実姉弟の恋⁉︎

〈４〉高校入学前【Yuma】

　私の名前は、勝占ゆま。私は高齢の夫婦に育てられた。なので、私はお父様、お母様とは呼ばずお爺様、お婆様と呼んだ。お爺様は、亭主関白の時代の人で、お婆様だけでなく、私にも家事をやらせた。学業と家事の両立をさせられた。私は家事をしながら、お爺様を見ていた。お爺様は、普段新聞しか読まないのだが、トイレから出た後はスマホを見ていた。そして、何やら笑っていた。私は中学を卒業した頃、聞いてみた。
「お爺様？　スマホで何を見ているのですか？」
私が問うと、お爺様はスマホを終い新聞を読み続けた。
「別に……」
堅物の回答だった。私はお婆様に聞くことにした。
「お婆様？　お爺様はスマホで何を見ているのですか？」
私の問いに、お婆様の回答は
「じゃあ、部屋を変えようね……」
お婆様は私を連れて、部屋を変えた。
　お爺様とお婆様の寝室。私とお婆様は正座で腰を下ろすと、お婆様の顔が険しくなる。
「ゆま……一度しか言わないからよくお聞き！　ゆまには姉弟が居るんだよ、血の繋がった弟がね……わけあって別々に育てることにしたんだよ」
と。私に弟が居ることを知らされた。その頃、お爺様は
『アヤ（息子）：お父さん……』
『息子が家出しました』
『麻郎：なぜだ？』
『アヤ（息子）：娘もが居ることを話しました……』
『麻郎：ワシもさっき、ゆまに問われた……』
『アヤ（息子）：どうしますか？』
『麻郎：孫が心配だ……ワシが家を貸そう！　金はワシが一括で用意する』
お爺様はお父様と、ＬＥＡＤで話していた。
「ゆま！」
すると、お爺様が私を呼ぶ。
「どしましたか？　お爺様……」
私が駆けつけると
「ゆま！　お前さんは家事と学業の両立出来た！　もうワシが教えることはないもない……自立用の家を用意する……そこで暮らしなさい」
お爺様は、私のために家を用意するそうだ。『教えることはないもない』と言っているが、お爺様は大して、何も教えていない。
　４月下旬。高校の入学前オリエンテーションが終わった後、お爺様から渡された鍵を刺し、ドアノブを回すと
ーーガチャ！
閉まる音がした。
「あれ？　閉まった？」
私はもう一度、ドアノブを回す。そして、鍵を抜き、ドアを開ける。
「お邪魔しまーー」
ーーパン！
私はお爺様の顔に近い人に、ショットガンの空砲に驚かされた。名前を聞くと、勝占行一と言い、お爺様とお婆様の名前が一致し、私は実の弟と再会した。そして、弟と同棲することになった。