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22 告白

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「リア。今日、ジェイソンと子息が来る。」
「師匠ですか。最近会えていなかったので、成長した姿を見せられますね。」
「と息子のジェイクだ。」
「はい。二人揃っては初めてですね。」
「…そうだな。」
「???」

なんか歯切れが悪い?
何が言いたいのだろうか?

不思議に思っていると、お父様とお兄様が小声で話し始めた。

「チス。大丈夫だろうか…。」
「ジェイクさんに、頑張って貰うしかないです。」
「そうだな。ライアン殿下より、断然ジェイクの方が良いからな。」
「そうですよ。結婚しなくても良いですが、しなければならないなら、幸せになる方へ。」

……何を話しているのかしら?

「お父様、お兄様?なんの話ですか?」
「いや、うん。……男同士の話だ。」
「うんうん。」

そんな光景を見て、お母様がため息をついていた。

「リア。来客は昼過ぎのようだから、気にしないで来客の準備をしておいてね。」
「気にはなりますが…。分かりました。」

いつも師匠が来るときは、急に来るのに…。
何かあるはず。

   ◇

その日の昼過ぎに2人はやってきた。

「プルメリア嬢、久しぶりだな。」
「はい。お久しぶりです。」
「ジェイクは知っているな?今日はウェルと仕事の話があるから、訓練はジェイクとしてくれ。」
「分かりました。ジェイク様、よろしくお願いします。」
「…」

???あれ?返事が無い?

「おい!ジェイク!」
「あぁ、よろしく頼む。」
「では、こちらへ。」

……随分、無口なのね。

外に出ると、早速訓練を始める。

そういえば、来客用のドレスだったけれど……。後で皆に謝りましょう!

「いきます!」
「あぁ。」

何度か蹴りや拳のやり取りをした後、ジェイク様が話しかけてきた。

「オパール嬢、少し良いか?」
「??何かおかしいところがありましたか?」
「いや、綺麗だった。」
「ありがとうございます。最近は、動きも前よりスムーズにできるのですよ。」
「……そうか。頑張っているのだな。」
「ええ。楽しいですし、上手くなると嬉しいです。」
「そうか。」
「はい。それに師匠に褒められるのも、嬉しいですしね。」
「…」
「…」

…話、終わっちゃった?

「はぁ…、すまん。……色々考えるのは柄じゃないんだ。単刀直入に言う。」
「???はい、何でしょう。」
「好きだ。俺をオパール嬢の婚約者候補にしてくれないか?」
「……えぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

私の叫び声が、敷地中に響いた。








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