異世界大家族〜お母さんは大変です

メタボ戦士

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第77話 アインスの捜索

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 私は子供達を学校に送り出した後、早速トロワに言われた通りに北の方にアインスを捜しに行った。

〈ビュゥー  ビュー········· 〉
 ······アインスが着ている服に縫いつけている位置情報の魔導具はこの雪山の頂にあるダンジョンに反応しているみたいね。

 中はどうなっているかここに来るのは初めてだからわからないけど、実の息子がこの中にいるってわかっているなら行くしかない。

 ひと息深呼吸をしたら中に入った。

 中は外と同じくらいひんやりとした氷の空間が広がっていた。

 魔物はその空間に合わせたアイスゴーレムやアイススライムが出現した。

 火属性を付与した剣で豆腐をきるように簡単に倒した。

 ······これぐらいのレベルならアインスも楽勝そうね。

 それからどんどん倒していき、最下層まで到達した。

 ······アインス····途中で会えると思ったのにここまでいなかったわね。
 このダンジョンのボスを倒して地上に戻ったのかしら?
 それともまだボスと戦っているのかしら?

 まぁボス部屋に入ればわかることよね。
 入ってみましょう。

〈ギィー〉ん·····いるかなアイン··ス·······?んっ!?

 ボス部屋を開けると巨大な雪男とボロ雑巾のようになって倒れているアインスがいた。

ナーダ 「アインス····!アインス······!?」

アインス 「お母さん····?こんなとこにいるわけないから死ぬ前に見る幻覚か。幻覚でもお母さんに会えて良かったよ。勝手に家出してごめんね、さようなら。」

ナーダ 「馬鹿!幻覚じゃなくて本物よ。」

アインス 「えっ、本当に?」

ナーダ 「そうよ。それに幻覚だったらこんな男の姿じゃなくて女の姿で現れるでしょ。」

アインス 「それもそっか。」

ナーダ 「ほらあなたの傷も致命傷じゃないから私の回復魔法で治せたし、2人であの巨大な雪男を片付けるわよ。」

アインス 「うん。でもあの雪男、弱点のはずなのに全然火の魔法が効かないんだ。だからどうやって倒すの?」

ナーダ 「それは単純にアインスの使う魔法が弱かっただけだから、お母さんの魔法があれば簡単に倒せるわよ。」

アインス 「そう言われるとムカつくけど、お母さんが言っていることは正しいから反論出来ないよ。」

ナーダ 「アインス。勘違いして欲しくないから言うけど、あなたの魔力が少ないから弱いと言ったわけではないの。」

アインス 「じゃあ何?」

ナーダ 「あなたは学校で魔法の出し方は授業で習っているけど、一点集中で鋭く出す方法をまだ習っていないから弱いだけと私は言いたかったの。」 

アインス 「じゃあ教えてよ。」

ナーダ 「駄目よ。」

アインス 「何で?」

ナーダ 「こういうのは教えて覚えるより見て覚えなさい。」

アインス 「わかったよ。」

ナーダ 「じゃあお母さん、アンタのレベルに合わせてアンタでも使える火球ファイアーボールだけであの雪男を倒すから見てなさい。」

アインス 「うん。」

ナーダ 「···················火球ファイアーボール

〈ヒュッー··········バァッン〉

雪男 「アッァァァ················〈バタッ〉」

アインス 「一発で巨大な風穴を開けて倒すなんてお母さん凄い!」

ナーダ 「そう褒められると悪い気はいないわね。まぁボスを倒してレアアイテムも手に入ったし、早く家に帰りましょう。」

アインス 「嫌だ!帰りたくない。」

ナーダ 「どうしてなの、アインス?」

アインス 「家に帰ったらお母さんはユイットとケイさんばかり構って、僕達7つ子をほっとくじゃないか!」

ナーダ 「〈ギュッ〉ごめんねアインス。お母さんが構わなくて寂しかったのね。」

アインス 「お母さん······」

ナーダ 「でももう寂しくさせることはなくなるから····」

アインス 「どうして?」

ナーダ 「ケイさんは仕事復帰するし、そのときユイットは魔導研究所の託児所で預けるから。」

アインス 「でもそれはケイさんが仕事をしている間だけだから、夜はお母さんがユイットを面倒をみないとじゃん」

ナーダ 「それもケイさんと分担して面倒をみることにするから。」

アインス 「わかったよ。それならいいよ。」

ナーダ 「良かった、じゃあ帰ろう。女の子の体で冷えたでしょ。」

アインス 「じゃあ温めるためにお母さんおんぶして?」

ナーダ 「わかったよ、ほれっ背中にお乗り。」

アインス 「ありがとう。お母さん温かいし、死んだお父さんの匂いがする。」

ナーダ 「そりゃお父さんの防寒着を着ているからね。」

アインス 「そっか。何か安心して眠くなって来た······」

ナーダ 「家に着くまで寝てなさい。」 

アインス 「わかった·····おやすみお母さん······zzz」

ナーダ 「〈ナデナデ〉おやすみアインス。」

 ダンジョンのワープ装置を踏んで地上に戻った。

 アインスを起こさないようにゆっくりほうきで帰った。
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