異世界大家族〜お母さんは大変です

メタボ戦士

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第31話 子供視点3①

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 ·····サーシャさん可愛い。
 心の中ではいつもそう思っているが、1度も彼女と会話が出来ていない僕·····ただ遠くから彼女を観察しているだけの僕。

 きょうだい達に『ストーカーになるなよ。』なんて言われていたのにこれじゃあほぼストーカーだと最近の行動を振り返ってそう思った。

 きょうだい達には『友達になれるように頑張る。』的なことを言ってたのに名前を知ってからも1歩も進歩していない。

 本当、自分のことを情けないチキン野郎だと思う。

 ····会話をしてみたい、でも共通の話題がない。
 彼女が読んでいるような難しい本の話について語れれば共通の話題も出来るかもしれないが、難しい本を読もうとすると頭が痛くなるから無理!
 どうすればいいんだろ····

 そんなことを考えながらもいつもと同じく彼女から離れたところで読書をしていた。

 今読んでいる本の内容は全く頭に入っていない。

 彼女からワンチャン話しかけてこないかと不純な気持ちで頭がいっぱいだったから、ほぼ読んだフリだった。

 しばらくそうやって図書館で過ごしていたら、彼女が近づいて来て「そこのあなた、本が逆さになっていますけど読めていますか?」と言ってきた。

アインス 「あっ?本当だ。親切にありがとうございます。」

サーシャ 「いえ····ずっと逆さで読んでいて気になったもので。あなた、いつも放課後に図書館で会いますけど本が好きなんですか?」

アインス 「はい、好きです。」

サーシャ 「私も本が好きなんですけど、どんな本が好きなんですか?」

アインス 「ミステリーが好きです。」

サーシャ 「面白いですよね~私は伝記が好きです。」

アインス 「伝記?」

サーシャ 「わからないですか?」

アインス 「はい、すいません。」

サーシャ 「伝記とは実在の個人の生涯の事績を書き綴った本のことです。」

アインス 「そうなんですね、面白そう。」

サーシャ 「興味ありますか?」

アインス 「はい少し。」

サーシャ 「おすすめの本がこの図書館にたくさんあるのでぜひ読んでみてください。」

アインス 「読んでみます。」

サーシャ 「1冊読み終わったらその本の感想を教えてください。」

アインス 「はい。」

サーシャ 「そういえばあなたの名前を聞いていませんでしたね。」

アインス 「そういえばそうですね。」

サーシャ 「聞いた私から先に名乗りますね。私の名前はサーシャ·オベールです。」

アインス 「僕の名前はアインス·ヌーヴァです。」

サーシャ 「よろしくヌーヴァさん。」

アインス 「アインスでいいですよ。クラスメイトはそう呼んでいるので。」

サーシャ 「わかりました、アインスさん。それなら私もサーシャでいいですよ。」

アインス 「わかりました、サーシャさん。」

 その後も2人で色々のことを話して仲良くなった。
 外が暗くなってきた頃にまた放課後に図書館で会うことを約束して解散した。
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