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88 王城
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「プルメリア様、ジェイク様からお手紙が届いています。」
「ありがとう、メラン。」
メランは侍女の仕事もできるように、見習いという形で教育を受けている。既に知識は学んでいるので、確認する意味が強い様だ。動きに問題はないという。
そんなメランの首元には、ホースシューが揺れている。チェーンを買った日から、付けてくれていた。
他の皆の物も完成した。
取り外せるバレッタ付きのシニョンは、ライラの他に、ジューン、カルア、メイにも子供の時から今までのお礼として渡した。ライラがホースシューをつけている場所には、それぞれシルバーモチーフが縫われている。
ネーロは革紐で編まれているネックレスに仕上がり、ノアのピアスも数日で完成し届けてもらった。
私は、手紙に目を通し手土産の手配をする。
「リカルド殿下へ顔見せに行きます。ロック料理長に言って焼き菓子を用意してもらって。」
「畏まりました。」
数日後、私はリカルド殿下へ会いに王城へ行った。
行く時は、いつも通りジェイクが迎えに来てくれた。男性側が女性側を迎えに行くのが当たり前。待ち合わせのほうが楽だろうに、この世界はそうもいかないらしい。
私達は馬車を降り、リカルド殿下がいる部屋へ向かう。
「今日は、アメシスト嬢と婚約者殿も来るそうだ。」
「そうなんですか?クレマに会えるのが、楽しみです。」
その途中、宰相に呼び止められた。
「オパール嬢。陛下が話があるそうだ。一緒に来てくれないか。」
私とジェイクは顔を見合わせる。
「時間は掛からないと思う。ジェイク殿も一緒で構わない。」
陛下の呼び出しは断れない。
「「畏まりました。」」
連れられていったのは、執務室だった。
そこには陛下だけでなく、お父様と師匠もいた。
「リア?」
「ジェイク?」
お父様と、師匠は不思議そうな顔をしている。
「陛下、どういう事ですか?」
「お前達が、オパール嬢への礼を拒否していたから、王城に来たついでに寄ってもらったのだ。」
どういう事?
「陛下、目立つような事は、」
「だから宰相に、ここへ呼んできてもらったのだ。」
「公に慰労するよりは良いですが…」
「お父様?」
「陛下が、囮作戦の礼に褒賞を与えたいと仰ったのを、私達が止めていたのだよ。」
あー、そういう事…。
褒賞を貰ったら、私が攫われたことが公の事実となる。作戦とはいえ、一晩連れ去られていたのだ。不名誉な噂も立つだろう。
お父様達は、私を守ってくれていた。
「お父様、ありがとうございます。」
私はお父様に抱きついた。
「良いんだよ。家族を守るのは当たり前なんだから。」
お父様は、ポンポンと背中を優しく叩く。
私は顔をあげて師匠にもお礼を言う。
「師匠もありがとうございます。」
「もうすぐ、嫁に来るんだ。師匠はやめないか?俺もプルメリアと呼ぶから。」
「はい。ジェイソンお父様。」
ジェイソンお父様が笑う。
わぁ!ジェイクの笑い顔にそっくり。
私が見つめていると、陛下に声をかけられる。
「そろそろ話し始めてもいいか?」
「陛下。失礼いたしました。」
私は頭を深く下げた。
「顔を上げてくれ。ウェルク達に止められたので、褒賞という形は取らないことにするが、何か欲しい物や、願いはないか?」
「欲しい物や願いですか?」
「そうだ。ライアンの時も迷惑をかけたし、遠慮せず言いなさい。」
あー、そんな事もあったな。
でも…
「ございません。お気持ちだけで十分でございます。」
「何かあるだろう?金でもいいぞ?」
「いえ。今のままで満足しておりますので。」
「陛下、諦めてください。リアは、こう言ったら絶対受け取りませんよ。」
お父様の言葉に、陛下は頷く。
「分かった。それでは、ウェルクとジェイソンの臨時報酬に上乗せしておく。オパール嬢の為に使ってやってくれ。」
「「それなら、ありがたく。」」
お父様達は声を揃えて、すぐに返答した。
「お父様…。」
「リアに害がないなら、貰えるものは貰っておくよ。例のものを、それで支払っても良いしね。」
お父様がこちらに向かって、ウインクをする。
例のものとは、きっとジェイクへのサプライズの事を言っているのだろう。
もう!
ジェイクの前で、そんなに含みを込めたら…。
「例のもの?」
ほら!
ジェイクが不思議そうに聞いてきた。
「我が家の秘密だよ。そのうち分かる。」
私の代わりにお父様が答えた。
「そうですか。」
とりあえず、話はそれで終わり、私達は部屋を出てリカルド殿下の所へ行った。
「ありがとう、メラン。」
メランは侍女の仕事もできるように、見習いという形で教育を受けている。既に知識は学んでいるので、確認する意味が強い様だ。動きに問題はないという。
そんなメランの首元には、ホースシューが揺れている。チェーンを買った日から、付けてくれていた。
他の皆の物も完成した。
取り外せるバレッタ付きのシニョンは、ライラの他に、ジューン、カルア、メイにも子供の時から今までのお礼として渡した。ライラがホースシューをつけている場所には、それぞれシルバーモチーフが縫われている。
ネーロは革紐で編まれているネックレスに仕上がり、ノアのピアスも数日で完成し届けてもらった。
私は、手紙に目を通し手土産の手配をする。
「リカルド殿下へ顔見せに行きます。ロック料理長に言って焼き菓子を用意してもらって。」
「畏まりました。」
数日後、私はリカルド殿下へ会いに王城へ行った。
行く時は、いつも通りジェイクが迎えに来てくれた。男性側が女性側を迎えに行くのが当たり前。待ち合わせのほうが楽だろうに、この世界はそうもいかないらしい。
私達は馬車を降り、リカルド殿下がいる部屋へ向かう。
「今日は、アメシスト嬢と婚約者殿も来るそうだ。」
「そうなんですか?クレマに会えるのが、楽しみです。」
その途中、宰相に呼び止められた。
「オパール嬢。陛下が話があるそうだ。一緒に来てくれないか。」
私とジェイクは顔を見合わせる。
「時間は掛からないと思う。ジェイク殿も一緒で構わない。」
陛下の呼び出しは断れない。
「「畏まりました。」」
連れられていったのは、執務室だった。
そこには陛下だけでなく、お父様と師匠もいた。
「リア?」
「ジェイク?」
お父様と、師匠は不思議そうな顔をしている。
「陛下、どういう事ですか?」
「お前達が、オパール嬢への礼を拒否していたから、王城に来たついでに寄ってもらったのだ。」
どういう事?
「陛下、目立つような事は、」
「だから宰相に、ここへ呼んできてもらったのだ。」
「公に慰労するよりは良いですが…」
「お父様?」
「陛下が、囮作戦の礼に褒賞を与えたいと仰ったのを、私達が止めていたのだよ。」
あー、そういう事…。
褒賞を貰ったら、私が攫われたことが公の事実となる。作戦とはいえ、一晩連れ去られていたのだ。不名誉な噂も立つだろう。
お父様達は、私を守ってくれていた。
「お父様、ありがとうございます。」
私はお父様に抱きついた。
「良いんだよ。家族を守るのは当たり前なんだから。」
お父様は、ポンポンと背中を優しく叩く。
私は顔をあげて師匠にもお礼を言う。
「師匠もありがとうございます。」
「もうすぐ、嫁に来るんだ。師匠はやめないか?俺もプルメリアと呼ぶから。」
「はい。ジェイソンお父様。」
ジェイソンお父様が笑う。
わぁ!ジェイクの笑い顔にそっくり。
私が見つめていると、陛下に声をかけられる。
「そろそろ話し始めてもいいか?」
「陛下。失礼いたしました。」
私は頭を深く下げた。
「顔を上げてくれ。ウェルク達に止められたので、褒賞という形は取らないことにするが、何か欲しい物や、願いはないか?」
「欲しい物や願いですか?」
「そうだ。ライアンの時も迷惑をかけたし、遠慮せず言いなさい。」
あー、そんな事もあったな。
でも…
「ございません。お気持ちだけで十分でございます。」
「何かあるだろう?金でもいいぞ?」
「いえ。今のままで満足しておりますので。」
「陛下、諦めてください。リアは、こう言ったら絶対受け取りませんよ。」
お父様の言葉に、陛下は頷く。
「分かった。それでは、ウェルクとジェイソンの臨時報酬に上乗せしておく。オパール嬢の為に使ってやってくれ。」
「「それなら、ありがたく。」」
お父様達は声を揃えて、すぐに返答した。
「お父様…。」
「リアに害がないなら、貰えるものは貰っておくよ。例のものを、それで支払っても良いしね。」
お父様がこちらに向かって、ウインクをする。
例のものとは、きっとジェイクへのサプライズの事を言っているのだろう。
もう!
ジェイクの前で、そんなに含みを込めたら…。
「例のもの?」
ほら!
ジェイクが不思議そうに聞いてきた。
「我が家の秘密だよ。そのうち分かる。」
私の代わりにお父様が答えた。
「そうですか。」
とりあえず、話はそれで終わり、私達は部屋を出てリカルド殿下の所へ行った。
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