誰が悪役令嬢ですって? ~ 転身同体
“私”安生悠子は、学生時代に憧れた藤塚弘史と思い掛けぬデートをして、知らぬ間に浮かれたいたんだろう。よせばいいのに、二十代半ばにもなって公園の出入り口にある車止めのポールに乗った。その結果、すっ転んで頭を強打し、気を失ってしまった。
次に目が覚めると、当然ながら身体の節々が痛い。だけど、それよりも気になるのはなんだか周りの様子が全然違うんですけど! 真実や原因は分からないが、信じがたいことに、自分が第三巻まで読んだ小説の物語世界の登場人物に転生してしまったらしい?
一体誰に転生したのか。最悪なのは、小説のヒロインたるリーヌ・ロイロットを何かにつけて嫌い、婚約を破棄させて男を奪い、蹴落とそうとし続けたいわいゆる悪役令嬢ノアル・シェイクフリードだ。が、どうやら“今”この物語世界の時間は、第四巻以降と思われる。三巻のラスト近くでノアルは落命しているので、ノアルに転生は絶対にあり得ない。少しほっとする“私”だったけれども、痛む身体を引きずってようやく見付けた鏡で確かめた“今”の自身の顔は、何故かノアル・シェイクフリードその人だった。
混乱のあまり、「どうして悪役令嬢なんかに?」と短く叫ぶ“私”安生。その次の瞬間、別の声が頭の中に聞こえてきた。「誰が悪役令嬢ですって?」
混乱の拍車が掛かる“私”だけれども、自分がノアル・シェイクフリードの身体に入り込んでいたのが紛れもない事実のよう。しかもノアルもまだ意識があると来ては、一体何が起きてこうなった?
次に目が覚めると、当然ながら身体の節々が痛い。だけど、それよりも気になるのはなんだか周りの様子が全然違うんですけど! 真実や原因は分からないが、信じがたいことに、自分が第三巻まで読んだ小説の物語世界の登場人物に転生してしまったらしい?
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