〜比嘉一維の事件簿〜 『小６女児拉致殺人事件編』

序章

事件の概要

　この事件が起きたのは、２０１２年の沖縄県宜野湾市で起こった。当時１２歳だった長木に子ながきにこという女児が３年後である２０１４年ごろ、遺体となって発見された。犯人は金城攻きんじょうおさむで当時３０代の男性だった。彼は当時、リーマンショックの社会の中でクビを言い渡され、比屋良川公園ひやらかわこうえんの巨木の木の下で遠くを眺めながら、ハイボール缶をやけ酒の如く飲んでいた。
「これから、どんなして生活したら良いんだ！」
ハイボール缶を一気に飲み干し、投げ捨てる。すると、跳ね返り彼のおでこに当たる。
「アガァ！」
彼はおでこを抑え、痛みを訴える。ふと、外に目をやると制服を着た児童２人が歩いているのが見えた。
《そういや、ここカトリック学園あったよな……》
彼はその児童を見ながら、考え込み公園を後にした。
　ホームレスの溜まり場。彼は４人組のホームレスに話しかける。
「よう！　日南人ひなと、桂史朗けいしろう、一蔵いちぞう、明悟あきご」
彼はこの４人組のホームレスと知り合いだった。
「おう！　攻か！」
濃いめのハイボール缶を飲んでいる照屋てるや日南人が気付く。
「なんか、嬉しそうじゃねぇか？」
タバコを吹かしている砂川すながわ桂史朗が言う。すでに、１０本以上吸っている。
「なあ、お前らさ金欲しくない？」
彼が『金』と言う言葉を発した途端目を輝かせていた。
「「「「もちろんだ！」」」」
４人は彼に詰め寄る。
「じゃあ、４人は車と物資とかを盗ってこい！　バレないように！」
彼は指示する。
「車取りに行くぞ！　日南人！」
城間しろま一蔵が日南人を、引きずる。
「本屋にでも行くか！」
仲村なかむら明悟も立ち上がり、歩いていく。
「後は、女児だけだな……１２歳がベストだ……」
攻は、不気味な笑い声を上げる。