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16 最終話
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コンコンコン
「失礼いたします。」
談話室に行くとジェイクとプルメリアがいた。
ジェイクは、ノアとプリムローズを見て、
一息ついた後、口を開いた。
「ふたり揃っているという事は、まぁ、そういう事なのだろうな。」
ノアは、プリムローズを見た後にジェイクへ向き直り答えた。
「思いを伝え、受け入れていただきました。」
「…そうか。それなら準備をしなくてはならないな。」
「そうね。まずは、ノアの今後ね。」
「え?」
「ローズ。何を驚いているの?」
「だって…」
プリムローズはノアを見るが、表情を変えていない。こう言われる事は、想定の範囲内だったのだろう。
「もしかして、今のままだと思っていた?」
「はい。」
「それは、難しいな。」
「何で?」
「ローズがノアと結婚したら、使用人の扱いとなる。」
「ええ。それは分かっているわ。」
「元主人と一緒に働く事に慣れない者もいる。」
「でも…」
「言ったはずだ。覚悟が必要だと。」
もっと簡単に考えていた。ノアは良いの?
プリムローズはノアに視線を向けた。
ノアはニコリと笑う。
「プリムローズ様、大丈夫です。ジェイク様達が悪い様にする筈がありませんから。」
「あら、ノアのそんな顔は初めて見るわね。私達を信頼してくれている事と、何よりもちゃんとローズを思っていてくれる事が分かって、私は嬉しいわ。」
「プルメリア様。」
「ノア。貴方は影の仕事を続ける?それとも、違う道も考える?」
「私は、長生きしなくてはなりません。プリムローズ様と共に過ごす時間を大切にしたい。」
「それは、影は続けないという事でいいのね。」
「はい。私に、他にできる事があれば、どんな事でもしたいと思います。」
「どんな事でもか…。うーん……それなら、」
ジェイクは思いついた事を話した。それを聞き、ノアは驚いたが了承した。
1年後…
田舎の孤児院にノアとプリムローズの姿があった。
「ノア先生。稽古をお願いします!」
「ああ。」
「ローズ先生。みてみて!文字の練習が終わったわ。」
「本当に良く出来ているわ。頑張ったわね!」
実は、国の上層部で前々から孤児たちへの教育の話が出ていた。
院を出た時に困らないように、生きていく術を学ぶ。
今、ふたりは孤児院の近くに住み、通いで勉強や剣、体術を教えている。
その生活は貴族の様な華やかな生活ではないが、穏やかで幸せに満ちていた。
「ローズ先生。無理をなさらないでくださいね。」
「あら、院長。心配なさらないで。動いた方が安産になるのよ。」
プリムローズは、少し膨らんだお腹を撫でながら、にっこり笑った。
「そうなのですか?」
「ええ。女神の教えよ!」
「女神…ですか?」
「ふふふっ。」
プリムローズは、王都がある方角を見た。
私は、とても幸せです!
END
「失礼いたします。」
談話室に行くとジェイクとプルメリアがいた。
ジェイクは、ノアとプリムローズを見て、
一息ついた後、口を開いた。
「ふたり揃っているという事は、まぁ、そういう事なのだろうな。」
ノアは、プリムローズを見た後にジェイクへ向き直り答えた。
「思いを伝え、受け入れていただきました。」
「…そうか。それなら準備をしなくてはならないな。」
「そうね。まずは、ノアの今後ね。」
「え?」
「ローズ。何を驚いているの?」
「だって…」
プリムローズはノアを見るが、表情を変えていない。こう言われる事は、想定の範囲内だったのだろう。
「もしかして、今のままだと思っていた?」
「はい。」
「それは、難しいな。」
「何で?」
「ローズがノアと結婚したら、使用人の扱いとなる。」
「ええ。それは分かっているわ。」
「元主人と一緒に働く事に慣れない者もいる。」
「でも…」
「言ったはずだ。覚悟が必要だと。」
もっと簡単に考えていた。ノアは良いの?
プリムローズはノアに視線を向けた。
ノアはニコリと笑う。
「プリムローズ様、大丈夫です。ジェイク様達が悪い様にする筈がありませんから。」
「あら、ノアのそんな顔は初めて見るわね。私達を信頼してくれている事と、何よりもちゃんとローズを思っていてくれる事が分かって、私は嬉しいわ。」
「プルメリア様。」
「ノア。貴方は影の仕事を続ける?それとも、違う道も考える?」
「私は、長生きしなくてはなりません。プリムローズ様と共に過ごす時間を大切にしたい。」
「それは、影は続けないという事でいいのね。」
「はい。私に、他にできる事があれば、どんな事でもしたいと思います。」
「どんな事でもか…。うーん……それなら、」
ジェイクは思いついた事を話した。それを聞き、ノアは驚いたが了承した。
1年後…
田舎の孤児院にノアとプリムローズの姿があった。
「ノア先生。稽古をお願いします!」
「ああ。」
「ローズ先生。みてみて!文字の練習が終わったわ。」
「本当に良く出来ているわ。頑張ったわね!」
実は、国の上層部で前々から孤児たちへの教育の話が出ていた。
院を出た時に困らないように、生きていく術を学ぶ。
今、ふたりは孤児院の近くに住み、通いで勉強や剣、体術を教えている。
その生活は貴族の様な華やかな生活ではないが、穏やかで幸せに満ちていた。
「ローズ先生。無理をなさらないでくださいね。」
「あら、院長。心配なさらないで。動いた方が安産になるのよ。」
プリムローズは、少し膨らんだお腹を撫でながら、にっこり笑った。
「そうなのですか?」
「ええ。女神の教えよ!」
「女神…ですか?」
「ふふふっ。」
プリムローズは、王都がある方角を見た。
私は、とても幸せです!
END
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