病弱な彼女

古波蔵くう

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第3章:保健室での再会

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 高校生になってから、1週間経つ。私は体調が優れなくていわゆる保健室登校を余儀なくされた。毎日の課題は、快斗が持ってきてくれた。保健室を案内したのは、私のクラス担任、柊宗介ひいらぎそうすけ先生。
「今日も顔色悪いな……」
快斗が呟く。
「ごめんね……昔から、こうなの……」
私はどうしたら、こんな病弱な体から解放されるのだろうか。
「なんか、免疫力あげるもの買ってくる……」
快斗は保健室を去って行った。
 数分後。快斗はコンビニのビニール袋を持っていた。
「バナナと飲むゼリーを、買ってきた」
快斗は、持ってきたものを差し出す。
「あ、ありがとう」
私はベッドから降りて、保健室にある机と椅子(ホームルーム教室にあるものと同じ)に腰を下ろし、昼食という名の間食を食べている。この時も、快斗が私を眺めている。視線が怖いけど。快斗の目は、私が体調が悪いときは灰色の目をしている。あの目は、一体何を意味して居るのだろう。私がベッドに戻ると、快斗はカーテンを閉めた。すると、丁度保健室の先生が戻ってきて。
「いつも、ありがとうね……」
と。快斗にお礼をする。
「これも俺の優しさです……もう、あのような出来事はしたくないから」
快斗の声量が小さくなるのを感じた。私は後から知るのだが、なぜ快斗がこんなこと言ったのか分かった。
 快斗は幼少期、やんちゃな性格だった。なんか体輪を動かし、疲れ果てるまで遊ばないと気が済まないぐらい。それでよく怪我したり、玩具壊したり、同級生を怪我させたりと手に負えないぐらいやんちゃだった。それで、よく両親が呼び出されて、母親が謝罪しに行っていた。快斗を叱るものの優しく叱るため、当時の快斗には効果は無かった。そんなある日、快斗が中学受験を控えていた時期、快斗の母親が入院することになった。母親は拒食症で、以前よりも痩せこけて、快斗はそれを過労の容姿に見えたのだろう。そして、闘病した結果、快斗の母親は帰らぬ人となった。葬式は父親、父親の両親、母親の両親(義両親)のみで行った。葬式の時に、12歳だった快斗は
《母が死んだのは、俺のせいだ! 俺が大人しい良い子じゃないから、母は過労で死んだんだ! これからの人生、俺は優しい人になる!》
と。決意した。その後、快斗は、性格が180度変わった。笑顔を絶やさず、誰とでも優しく接する人になった。叩かれても、暴言吐かれても、嫌な顔一つも見せずに笑顔で優しく接していた。
 快斗が中学2年生の頃、クラスで男子の注目の的だった女子生徒がいた。それが快斗を『カイくん』と呼び、結婚すると、入学式に言っていた康未だった。ある日の放課後、康未は自分の机に破り捨てられたノートを見ていた。すると、快斗が忘れ物を取りに来た。
「あ! すまん……忘れ物を取りに来た」
康未を見て、快斗は自分の席に腰を下ろし、忘れ物を探す。忘れ物を手に取った快斗は
「じゃあな!」
優しい笑顔を康未に向け、教室を出た。けど、すぐに教室に戻り
「何かあったのか!?」
と。康未に問いかける。すると、康未泣き声を上げて泣いてしまった。快斗が康未の机を見ると、破り捨てられたノートがあった。
「これ、大健が愛用しているノートじゃん」
快斗は教室から、セロテープを手に取り、康未のノートを修復していた。ノートを修復した後、康未に返す。
「これからも、大事にしろよ!」
快斗は、そう言って去ろうとすると康未は快斗に抱きつき、離さなかった。
「俺、もうそろそろと帰らないと……」
「もう少し、このままで居させて……」
康未は快斗とかなり長い時間、そのままだった。
 現在、よく体調を崩す私を気遣うのも、快斗の優しさから来ているものだと思った。快斗は母親の死がトラウマでこうなったのかもしれない。私の体調が治ったら、快斗に恩返ししようと思った。

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