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狂嵐襲来編
摸擬戦
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王子たち一行が小さな村に立ち寄ったとき、村の長老が申し訳なさそうに告げた。
「旅の方々、ここに泊まっていくのでしたら、何か見世物でもしていただければ、少しばかりの食事と宿をお出しできるのですが……」
傭兵団の面々は顔を見合わせた。
「見世物っていってもな……」
団員の一人が首をかしげる。傭兵とは戦場で命を張る生業だ。見世物のような芸を持っている者は少ない。
そんな中、ゲオルグが腕を組みながら、ふっと考え込んだ。
「なら――"模擬戦"ってのはどうだ?」
「模擬戦?」
「俺たちは傭兵団だ。ただ剣を振るうだけじゃない。戦うことで生きてきた。その強さを見せてやるのも、一つの見世物ってもんだろう」
傭兵団の団員たちは「なるほど」と頷いたが、すぐに苦笑いを浮かべる。
「でも団長、あんたが出るなら誰も勝てないんじゃ……?」
「そりゃそうだ」
ゲオルグはにやりと笑いながら言った。
「だから相手は――"サーディス"だ」
その言葉に、周囲がざわめいた。
サーディスは無言で王子をちらりと見る。
王子は彼女の視線に気づき、静かに目を細めた。
「……怪我をしない程度にな」
それだけを告げ、王子は頷いた。
それを確認すると、サーディスは団長へと向き直る。
「いいでしょう」
そして、村の広場で模擬戦が始まることになった。
傭兵団の団員たちが観客席を作るようにして見守り、村の人々も興味津々で集まってくる。
「団長が戦うのなんて久しぶりだな」
「利き腕を失っても、あの槍捌きは健在だからな……」
決闘場の中心に立つのは、二人の剣士――サーディスとゲオルグ。
「――さて、そろそろ始めようか」
ゲオルグが槍を肩に担ぎながら、にやりと笑った。
「ええ、適当に楽しませてあげましょう」
サーディスも冷静に剣を構え、静かに間合いを詰める。
村人たちは息を呑み、見守っていた。
――本気の戦いではない。
だが、見世物である以上、"本気のように見える"戦いを演じる必要がある。
すぐに終わってしまっては、観客も面白くない。
どちらが勝つか――それよりも、どれほどの"技"が見られるか。
それが、この試合の醍醐味だった。
「さぁ、どこまで避けられるかな?」
ゲオルグが動いた。
槍を軽く振るうと、そのまま一気に踏み込む。
次の瞬間――。
"神速の三連突き"
ヒュン――! ヒュン――! ヒュン――!
"雷光"のような突きが、刹那の間に三度、サーディスを襲う。
最初の一撃――
サーディスは最小限の動きで身をずらして回避。
二撃目――
剣の腹で軌道を逸らす。
三撃目――
刃の角度を変え、防御に徹する。
鋭い連撃を、すべて"見切った"。
「――おぉ!!」
周囲の村人たちが、どよめく。
槍の間合いは剣よりも長く、リーチの差を活かした連続攻撃は圧倒的な速度を誇る。
それを剣一本でいなしたサーディスの技量に、誰もが驚嘆した。
ゲオルグは満足そうに口元を歪める。
サーディスの実力は"本物"だった。
片腕でここまで戦えるとは、彼もまた常識を超えた存在なのだと、改めて実感する。
「お返しだ」
サーディスが踏み込む。
低い姿勢から一気に跳ね上がるようにして、鋭い一閃を繰り出す。
その刃は、狙いすましたようにゲオルグの胴へと迫る。
だが――。
"ギィンッ!!"
金属音とともに、その攻撃は弾かれた。
ゲオルグは、槍の柄をわずかに傾けてサーディスの斬撃を"完璧にさばいた"のだ。
サーディスの剣は、"槍の間合い"の内側に入っていた。
つまり、槍を持つゲオルグには不利なはず。
それにも関わらず、彼は"たった片腕"で斬撃を受け流したのだった。
(利き腕を失っても、この技量とは……!)
サーディスは内心驚きを隠せない。両手がある人間でも、彼ほどの技量を持つ物は少ないだろう。
「……槍で受けるのですね」
「そりゃあな。剣士相手に同じ土俵で戦う気はないさ」
ゲオルグは肩をすくめながら、槍を軽く回す。
互いに一歩も譲らない攻防。
観客たちは、さらに熱狂する。
(この男、やはり"並の槍使い"じゃない……)
サーディスも内心で舌を巻いた。
彼女の剣が"届かない"のではない。
ゲオルグが"片腕でも対応しきれるだけの戦闘技術"を持っているのだ。
"遊び"のはずの模擬戦だった。
だが、技と技がぶつかるたびに、戦場のような緊迫感が漂い始める。
「おいおい、あんまり本気になるなよ?」
ゲオルグが笑いながら言う。
サーディスも、わずかに口元を緩める。
「……ええ。私たち、見世物ですものね」
二人は、"戦士"としての尊敬を込め、もう一度構えを取る。
"ギィンッ!!"
鋭い金属音が響き、サーディスの剣が大きく弾かれた。
ゲオルグの槍の一撃。
それは力任せの攻撃ではなく、"的確に剣を弾く"技術が込められていた。
「――っ!」
サーディスの右手が大きく振り上げられる。
剣は後ろへと流れ、隙が生まれた。
そこを見逃すゲオルグではない。
「もらった!」
彼はすかさず、槍を突き出し、勝負を決めにかかる。
だが――。
その瞬間、サーディスの動きが変わった。
振りかぶってしまった右手の剣。
それを背後で"左手"へと持ち替える。
――"シュバッ!!"
右手での攻撃に集中していたゲオルグは、一瞬だけ目を見開いた。
「――曲芸師かよ!!」
彼の槍が迫る刹那、サーディスの左手が剣を持ち替え、そのまま刃を掲げる。
"カンッ!!"
槍の穂先を受け止めた。
間一髪――。
観客から驚愕のどよめきが広がる。
「お楽しみいただけましたか?」
サーディスは冷静に微笑む。
ゲオルグは一瞬舌打ちし、槍を引き戻す。
(……やるな)
ふざけたように戦っているようで、すべての動きに"計算"がある。
槍の間合いを測り、攻撃のリズムを見極め、"最適な反撃のタイミング"を探っていた。
"本気"になりかけている自分に、ゲオルグは内心で笑う。
だが――今は"見世物"だ。
観客の期待を裏切るわけにはいかない。
ゲオルグは槍を回し、再び構え直す。
サーディスも、左手に持ち替えた剣をゆっくりと握り直す。
広場の空気が一気に張り詰める。
誰もが息を詰め、"決着の瞬間"を待っていた。
「――ッ!」
ゲオルグが一気に踏み込む。
槍の穂先が、閃光のようにサーディスへと向かう。
"神速の突き"。
だが――
"ヒュッ!"
サーディスは、刹那の間に"回転"してそれを避ける。
槍の先端が、彼女の髪をかすめるほどの距離を通り過ぎる。
そのままサーディスは、流れるような動きで回転を終え、"ゲオルグの首筋へと剣を突きつけた"。
「――!!」
ゲオルグの動きが止まる。
完全に、"敗北"を悟った。
静寂。
次の瞬間――
「勝負あり!!」
審判役の村の長老が高らかに宣言すると、広場中が歓声と拍手に包まれた。
「すげえええ!!」
「見たか!? あの回避!!」
「ゲオルグ団長の槍を止めたぞ!!」
村人たちは興奮し、口々にサーディスの勝利を称えた。
ゲオルグは深く息を吐き、槍を下ろしながら苦笑する。
「……まいった。完全に一本取られたぜ」
サーディスもまた、剣を収め、微笑む。
「ありがとうございます。貴方のおかげで、素晴らしい試合ができました」
それは決して"皮肉"ではなかった。
ゲオルグの実力は、間違いなく本物だった。
槍を自在に操る戦技も、その冷静な判断力も、すべてが"戦場で鍛え上げられたもの"。
(両腕があったの頃なら、まちがいなく私よりも技量は上)
それこそクレストに所属していてもおかしくないだろうと思う。
「いいねぇ、こういうのは。やっぱり腕の立つ相手とやるのは楽しいぜ」
ゲオルグは豪快に笑い、サーディスの肩を叩く。
その瞬間――。
観客の間から、一斉に"サーディス"の名を呼ぶ声が上がった。
「サーディス!!」
「かっこよかったぞ!!」
「さすが騎士様だ!!」
熱狂の渦に包まれる。
村の子供たちまで飛び跳ね、喜びの声を上げる。
サーディスは、少しだけ困ったように微笑む。
"これが見世物の戦い"か――そう思いながら、ふと視線を横にやる。
そこには、少し離れたところで静かに拍手を送る王子の姿があった。
(……シス様)
王子は多くを語らない。
だが、その眼差しには、確かな"誇り"が宿っていた。
"私の騎士は、こんなにも強い"
そう言わんばかりの眼差しに、サーディスはわずかに胸の奥が熱くなるのを感じた。
<あとがき>
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「旅の方々、ここに泊まっていくのでしたら、何か見世物でもしていただければ、少しばかりの食事と宿をお出しできるのですが……」
傭兵団の面々は顔を見合わせた。
「見世物っていってもな……」
団員の一人が首をかしげる。傭兵とは戦場で命を張る生業だ。見世物のような芸を持っている者は少ない。
そんな中、ゲオルグが腕を組みながら、ふっと考え込んだ。
「なら――"模擬戦"ってのはどうだ?」
「模擬戦?」
「俺たちは傭兵団だ。ただ剣を振るうだけじゃない。戦うことで生きてきた。その強さを見せてやるのも、一つの見世物ってもんだろう」
傭兵団の団員たちは「なるほど」と頷いたが、すぐに苦笑いを浮かべる。
「でも団長、あんたが出るなら誰も勝てないんじゃ……?」
「そりゃそうだ」
ゲオルグはにやりと笑いながら言った。
「だから相手は――"サーディス"だ」
その言葉に、周囲がざわめいた。
サーディスは無言で王子をちらりと見る。
王子は彼女の視線に気づき、静かに目を細めた。
「……怪我をしない程度にな」
それだけを告げ、王子は頷いた。
それを確認すると、サーディスは団長へと向き直る。
「いいでしょう」
そして、村の広場で模擬戦が始まることになった。
傭兵団の団員たちが観客席を作るようにして見守り、村の人々も興味津々で集まってくる。
「団長が戦うのなんて久しぶりだな」
「利き腕を失っても、あの槍捌きは健在だからな……」
決闘場の中心に立つのは、二人の剣士――サーディスとゲオルグ。
「――さて、そろそろ始めようか」
ゲオルグが槍を肩に担ぎながら、にやりと笑った。
「ええ、適当に楽しませてあげましょう」
サーディスも冷静に剣を構え、静かに間合いを詰める。
村人たちは息を呑み、見守っていた。
――本気の戦いではない。
だが、見世物である以上、"本気のように見える"戦いを演じる必要がある。
すぐに終わってしまっては、観客も面白くない。
どちらが勝つか――それよりも、どれほどの"技"が見られるか。
それが、この試合の醍醐味だった。
「さぁ、どこまで避けられるかな?」
ゲオルグが動いた。
槍を軽く振るうと、そのまま一気に踏み込む。
次の瞬間――。
"神速の三連突き"
ヒュン――! ヒュン――! ヒュン――!
"雷光"のような突きが、刹那の間に三度、サーディスを襲う。
最初の一撃――
サーディスは最小限の動きで身をずらして回避。
二撃目――
剣の腹で軌道を逸らす。
三撃目――
刃の角度を変え、防御に徹する。
鋭い連撃を、すべて"見切った"。
「――おぉ!!」
周囲の村人たちが、どよめく。
槍の間合いは剣よりも長く、リーチの差を活かした連続攻撃は圧倒的な速度を誇る。
それを剣一本でいなしたサーディスの技量に、誰もが驚嘆した。
ゲオルグは満足そうに口元を歪める。
サーディスの実力は"本物"だった。
片腕でここまで戦えるとは、彼もまた常識を超えた存在なのだと、改めて実感する。
「お返しだ」
サーディスが踏み込む。
低い姿勢から一気に跳ね上がるようにして、鋭い一閃を繰り出す。
その刃は、狙いすましたようにゲオルグの胴へと迫る。
だが――。
"ギィンッ!!"
金属音とともに、その攻撃は弾かれた。
ゲオルグは、槍の柄をわずかに傾けてサーディスの斬撃を"完璧にさばいた"のだ。
サーディスの剣は、"槍の間合い"の内側に入っていた。
つまり、槍を持つゲオルグには不利なはず。
それにも関わらず、彼は"たった片腕"で斬撃を受け流したのだった。
(利き腕を失っても、この技量とは……!)
サーディスは内心驚きを隠せない。両手がある人間でも、彼ほどの技量を持つ物は少ないだろう。
「……槍で受けるのですね」
「そりゃあな。剣士相手に同じ土俵で戦う気はないさ」
ゲオルグは肩をすくめながら、槍を軽く回す。
互いに一歩も譲らない攻防。
観客たちは、さらに熱狂する。
(この男、やはり"並の槍使い"じゃない……)
サーディスも内心で舌を巻いた。
彼女の剣が"届かない"のではない。
ゲオルグが"片腕でも対応しきれるだけの戦闘技術"を持っているのだ。
"遊び"のはずの模擬戦だった。
だが、技と技がぶつかるたびに、戦場のような緊迫感が漂い始める。
「おいおい、あんまり本気になるなよ?」
ゲオルグが笑いながら言う。
サーディスも、わずかに口元を緩める。
「……ええ。私たち、見世物ですものね」
二人は、"戦士"としての尊敬を込め、もう一度構えを取る。
"ギィンッ!!"
鋭い金属音が響き、サーディスの剣が大きく弾かれた。
ゲオルグの槍の一撃。
それは力任せの攻撃ではなく、"的確に剣を弾く"技術が込められていた。
「――っ!」
サーディスの右手が大きく振り上げられる。
剣は後ろへと流れ、隙が生まれた。
そこを見逃すゲオルグではない。
「もらった!」
彼はすかさず、槍を突き出し、勝負を決めにかかる。
だが――。
その瞬間、サーディスの動きが変わった。
振りかぶってしまった右手の剣。
それを背後で"左手"へと持ち替える。
――"シュバッ!!"
右手での攻撃に集中していたゲオルグは、一瞬だけ目を見開いた。
「――曲芸師かよ!!」
彼の槍が迫る刹那、サーディスの左手が剣を持ち替え、そのまま刃を掲げる。
"カンッ!!"
槍の穂先を受け止めた。
間一髪――。
観客から驚愕のどよめきが広がる。
「お楽しみいただけましたか?」
サーディスは冷静に微笑む。
ゲオルグは一瞬舌打ちし、槍を引き戻す。
(……やるな)
ふざけたように戦っているようで、すべての動きに"計算"がある。
槍の間合いを測り、攻撃のリズムを見極め、"最適な反撃のタイミング"を探っていた。
"本気"になりかけている自分に、ゲオルグは内心で笑う。
だが――今は"見世物"だ。
観客の期待を裏切るわけにはいかない。
ゲオルグは槍を回し、再び構え直す。
サーディスも、左手に持ち替えた剣をゆっくりと握り直す。
広場の空気が一気に張り詰める。
誰もが息を詰め、"決着の瞬間"を待っていた。
「――ッ!」
ゲオルグが一気に踏み込む。
槍の穂先が、閃光のようにサーディスへと向かう。
"神速の突き"。
だが――
"ヒュッ!"
サーディスは、刹那の間に"回転"してそれを避ける。
槍の先端が、彼女の髪をかすめるほどの距離を通り過ぎる。
そのままサーディスは、流れるような動きで回転を終え、"ゲオルグの首筋へと剣を突きつけた"。
「――!!」
ゲオルグの動きが止まる。
完全に、"敗北"を悟った。
静寂。
次の瞬間――
「勝負あり!!」
審判役の村の長老が高らかに宣言すると、広場中が歓声と拍手に包まれた。
「すげえええ!!」
「見たか!? あの回避!!」
「ゲオルグ団長の槍を止めたぞ!!」
村人たちは興奮し、口々にサーディスの勝利を称えた。
ゲオルグは深く息を吐き、槍を下ろしながら苦笑する。
「……まいった。完全に一本取られたぜ」
サーディスもまた、剣を収め、微笑む。
「ありがとうございます。貴方のおかげで、素晴らしい試合ができました」
それは決して"皮肉"ではなかった。
ゲオルグの実力は、間違いなく本物だった。
槍を自在に操る戦技も、その冷静な判断力も、すべてが"戦場で鍛え上げられたもの"。
(両腕があったの頃なら、まちがいなく私よりも技量は上)
それこそクレストに所属していてもおかしくないだろうと思う。
「いいねぇ、こういうのは。やっぱり腕の立つ相手とやるのは楽しいぜ」
ゲオルグは豪快に笑い、サーディスの肩を叩く。
その瞬間――。
観客の間から、一斉に"サーディス"の名を呼ぶ声が上がった。
「サーディス!!」
「かっこよかったぞ!!」
「さすが騎士様だ!!」
熱狂の渦に包まれる。
村の子供たちまで飛び跳ね、喜びの声を上げる。
サーディスは、少しだけ困ったように微笑む。
"これが見世物の戦い"か――そう思いながら、ふと視線を横にやる。
そこには、少し離れたところで静かに拍手を送る王子の姿があった。
(……シス様)
王子は多くを語らない。
だが、その眼差しには、確かな"誇り"が宿っていた。
"私の騎士は、こんなにも強い"
そう言わんばかりの眼差しに、サーディスはわずかに胸の奥が熱くなるのを感じた。
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