実姉弟の恋⁉︎

古波蔵くう

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〈3〉同居から入学

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 3月下旬。今日は入学前オリエンテーション。今日はここでクラスと、高校で使うテキストを貰う。俺は新入生の群がるクラス表を見る。
「勝占……勝占……かっつぅらー……あった! 12番! クラスは……8組! 最後尾のクラスじゃん!」
俺は8組12番になった。ちなみに、俺とゆまが産まれたのは、8月12日だ。俺が、体育館に入る頃に、ゆまはクラス表を見ていた。
 入学前オリエンテーション終了後。俺は実祖父が一括で払った賃貸に引っ越することになった。俺は貯金などしてないからだ。
「寮付きのバイトする予定だったのに……」俺は実祖父から郵送で送られた鍵を使い、賃貸に入った。高校のテキストなどを適当な場所に置く。家の外観は、白いコンクリートで塗装され、屋根には沖縄の瓦屋根を使用している。2階建ての1軒屋だった。俺は縁側に座る。地面に目を向けると、
「これって……人工芝?」
庭に生えてある草が人工芝だということに気付いた。俺が春の風を感じていたら
ーーガチャ!
ドアの閉まる音がした。
「あれっ? 閉まった?」
女の声だ。俺は荷物から玩具のショットガンを構える。弾は入れていない。空砲の音で驚かしてやる。
ーーガチャ!
ドアが開いた。俺はドアに銃口を向ける。
「お邪魔しまーー」
ーーパン!
空砲の音が鳴った。俺は目を開けると、母にそっくりな顔立ちをした女子がいた。制服は他校の制服だ。まだ、俺の進学先である占部高等学校の制服はまだ支給されていないからだ。
「えっ?」
俺はあまりにも、母の顔に似すぎている女子にびっくりし、玩具のショットガンを落としてしまった。そして、裏口目指して走ろうとしたら
「待って!」
母親似の女子が呼び止める。
「なんだよ……」
俺は足を止める。
「貴方は……どちら様なの?」
母親似の女子が俺の名を聞こうとする。
「それはこっちのセリフだ……」
俺も同意見だった。
「名前をお伺いしてもよろしい?」
母親似の女子が問いかける。
「そっちが先に言えよ……」
俺も同じ質問を投げかける。この掛け合いが数回続いた。
「はぁ、ラチが開かないから俺から言うよ……勝占行一だ」
俺は自己紹介した。
「勝占? 私も勝占です……勝占ゆまかつらゆま
母親似の女子は、姉である。だが、俺は姉の名前すら記憶にないためまだ分かっていない。この時の俺は姉にこう言った。
「別の勝占家だろう?」
と。問いかけた。
「貴方こそ……」
姉も同意見だった。ここまで考えが一緒なのに、姉弟と気付かない。俺と姉、鈍感さも同じだ。
「じゃあ、父方の祖父母の名前が不一致だったら俺は出て行く……『せーの』で言うぞ」
俺は提案する。
「せーの!」
「「麻郎爺ちゃん(お爺様)」」
祖父の名前が一致した。
「「アヤ子婆ちゃん(お婆様)」」
祖母の名前も一致した。
「もしかして、姉ちゃんか?」
俺は姉だと確信した。
「そう言う貴方は、弟?」
ゆま姉も俺が弟と確信したみたいだ。こうして、俺は実姉弟の再会し同棲することになった。
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