女装男子と私

メタボ戦士

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115話 恋敵(冬木)

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 放課後。

「夏樹君、約束通り一緒に帰ろう♪」

「ごめん用事があるから今日も無理。」

「『用事』って?」

「それはプライベートだから言えない。じゃあね、冬木さん。」

「ちょっ····」

 ·····行っちゃった。

「冬木さん、早乙女君を狙うのはやめといた方がいいよ。」

「どうして?彼女でもいるの?」

「うん、他クラスの春野美月さん。夏樹の彼女にしては地味だけど仲は良いみたいだよ。噂ではもうヤッてるらしいし。」

「そんな子が·····」

 ······春野美月、恋敵決定。

「まぁそういうわけで僕と一緒に帰らない?」

「いいけど、その代わりに夏樹君の家の住所を教えて♡」

「いや·····個人情報だしそれは·····」

「1日デートをしてあげるから。」

「●●●の◆◆◆▼▼▼■■■」

「教えてくれてありがとう、じゃあね♪」

「一緒に帰るんじゃ?」

「今日とは言ってないから☆また今度ねw」

「そんな~〈ガクッ〉」


〈トタッ··トタ····トタットタ·····〉

「♪~♪♪~~」

 ······ここが夏樹君の家か。

 写メしとこう♪

 まだ帰ってないかな。

 帰っていなくても家の人に入れてもらえれば待てるし行くか。

〈ピンポーン〉

「は~い〈ガチャ〉あなたは···?」

「夏樹君のクラスメイトの冬木美里です。夏樹君に用があったので来ました。」

「あの子まだ帰っていないから帰ってくれる?」

「いや····用が······」

「ごめんね〈ガチャ〉」

「えっ·····」

 ·····閉められた。

 さっきのほうれい線の具合からしてお母様っぽい人だけど厳しい人なのね····怖かった❢·❢

 夏樹君が帰って来るまで居座るつもりだったけど諦めて帰ろう。

「トホホ·····」
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