〜甘い結晶と二人の未来〜

古波蔵くう

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第4章:再起と仲間たち

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 翌日、1年A組。俺は蜜村のクラスへと向かった。教壇に立ち、蜜村の担任教師の許可を得て、クラスメイト全員を前に静かに語り始める。
「俺は、想い出キャンディ部の部長、飴谷真斗だ……昨日、蜜村静香が、お前たち全員のせいで、命を絶とうとした」
その言葉に、クラス中が静まり返ります。俺は、蜜村の机に書かれている落書きと、YouTubeのコメントについても言及しました。俺の声は次第に怒りを帯び、しかし冷静な響きを保った。
「お前たちが何気なくやったことが、蜜村をどれだけ深く傷つけたか、考えたことはあるのか? 彼女は、お前たちのせいで、生きる意味を見失いかけたんだ……俺は、そんな蜜村を二度と苦しませたくない」
俺の言葉は、クラスメイトの心に重く響ているはず。何人かの生徒は顔を伏せ、中には涙を流す者もいた。
「これからのことだが、蜜村の心の傷は、お前たち全員で償ってもらう……まず、あの部室のキャンディを粉砕したこと、そして蜜村を傷つけたことの償いとして、お前たちクラス全員で、想い出キャンディ部の部室を徹底的に掃除し、元通りにすること! これは、お前たちが蜜村と部活に、誠意を示すための第一歩だ」
そして俺は、蜜村を直接傷つけ、クラス全員に目を向け、厳しい口調で付け加えた。
「そして、この件の首謀者たち……君たちが蜜村の机に書いた落書きは、自分たちの手で完全に消してもらう……今回の件は、学校としても決して許される行為ではないと判断し、然るべき処分が下されることになるだろう……俺は、お前たちが自分たちの行いの重さを理解し、深く反省することを強く願う」
俺の言葉には、普段の不器用さからは想像もできないほどの強い意志と、蜜村への揺るぎない愛情が込められている。クラスメイトたちは、俺の迫力に圧倒され、静かにその言葉を受け止めた。蜜村のクラスメイトは、家庭科調理室に箒などを持って向かった。
 掃除を進めるうちに、彼らは床に散らばる無数のキャンディの破片の中に、ある異変を見つけ始める。それは、砕け散ったはずのキャンディが、驚くほどきめ細やかで、均一な粒子になっている。よく見ると、一つ一つの破片がただ割れただけではなく、まるで丁寧に研磨されたかのように滑らかな断面を見せている。
「これ、本当に俺たちが壊したキャンディか?」
ある生徒が呟き、他の生徒たちも次々とその事実に気づき始める。普段、彼らが目にする市販のキャンディとは明らかに違う、その精巧な作りに、彼らは目を奪われた。中には、文化祭で蜜村が変身して売っていたカラフルなキャンディを思い出し、その美しさがただの偶然ではなかったことに気づく者も現れます。破壊されたはずのキャンディの残骸から、彼らは蜜村がどれほど繊細で、卓越した技術を持っていたのかを、図らずも知ることになります。彼女のキャンディ作りの才能が、彼らの浅はかな嫉妬によって踏みにじられていたことを悟った瞬間、クラスメイトたちの心に、それまでとは違う感情が芽生え始めました。
 そして首謀者の名前も明らかになった。蜜村をいじめた首謀者は山本隼人やまもとはやと篠原美咲しのはらみさき高橋莉央たかはしりおの3人だった。この3人は半年の停学が言い渡されたが、後に自主退学をした。
 蜜村は、当分の間カウンセリング室に行くという別室登校となった。そして蜜村の机の落書きは油性で消えず、学校の経費で買い換えることになった。蜜村がカウンセリング室で過ごす間、俺は放課後になると、以前のように教室のそばで待つことはできなかったが、代わりにカウンセリング室の前まで足を運び、蜜村が少しでも元気を取り戻せるよう、そっと寄り添い続けた。そして、クラスメイトたちは、蜜村がいない教室で、自分たちの行いの重さを改めて痛感する。部室の掃除と並行して、彼らの心にも静かな変化が訪れ始める。
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