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第5章:光彩の始まり
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井上の裁判後、生徒会が
「校則は、生徒達の選挙で決めよう!」
ということになった。そして、最初に立案されたのが
『男女別校舎撤廃』
だった。そして黒影学園の校舎の工事が行われた。その間、全校生徒は井上が莫大な資金で作ったと思われる仮校舎に男女混合クラスで集められた。木造でエアコンは1クラスに1台、電気の通っている線がむき出しになっている。どこが『莫大な資金で作った』だ。そして、男女別校舎だったため、全校生徒ぎこちない感じだった。男子生徒は女子生徒の接触が無かったし、女子生徒も男子生徒の接触は無かった。あったのは、あのブラック校則会議以来だ。そして、いつまでもこんなぎこちない感じじゃいけないと思い、教員達が新科目『特別活動演習』を提案した。俺たちのクラスは、グループワーク形式で『新学園の生徒会企画』をするらしい。
「じゃあ、このグループは佐藤さん、中村さん……」
俺は、美咲と同じグループになった。しかも、翔太や高橋も一緒だ。俺は何も喋らない空気を打破しようと思い
「えっと、みんなで企画を考えるってことだけど……何かアイデアある?」
意を決して声を出すと、一瞬の沈黙が訪れた。
「……別に、何でもいいんじゃね?」
翔太がぶっきらぼうに答える。高橋は小さく頷くだけだった。美咲が口を開いた。
「でも、せっかくだし、みんなが楽しめる企画がいいよね? 例えば、男女合同の……」
そこまで言って、美咲は言葉を詰まらせた。これまでの学園では『男女合同』という概念自体が禁止されていたから。
「男女合同の……何?」
高橋が怪訝な顔で美咲を見る。翔太は、興味を示しながらも、やはり気まずそうにしていた。俺は、このぎこちない空気をどうにかしたいと思った。
「例えば、合同の体育祭とか? それか、文化祭で一緒に劇をやるとか……」
俺が提案すると、翔太が顔を上げた。
「え、体育祭は……オレ、サッカー好きだけど、女子と一緒にやるって言われても……」
高橋が小さく美咲に囁いた。
「劇とか、恥ずかしいよ……」
意見はまとまらない。重苦しい沈黙が再び訪れた。しかし、その沈黙は、かつての井上が強いた『私語禁止』の沈黙とは、全く異なっていた。そこには、戸惑いと、どうにかしようとする生徒たちの、生きた感情が宿っていた。俺は、改めて美咲の顔を見た。美咲もまた、この状況をどうにかしようと考えているようだった。
「じゃあさ、まずは、お互いの好きなこととか、嫌いなこととか、話してみない? いきなり企画じゃなくてさ」
美咲が提案すると、翔太と高橋は驚いたように顔を見合わせた。
「……それなら」
翔太がポツリとつぶやいた。
「俺、実はアニメが好きで……」
ぎこちないながらも、少しずつ、彼らの間の壁が溶け始めていく。翔太と知らないところと高橋の知らないところを沢山知れた。俺たちのグループの特別活動演習は楽しく議論する事ができた。特に俺は、美咲と再び一緒に話せて楽しかった。ホントの笑顔で笑う俺と美咲。あの息で曇ったガラスのような瞳ではなく、活気のあるキラキラした本来の瞳の色になっ。翔太や高橋も。全校生徒がこの新科目で。
数十ヶ月後に、新校舎が完成予定するらしい。俺と美咲が新校舎に入れるのは、3年次になる頃だろう。
「校則は、生徒達の選挙で決めよう!」
ということになった。そして、最初に立案されたのが
『男女別校舎撤廃』
だった。そして黒影学園の校舎の工事が行われた。その間、全校生徒は井上が莫大な資金で作ったと思われる仮校舎に男女混合クラスで集められた。木造でエアコンは1クラスに1台、電気の通っている線がむき出しになっている。どこが『莫大な資金で作った』だ。そして、男女別校舎だったため、全校生徒ぎこちない感じだった。男子生徒は女子生徒の接触が無かったし、女子生徒も男子生徒の接触は無かった。あったのは、あのブラック校則会議以来だ。そして、いつまでもこんなぎこちない感じじゃいけないと思い、教員達が新科目『特別活動演習』を提案した。俺たちのクラスは、グループワーク形式で『新学園の生徒会企画』をするらしい。
「じゃあ、このグループは佐藤さん、中村さん……」
俺は、美咲と同じグループになった。しかも、翔太や高橋も一緒だ。俺は何も喋らない空気を打破しようと思い
「えっと、みんなで企画を考えるってことだけど……何かアイデアある?」
意を決して声を出すと、一瞬の沈黙が訪れた。
「……別に、何でもいいんじゃね?」
翔太がぶっきらぼうに答える。高橋は小さく頷くだけだった。美咲が口を開いた。
「でも、せっかくだし、みんなが楽しめる企画がいいよね? 例えば、男女合同の……」
そこまで言って、美咲は言葉を詰まらせた。これまでの学園では『男女合同』という概念自体が禁止されていたから。
「男女合同の……何?」
高橋が怪訝な顔で美咲を見る。翔太は、興味を示しながらも、やはり気まずそうにしていた。俺は、このぎこちない空気をどうにかしたいと思った。
「例えば、合同の体育祭とか? それか、文化祭で一緒に劇をやるとか……」
俺が提案すると、翔太が顔を上げた。
「え、体育祭は……オレ、サッカー好きだけど、女子と一緒にやるって言われても……」
高橋が小さく美咲に囁いた。
「劇とか、恥ずかしいよ……」
意見はまとまらない。重苦しい沈黙が再び訪れた。しかし、その沈黙は、かつての井上が強いた『私語禁止』の沈黙とは、全く異なっていた。そこには、戸惑いと、どうにかしようとする生徒たちの、生きた感情が宿っていた。俺は、改めて美咲の顔を見た。美咲もまた、この状況をどうにかしようと考えているようだった。
「じゃあさ、まずは、お互いの好きなこととか、嫌いなこととか、話してみない? いきなり企画じゃなくてさ」
美咲が提案すると、翔太と高橋は驚いたように顔を見合わせた。
「……それなら」
翔太がポツリとつぶやいた。
「俺、実はアニメが好きで……」
ぎこちないながらも、少しずつ、彼らの間の壁が溶け始めていく。翔太と知らないところと高橋の知らないところを沢山知れた。俺たちのグループの特別活動演習は楽しく議論する事ができた。特に俺は、美咲と再び一緒に話せて楽しかった。ホントの笑顔で笑う俺と美咲。あの息で曇ったガラスのような瞳ではなく、活気のあるキラキラした本来の瞳の色になっ。翔太や高橋も。全校生徒がこの新科目で。
数十ヶ月後に、新校舎が完成予定するらしい。俺と美咲が新校舎に入れるのは、3年次になる頃だろう。
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