砂漠の夜に刻む誓い 〜考古学者は若き族長に愛でられる〜

たら昆布

文字の大きさ
11 / 23

11話

しおりを挟む
 カチリ、と金属の重なる音が静寂の洞窟に響いた。
 
 遥希のベルトが外され、涼しい空気が肌を撫でたのも束の間。それ以上に熱いザイドの掌が、容赦なく遥希の柔らかな肌を割って入り込む。
 
 「あ、……待って、ザイド様、これ以上は……っ」
 
 「待てないと言ったはずだ。お前のその声も、熱を帯びた身体も、すべてが俺を煽っている」
 
 ザイドは遥希の耳たぶを深く食み、低く唸るように言った。
 
 太ももの内側、最も敏感な場所をザイドの指が這い上がるたび、遥希の背中が弓なりに跳ねる。
 
 「ひ、あ……っ! ん、うぅ……」
 
 ザイドの指先が、遥希が必死に隠そうとしていた自身の「昂り」に直接触れた。
 
 己の情動を突きつけられ、遥希は羞恥に顔を赤く染め、腕で目元を覆う。
 
 だが、ザイドはその腕を強引に退け、潤んだ遥希の瞳を無理やり覗き込んだ。
 
 「目を逸らすな。お前が誰の手で乱され、誰を求めているのか、その目に焼き付けろ」
 
 「……ちが、う……。これは、身体が、勝手に……」
 
 「身体は心よりも正直だな。……遥希、お前はやはり『光を運ぶ者』だ。俺の乾いた魂に、これほどまでの熱を注ぐのはお前しかいない」
 
 ザイドはそう言うと、遥希のシャツを肩まで押し下げ、剥き出しの肩口に自身の歯を立てた。
 
 「あぁっ! ……痛、い……っ」
 
 「痛みが、俺の愛の深さだと思え。お前がこの傷を見るたびに、俺のことを思い出せるようにな」
 
 痛覚がいつの間にか痺れるような快感へと変質していく。
 
 ザイドの愛撫は、熟練の狩人が獲物を仕留めるように正確で、かつ執拗だった。
 
 遥希の頭の中は真っ白になり、ただザイドの背中に爪を立て、縋ることしかできない。
 
 「……はぁ、はぁ……っ、……ザイド、……ザイド……!」
 
 名前を呼ばれた瞬間、ザイドの瞳に一段と暗い火が灯った。
 
 彼は遥希の腰を抱き寄せ、より深く、密着させる。
 
 「……そうだ。その声で、何度でも俺の名を呼べ。お前の身体の最奥に、俺の名前を刻んでやる」
 
 洞窟の床に敷かれた薄いマントの上で、二人の影は激しく絡み合う。
 
 外の砂嵐はさらに激しさを増していたが、今の遥希にとって、ザイドの腕の中にあるこの灼熱の世界こそが、逃れられない真実だった。
 
 「あ……、あぁぁっ……!」
 
 絶頂の瞬間、遥希が見たのは、自分を見下ろすザイドの、どこまでも深く、狂おしいほどの愛を湛えた金色の瞳だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あなたが好きでした

オゾン層
BL
 私はあなたが好きでした。  ずっとずっと前から、あなたのことをお慕いしておりました。  これからもずっと、このままだと、その時の私は信じて止まなかったのです。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

僕は今日、謳う

ゆい
BL
紅葉と海を観に行きたいと、僕は彼に我儘を言った。 彼はこのクリスマスに彼女と結婚する。 彼との最後の思い出が欲しかったから。 彼は少し困り顔をしながらも、付き合ってくれた。 本当にありがとう。親友として、男として、一人の人間として、本当に愛しているよ。 終始セリフばかりです。 話中の曲は、globe 『Wanderin' Destiny』です。 名前が出てこない短編part4です。 誤字脱字がないか確認はしておりますが、ありましたら報告をいただけたら嬉しいです。 途中手直しついでに加筆もするかもです。 感想もお待ちしています。 片付けしていたら、昔懐かしの3.5㌅FDが出てきまして。内容を確認したら、若かりし頃の黒歴史が! あらすじ自体は悪くはないと思ったので、大幅に修正して投稿しました。 私の黒歴史供養のために、お付き合いくださいませ。

もう一度、その腕に

結衣可
BL
もう一度、その腕に

君と秘密の部屋

325号室の住人
BL
☆全3話 完結致しました。 「いつから知っていたの?」 今、廊下の突き当りにある第3書庫準備室で僕を壁ドンしてる1歳年上の先輩は、乙女ゲームの攻略対象者の1人だ。 対して僕はただのモブ。 この世界があのゲームの舞台であると知ってしまった僕は、この第3書庫準備室の片隅でこっそりと2次創作のBLを書いていた。 それが、この目の前の人に、主人公のモデルが彼であるとバレてしまったのだ。 筆頭攻略対象者第2王子✕モブヲタ腐男子

あの頃の僕らは、

のあ
BL
親友から逃げるように上京した健人は、幼馴染と親友が結婚したことを知り、大学時代の歪な関係に向き合う決意をするー。

成長を見守っていた王子様が結婚するので大人になったなとしみじみしていたら結婚相手が自分だった

みたこ
BL
年の離れた友人として接していた王子様となぜか結婚することになったおじさんの話です。

狂わせたのは君なのに

一寸光陰
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。 完結保証 番外編あり

処理中です...