粗筋のような小説

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粗筋のような小説

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 曇り空の下、少しだけ寒い風が肌を撫でる。
 暑かった夏の日はもう過去に消えたのか、日差しからも、風からも既にその余韻は消え去ろうとしている。
 そうやって季節が変わっても、門番の仕事に違いはないようだ。
 見覚えのある相手から、見覚えのある手続きを受けて、街の門をくぐる。愛想がないのは相変わらずだが、特に理不尽なことをしてくるわけでも、袖の下を要求してくるわけでもないから、別に不満はない。玉にいいところのボンボンが愛想が悪いと悪態をついていることがあるが、それは別に門番の仕事に入ってはいないだろうと思う。
「よいしょっと」
 獲物を肩に担ぎ直して向かうのは、いつものギルドだ。ギイギイと煩い扉を開ければ、古い木のカウンターに見慣れた仏頂面が並んで居る。どうやらギルドの受付の仕事にも愛想は含まれていないらしい。外での殺伐とした魔物との戦いは仕事だからしょうがないが、街に帰って来た時くらい目に優しいものが見たいもんだ。俺は心の中でだけ溜息をついて、受付に向かう。今回の獲物は幾らになるだろう。

 と、いうような描写ってあまり受けないのか、最近の小説、特にネット小説では見ることが少なくなりました。なんというか、もっとあっさりとした描写で、ストーリーの続きを優先しているような感じです。皆さん忙しいんですかね。
 江戸の頃は舞台を見に行くにも一日がかりで、間に舞台の上で演者が飲み物を飲んで休憩とかしてたそうですから、それに比べれば、時代によってスピード感は大分変わるんでしょうね。特に、今はスマホでちょっとした隙間時間に読んだりして、電車が来るまでの5分でなにかしら展開がある、とかなってくると場面描写に何百文字も掛けてたら飽きられるのかもしれません。

 街に帰ってきたのは曇り空の日だった。少しだけ肌寒い風を受けながらいつもどおり門を通り、ギルドへ入る。獲物がいくらになるのか楽しみだ。

 このくらいまで短くすれば最初の5分の1くらい。残り5分の4は次のストーリーを進めれるわけです。

 街に入る。ギルドで獲物を売った。割と良い値段。いつもの宿に部屋を取る。下の酒場で知り合いに合い、酒を飲む。宿の娘は可愛いが、酒が出る時間には居なくなる。代わりの女性は年配ばかり。年上過ぎる。明日はまた狩り。

 くらいになると小説というより日報みたくなりますね。
 スピード重視か、情景描写重視か、それ自体は作者の好き好きで、どっちだから、なんて言う気はありません。ただ、自分の書きたいものとは別に、今の世間で受けている小説の傾向を掴んで置くのは悪くないかと思うところです。市場調査的な意味で。まあ、半分は自分への戒めです。

 あと、そんな感じで描写をざっくり落としたした小説だと、女性キャラの描写が「可愛い」「胸が大きい/小さい」くらいになってて、複数キャラが出た時だけ髪型に言及されてるんですが、それ以外は興味ないんですかね。あ、髪型が変わったかチェックするのは
月曜日だけでいいそうですよ、美容院に行くのは時間がある週末が多いかららしいです。自分は見分けついたことが一度もないですが。

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