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第6話
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「えっ!? いただいていいんですか!?」
翌日、スーパーで会った澪さんに、昨日のお礼にと花の鉢植えを贈った。女性に贈るものといえば花くらいしか思いつかなかったからなのだが、花屋に行ったなんて生まれて初めてだし、買った花をぶら下げて歩くのはなんだか気恥ずかしかった。
なんという花だったかはど忘れしてしまったが、薄紫色の花が山盛り咲いているものを選んだ。花びらがくるりと上を向いていて珍しいと思ったが、店先に色違いがたくさん並んでいたので、俺が知らないだけで一般的なものなのかもしれない。
その時に連絡先を交換し、俺と澪さんは二人で食事をする仲になってしまった。以前、夜に仕事をしていると俺が言ったからなのか、指定されるのは夕方であることが多かった。
足りない材料のお使いを頼まれたり、こちらが食べたいものをリクエストした時は、澪さんのアパートに行く前にスーパーに寄って、買い物袋片手に向かった。
閉店間際の静かなスーパーしか知らなかった俺は普段の賑やかさ、ついでに野菜の種類の多さに驚いた。今日も葉野菜が並ぶショーケースの前で立ち止まり、頼まれたものを探している。
小松菜とホウレン草は味は全然違うのに、見た目はほぼ同じなのか。あと、チンゲン菜はなんか太い。水菜はひょろりと細い。あと、葉っぱがギザギザ。料理になる前の姿は意外と知らないものだ。
頼まれたのは白菜と、それから豚のバラ肉。指定された量と近いパックを探して買う。豚肉にもいろいろ種類があるのも最近知った。
俺は塊か薄切りかひき肉くらいかと思っていたが、普通の人は『ここはこの部位だ』と気にして食べているものなのだろうか?
今日も知識と疑問を増やしつつ会計を終えると、まっすぐ澪さんの部屋を訪ねる。チャイムを押すと、生成色のエプロンをつけた澪さんに出迎えられる。
「空木さん、おはようございます」
日は暮れかけているが、いつも挨拶はこれだ。
「おはようございます。頼まれたもんここに置いときますね。でも、二人前でこれ? けっこう多いですよね」
『白菜・四分の一』は随分と重くかさばるので、俺には家族で食べる量にしか見えない。澪さんは白菜を包装しているフィルムを外すと、葉を一枚ずつ剥がして洗い始めた。
「火を入れればちょうどいい量になるんですよ」
俺が首を傾げると、澪さんは笑って答えた。
今夜は少し冷えるので、温まるように鍋にしてくれるらしい。下手に手を出せば足手まといになるだけなので、俺は申し訳ないと思いながら料理中の澪さんを見守る係に徹していた。
今は切った豚肉と白菜を交互に重ね、土鍋にぎゅうぎゅう詰めているところ。なんでも、肉と野菜を隙間なく詰めるのが美味しくなるコツらしい。また新しい知識だ。
「あんまり夢中になるとお鍋を割っちゃうので、力の加減に気をつけないといけないんです」
「……割っ?」
土鍋を割るとはなんともおっかない話だ。それは吸血鬼の怪力ゆえか、それともむりやり白菜を押し込んだせいか? 料理の心得が全くない俺にはなんとも判断がつかない。
じっと考え込んでいる俺をよそに、豚肉と白菜をきれいに詰め込んだ澪さんはその上に何かをふりかけてから、水を注ぎ火にかけた。沸騰したら蓋をして、しばらく煮るんだそうだ。野菜と肉を食べ終わったら締めにうどんを入れるらしい。今日も楽しみだ。
鍋が煮えるまでの間、取り止めのない会話をする。
俺がこの間贈った花が窓際に飾られていて、相変わらず元気に咲いている。名前はシクラメンというらしい。薄紫色のものは少し珍しいらしく、実物は初めて見たと澪さんはとても喜んでくれた。
「花言葉が素敵で」と言うので何なのか聞こうとしたが、なぜか笑ってはぐらかされた。後でこっそり調べてやろうと思ったが、腹が膨れた頃にはたぶん忘れているだろう。
「美味かったです。ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした。今日もいっぱい食べてくれて嬉しいです」
食事を終えると、俺はいつものように分厚いノートを棚から取り出した。澪さんが料理の参考にしているもので、表紙は少し日焼けしていて、中には几帳面な字で和洋中、さまざまなレシピが書き留められている。
中にところどころ貼られたピンクの付箋には、俺の感想が書かれている。澪さんが毎回記録をとっているのだ。ノートと付箋では筆跡が違うので気になって尋ねてみたことがあるが、これは昔、世話になった人に譲ってもらったものだという。
書いてある料理を全て作ってみるのが目標らしいので、俺は次に食べたいものを探していた。知っている料理もあるが、知らない料理も多い。ロシアンルーレットみたいに、適当に選んでみるのも面白そうだなと思いながらペラペラとページをめくっていく。
人間ではない彼女にどうして美味しい料理が作れるのか不思議だったが、きちんと書かれたレシピ通りに作れば味覚がなくても別に問題はないことに、四度目の訪問の時にようやく気がついた。
五度目の訪問の時に『実は、鼻が悪いせいで食べ物の味がよくわからない』と打ち明けられた。もちろんこれも嘘なのだが、そんなことは俺にとって問題ではなかった。食べた時の感想を教えてほしいと言われたのはその時だ。
俺が食べて美味しいと言うと、向かいに座った彼女も美味しそうな顔をして食べる。とにかく、俺は澪さんの正体には気づいていないふりをして、暖かく穏やかな時間に身を任せていた。
季節はさらに進み、真冬に。もうここに来るのは何回目になっただろうか。
今日は俺のリクエストでオムライスを作ってもらう。子供が好きなメニューだというが、一体どんな味なのだろうと気になったからだ。
澪さんにちょっとくらいいいところを見せようと、自分の分の卵を見よう見まねで割ってみた。しかし、黄身が潰れたり殻が入ったりの散々な結果。
「そんな、力一杯握り潰しちゃダメですよ。空木さん」
「む、難しい……」
二人で顔を見合わせて大笑いした。繊細な作業はどうにも得意ではない。卵を割るなんて料理の基礎の基礎だろうに、それでもうまくいかないものだ。いつも美味いものを食べられることに感謝した。
食後は、澪さんは窓際に置いたシクラメンの花を構い始める。きちんと世話をしてもらえているのか、薄紫色の花は相変わらず元気に咲いていた。
「そうだ。これね、『絆』って花言葉なんですよ」
「……絆か」
いつの間にか、彼女の部屋を訪ねる時には仕事道具は携行しなくなっていた。ただの人間として彼女に向き合いたかったし、執行官――吸血鬼殺しであることがバレることをなによりも恐れるようになっていた。
心優しく穏やかな性格で少し涙もろい。植物が好きで本当はたくさん育てたいらしい。花屋で働くことに憧れていて、将来は陽当たりのいいお庭付きの家に住むのが夢ですと笑った彼女に、同じように笑って合わせた。
将来の夢、そんなこと考えたこともなかった。俺の夢ってなんだったっけ? 今まで、考えたこともなかった。
食事を終え、何もない殺風景な自宅に戻るとただ寂しかった。
夢から覚めたというか魔法が解けたというか、心に隙間風が吹いたような物悲しさが最初はどういう感情なのか分からず、寂しいという言葉になかなか辿り着けなかった。
澪さんが横にいたらなどと邪なことを考えながら、布団にくるまり眠っていると、また新聞受けが音を立てた。憂鬱な、処置の日が来たのだ。
でも、これが終われば彼女に会えると思うだけで、苦しみが随分と和らいだ。今まではどうやって耐えていたのかもう思い出せないほど、彼女と過ごす時間は俺にとって当たり前のものになっていた。
翌日、スーパーで会った澪さんに、昨日のお礼にと花の鉢植えを贈った。女性に贈るものといえば花くらいしか思いつかなかったからなのだが、花屋に行ったなんて生まれて初めてだし、買った花をぶら下げて歩くのはなんだか気恥ずかしかった。
なんという花だったかはど忘れしてしまったが、薄紫色の花が山盛り咲いているものを選んだ。花びらがくるりと上を向いていて珍しいと思ったが、店先に色違いがたくさん並んでいたので、俺が知らないだけで一般的なものなのかもしれない。
その時に連絡先を交換し、俺と澪さんは二人で食事をする仲になってしまった。以前、夜に仕事をしていると俺が言ったからなのか、指定されるのは夕方であることが多かった。
足りない材料のお使いを頼まれたり、こちらが食べたいものをリクエストした時は、澪さんのアパートに行く前にスーパーに寄って、買い物袋片手に向かった。
閉店間際の静かなスーパーしか知らなかった俺は普段の賑やかさ、ついでに野菜の種類の多さに驚いた。今日も葉野菜が並ぶショーケースの前で立ち止まり、頼まれたものを探している。
小松菜とホウレン草は味は全然違うのに、見た目はほぼ同じなのか。あと、チンゲン菜はなんか太い。水菜はひょろりと細い。あと、葉っぱがギザギザ。料理になる前の姿は意外と知らないものだ。
頼まれたのは白菜と、それから豚のバラ肉。指定された量と近いパックを探して買う。豚肉にもいろいろ種類があるのも最近知った。
俺は塊か薄切りかひき肉くらいかと思っていたが、普通の人は『ここはこの部位だ』と気にして食べているものなのだろうか?
今日も知識と疑問を増やしつつ会計を終えると、まっすぐ澪さんの部屋を訪ねる。チャイムを押すと、生成色のエプロンをつけた澪さんに出迎えられる。
「空木さん、おはようございます」
日は暮れかけているが、いつも挨拶はこれだ。
「おはようございます。頼まれたもんここに置いときますね。でも、二人前でこれ? けっこう多いですよね」
『白菜・四分の一』は随分と重くかさばるので、俺には家族で食べる量にしか見えない。澪さんは白菜を包装しているフィルムを外すと、葉を一枚ずつ剥がして洗い始めた。
「火を入れればちょうどいい量になるんですよ」
俺が首を傾げると、澪さんは笑って答えた。
今夜は少し冷えるので、温まるように鍋にしてくれるらしい。下手に手を出せば足手まといになるだけなので、俺は申し訳ないと思いながら料理中の澪さんを見守る係に徹していた。
今は切った豚肉と白菜を交互に重ね、土鍋にぎゅうぎゅう詰めているところ。なんでも、肉と野菜を隙間なく詰めるのが美味しくなるコツらしい。また新しい知識だ。
「あんまり夢中になるとお鍋を割っちゃうので、力の加減に気をつけないといけないんです」
「……割っ?」
土鍋を割るとはなんともおっかない話だ。それは吸血鬼の怪力ゆえか、それともむりやり白菜を押し込んだせいか? 料理の心得が全くない俺にはなんとも判断がつかない。
じっと考え込んでいる俺をよそに、豚肉と白菜をきれいに詰め込んだ澪さんはその上に何かをふりかけてから、水を注ぎ火にかけた。沸騰したら蓋をして、しばらく煮るんだそうだ。野菜と肉を食べ終わったら締めにうどんを入れるらしい。今日も楽しみだ。
鍋が煮えるまでの間、取り止めのない会話をする。
俺がこの間贈った花が窓際に飾られていて、相変わらず元気に咲いている。名前はシクラメンというらしい。薄紫色のものは少し珍しいらしく、実物は初めて見たと澪さんはとても喜んでくれた。
「花言葉が素敵で」と言うので何なのか聞こうとしたが、なぜか笑ってはぐらかされた。後でこっそり調べてやろうと思ったが、腹が膨れた頃にはたぶん忘れているだろう。
「美味かったです。ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした。今日もいっぱい食べてくれて嬉しいです」
食事を終えると、俺はいつものように分厚いノートを棚から取り出した。澪さんが料理の参考にしているもので、表紙は少し日焼けしていて、中には几帳面な字で和洋中、さまざまなレシピが書き留められている。
中にところどころ貼られたピンクの付箋には、俺の感想が書かれている。澪さんが毎回記録をとっているのだ。ノートと付箋では筆跡が違うので気になって尋ねてみたことがあるが、これは昔、世話になった人に譲ってもらったものだという。
書いてある料理を全て作ってみるのが目標らしいので、俺は次に食べたいものを探していた。知っている料理もあるが、知らない料理も多い。ロシアンルーレットみたいに、適当に選んでみるのも面白そうだなと思いながらペラペラとページをめくっていく。
人間ではない彼女にどうして美味しい料理が作れるのか不思議だったが、きちんと書かれたレシピ通りに作れば味覚がなくても別に問題はないことに、四度目の訪問の時にようやく気がついた。
五度目の訪問の時に『実は、鼻が悪いせいで食べ物の味がよくわからない』と打ち明けられた。もちろんこれも嘘なのだが、そんなことは俺にとって問題ではなかった。食べた時の感想を教えてほしいと言われたのはその時だ。
俺が食べて美味しいと言うと、向かいに座った彼女も美味しそうな顔をして食べる。とにかく、俺は澪さんの正体には気づいていないふりをして、暖かく穏やかな時間に身を任せていた。
季節はさらに進み、真冬に。もうここに来るのは何回目になっただろうか。
今日は俺のリクエストでオムライスを作ってもらう。子供が好きなメニューだというが、一体どんな味なのだろうと気になったからだ。
澪さんにちょっとくらいいいところを見せようと、自分の分の卵を見よう見まねで割ってみた。しかし、黄身が潰れたり殻が入ったりの散々な結果。
「そんな、力一杯握り潰しちゃダメですよ。空木さん」
「む、難しい……」
二人で顔を見合わせて大笑いした。繊細な作業はどうにも得意ではない。卵を割るなんて料理の基礎の基礎だろうに、それでもうまくいかないものだ。いつも美味いものを食べられることに感謝した。
食後は、澪さんは窓際に置いたシクラメンの花を構い始める。きちんと世話をしてもらえているのか、薄紫色の花は相変わらず元気に咲いていた。
「そうだ。これね、『絆』って花言葉なんですよ」
「……絆か」
いつの間にか、彼女の部屋を訪ねる時には仕事道具は携行しなくなっていた。ただの人間として彼女に向き合いたかったし、執行官――吸血鬼殺しであることがバレることをなによりも恐れるようになっていた。
心優しく穏やかな性格で少し涙もろい。植物が好きで本当はたくさん育てたいらしい。花屋で働くことに憧れていて、将来は陽当たりのいいお庭付きの家に住むのが夢ですと笑った彼女に、同じように笑って合わせた。
将来の夢、そんなこと考えたこともなかった。俺の夢ってなんだったっけ? 今まで、考えたこともなかった。
食事を終え、何もない殺風景な自宅に戻るとただ寂しかった。
夢から覚めたというか魔法が解けたというか、心に隙間風が吹いたような物悲しさが最初はどういう感情なのか分からず、寂しいという言葉になかなか辿り着けなかった。
澪さんが横にいたらなどと邪なことを考えながら、布団にくるまり眠っていると、また新聞受けが音を立てた。憂鬱な、処置の日が来たのだ。
でも、これが終われば彼女に会えると思うだけで、苦しみが随分と和らいだ。今まではどうやって耐えていたのかもう思い出せないほど、彼女と過ごす時間は俺にとって当たり前のものになっていた。
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