〜Years Of Love〜

古波蔵くう

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Episode.1

遠足

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 5月。今日はみんな楽しみしていたであろう遠足。3年生である私達にとっては、中学生最後の遠足。3年生は、野外でBBQバーベキューだ。私の班は肉以外に、焼きそばを作ることにした。私は今、バスの窓側の席を座って外の景色を眺めていた。泰絵ちゃんは、私の肩に顔を置いて寝ていた。私は窓から決して目を離さなかった。目を離さない理由は、向かいの席に座っているのが岡本くんと郁江が、イチャイチャしているからだ。
「いっちゃん、BBQ一緒に食べような!」
「うん!」
2人の話し声が聞こえる。苦痛だ。
《耳栓が欲しい……》
 野外調理場。
「友希、泰絵……薪持ってきて!」
中学2年からの友達、伊藤季枝いとうきえが薪を要求する。
「分かった!」
私は薪を取りに行く。
「いつになったら、肉焼いていい?」
職場体験で出会った友達、西村香澄にしむらかすみが解凍される前の肉を袋から出そうとする。
「火が小さいから……まだだ」
季枝が息を吹き込んで、ほのおを膨張させていく。
「焼きそば……」
香澄の友達、阿部慶子あべけいこが呟く。私達の班の向かいは岡本くん達の班がBBQをしていた。
「光行、彼女の分も作るんだろ?」
山本君が彼に言う。
「当たり前だ……」
岡本くんは、肉を焼くために奮闘していた。
 友希の班。
「焼きそば美味しい!」
私はみんなで作った焼きそばを味わっている。
「友希は薪持ってきただけだけどね!」
泰絵が私が軽作業しかしていない事をバラす。私は燃え盛る炎が怖くて、調理台に近づけなかった。
 10数分後。私は、班の人が食べきれなかった分の焼きそばを真空パックに入れて、持ち帰ることにした。すると、学生主任が
「集合!」
と。メガホンを使い、合図する。クラス全員が集まった。
「今から、クラス対抗と先生チームでドッジボールを行う!」
体育体系の先生が盛り上がっている。私の通う中学校は、2学年と3学年が3クラスしかない。だから先生達もドッジボールに参加する。
「第一試合! 3組対1組!」
学年主任が対戦クラスを発表する。
《私達じゃん……》
「3組ハンド部多いから、負けるわー」
「マジかー」
1組のクラスメイトが、ざわめき始める。
《私達のクラスって負けず嫌いじゃ?》
私がそう思っていたら
「へこたれんな!」
ざわめくクラスメイトに岡本くんが叫ぶ。
「3組ハンド部が多い? だから勝てない? そんな訳ねぇだろ! 1組の威力を見せつけろ! 1組には強い女子野球部員が居るだろ! みんなで団結しないと勝てないだろ!」
と。岡本くんは野球部員の小川珠樹おがわたまき田中冬夏たなかとうか高橋優莉たかはしゆうりを指差しクラスメイトの勝気を取り戻させる。
「そ、そうだよな!」
「光行、その通りだ!」
1組の男子達は、岡本くんを中心に円陣を組む。
「勝つぞー!」
岡本くんが叫ぶと
「「「おーっ!」」」
と。1組の男子達が叫ぶ。男子達は最強の女子野球部員3人を使い、必死に3組と闘ったが、負けてしまった。私は岡本くんの闘いぶりに惚れてしまい、ハート型のダイナマイトの火がドンドン本体に近づいていく。
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