」などと言いながら、にこにこと笑顔を浮かべて紅茶には必ずミルクをどばどぼと入れて、角砂糖を三つも入れて飲んでいた。
あなたにおすすめの小説
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
偽りの聖者と泥の国
篠雨
BL
「感謝すら忘れた者たちに、明日を語る資格はない」
自らの都合で聖王セシルを追放し、異世界から新たな「勇者」を召喚したアドレアン聖王国。
しかし、その身勝手な選択が、国を、大地を、そして人々の心を根底から腐らせていく。
壊れゆく少年勇者と、彼を歪に愛した騎士。
二人の執着が交わったとき、聖王国は二度と再生不能な終焉へと突き進む。
裏切り者たちには、因果応報という名の、容赦なき報いが下る。
これは、傲慢な国が崩壊するまでの、無慈悲な記録。
-----------------------------------------
『嘘つき王と影の騎士』から引き続き読んでくださる皆様へ
この物語は、セシルを虐げた者たちが、ただただ因果応報の末路を辿るだけの物語です。
本編に救いはありません。
セシルたちのその後が気になるという方は、本編は飛ばして、最終話の後に掲載する「閑話」のみをお読みいただくことをお勧めいたします。
本作は『嘘つき王と影の騎士』の続編となりますが、前作をお読みでない方でも一つの物語としてお楽しみいただけます。
キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
魔性の男
久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。
さよなら、永遠の友達
万里
BL
高校時代、バスケットボール部のキャプテン・基樹と、副部長として彼を支える冷静な舜一。対照的な二人は親友であり、マネージャーの結子を含めた三人は分かちがたい絆で結ばれていた。しかし舜一は、基樹への決して報われない恋心を隠し続けていた。
卒業を控え、基樹との「ずっと一緒にバスケをする」という約束を破り、舜一は逃げるように東京の大学へ進学する。基樹を突き放したのは、彼が結子と結ばれる幸せを近くで見届ける自信がなかったからだ。
10年後。孤独に生きる舜一のもとに、基樹から「結子が事故で亡くなった」という絶望の電話が入る。ボロボロになった親友の悲痛な叫びを聞いた瞬間、舜一の中にあった想いが目を覚ます。仕事もキャリアも投げ出し、舜一は深夜の高速をひた走る。
キミがいる
hosimure
BL
ボクは学校でイジメを受けていた。
何が原因でイジメられていたかなんて分からない。
けれどずっと続いているイジメ。
だけどボクには親友の彼がいた。
明るく、優しい彼がいたからこそ、ボクは学校へ行けた。
彼のことを心から信じていたけれど…。