【朗報?】処刑回避のために逃げ回っていたら最強王子の「エロすぎる本音」に捕まりました。~心の声が全部ダダ漏れで困ってます~

たら昆布

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27話

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「……いいですか。二人とも、そこに正座してください」

僕は、執務室のソファに、ディルク殿下とユストスを並べて座らせた。
かつては最強の王子と騎士として恐れられていた二人が、今はしおれた大型犬のように項垂れている。
隣では、ベアトリスが「ああ、これこそが真の『王(受け)』の風格……!」と、鼻血を出しながらメモを取っている。

「まず殿下。監禁は二度と禁止です。僕がどこへ行くにもついてくるのも、お風呂の覗きも禁止です!」

「……覗きではない。守護だ。レアンが転んで怪我をしないか、心配で……」

『……嘘だ。本当はレアンが湯船で火照った顔をしているところを、隅々まで眺めていたいだけだ。あわよくばそのまま混ざって、泡だらけのレアンを……』

「本音が漏れてます! 却下です!!」

僕は殿下の額にピシャリと人差し指を突き立てた。
次に、期待に満ちた目で僕を見つめているユストスに向き直る。

「ユストス様。闇堕ち禁止、略奪の計画も即刻破棄してください。僕が殿下と喧嘩した時に、こっそり地下牢の鍵を見せるのもやめてください!」

「……レアン様。私はただ、あなたが悲しまないように、逃げ場を用意しておいただけです」

『……ああ、叱られているレアン様も素敵だ。その厳しい眼差しで、もっと私を蔑んでいただきたい。その後で、慈悲として私の手に触れていただければ、私は一生あなたの奴隷でいられる……』

「あなたも重い!! どいつもこいつも、どうして極端なんですか!!」

僕は深いため息をついた。
記憶が戻り、自分の魔力をコントロールできるようになったことで、僕は彼らの「本音」をある程度、力ずくで抑え込むことができるようになっていた。
僕が放つ浄化の魔力は、彼らの「どろどろとした独占欲」を一時的に冷却する効果があるのだ。

「これからは、僕がこの国のバランスを取ります。殿下、公務に励んでください。ユストス様、城の警備を真面目にやってください。……二人がちゃんと働かないなら、僕は一人で隣国に亡命しますよ?」

「「それだけは、絶対に阻止する!!」」

二人の声が重なった。その本音は相変わらず真っ黒だったが、僕への「失いたくない」という恐怖が、ようやく彼らを「普通の溺愛」の範囲に押し留めていた。

「ベアトリス。君も、変な薄い本を出すのを控えなさい。城の予算で印刷所を作ったのは知ってるんだから」

「……ギクッ。……さ、流石レアン様。すべてお見通しで……。でも、国民の支持率は1200%ですよ?」

僕は頭を抱えた。
悪役として処刑される運命を回避した結果、僕は「狂信的な愛」に囲まれた、この国で最も忙しい「猛獣使い」になってしまったようだ。
けれど、鏡に映る自分の顔が、どこか満足げに笑っていることに、僕は気づかないふりをした。
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