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5 ピッピとの再会
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「リーナ!大丈夫か!?」
お父様とリオン兄様がこちらへ走ってくる。
「状況は?」
お父様が真剣な顔でリック兄様へ聞く。
「魔法について知りたがっていたので、俺の練習風景を見せました。そしたら、リーナがその真似をした時に髪がなびいて。止める様に言ったら、すぐに止めました。暴走した感じはありませんでした。」
「そうか。…リーナ、身体に異変は?」
「ないです。」
「それなら良かった。あのな、魔力操作は体調を崩す者もいる大変なものなんだ。だから、少しづつ練習をするんだよ。3歳で、しかも1回目で出来てしまうと言うのは、聞いたことがない。」
え?
私、出来てたの?
何かマズい状況?
「天才だ!魔法の才能がある!だからこそ、身体を壊さないよう少しづつ覚えよう。私が見ている時以外は練習をしてはいけないよ。」
「え?お父様が見ている時は良いのですか?」
「ああ。」
「駄目と言われると思っていました。」
「魔力爆発を起こしてもいけないからなあ。」
「魔力爆発?」
「1度、魔力が身体を回ったのだ。すでに魔力の道ができてしまった。放っておいたら詰まって爆発、暴走する事があるんだ。」
「そうなんですね。」
怖っ!
「リック、リオン。リーナを大切に思うなら、この事は他の者に話すな。」
「「?」」
「変な事に巻き込まれかねない。」
パトリックとダリオンは顔を見合わせた後に、同時に頷いた。
その直後、ジャックが勢いよく顔を上げ、空を見た。
「なにか来るな。」
「「「?」」」
パトリック、ダリオン、サリーナの3人もジャックの視線の先を見た。
「「「鳥?」」」
視線の先には、鳥が飛んでいる。
あれって、鷹?鷲だっけ?
「いや、魔力の気配がする。」
「そんな事も分かるんですか?」
「私はな。どうだ?すごいか?」
ジャックは鳥から視線を離さずにいるが、声から自慢げなのが伝わる。
「この状況で言うことか?」
「父上のこういう所だよね…。」
パトリックとダリオンは小声で話す。
「来た。」
鳥は鷹だった。4人の頭上を旋回している。
「私から離れるなよ。」
「「「はい。」」」
“いた!”
ん?
サリーナは声が聞こえた気がして、周りを見た。
「どうした?」
それに気づいたパトリックが声をかける。
「いえ、声が聞こえた気がして…。」
サリーナがパトリックに答えていると、鷹がこちらへ降りてくる。
ジャックは、そっと3人の子供と鷹の間に立つ。サリーナは、鷹をジャックの背中越しにみた。
鷹は、こちらをじっと見てステップを踏み始めた。
「「「「え?」」」」
踊ってる…。
このダンスって…
“わか”
「ピッピ?」
どこからか聞こえた声と、サリーナの声が重なる。
鷹は嬉しそうに羽をバタつかせた。
「やっぱりピッピなんだ!」
サリーナは、鷹に駆け寄ろうとしたが、ジャックに止められる。
「リーナ、待ちなさい。…知っている鷹なのかい?」
「知っている子は鷹ではなかったけれど、本人…いや、本鳥?だと思います。」
「しかし、まだ安全とは言えん。」
「安全に決まっている!」
私達4人とは別の声が聞こえた。今度は私だけに聞こえたのではなかったようだ。お父様も兄様たちもキョロキョロしている。
サリーナは、声の主に気がついた。ジャックの横をすり抜け、鷹に腕を伸ばした。
「ピッピ!どうして?なんで?どうなっているの?」
「わか。随分可愛い姿になったね。きちんと説明するから落ち着いて。」
「今の私はサリーナよ。リーナと呼んで。」
「分かったよ、リーナ。」
「リーナ。どういう事か説明してくれるか?」
「あ…」
お父様に後ろから声をかけられた。
忘れてた。
どうやって説明しよう…。
お父様とリオン兄様がこちらへ走ってくる。
「状況は?」
お父様が真剣な顔でリック兄様へ聞く。
「魔法について知りたがっていたので、俺の練習風景を見せました。そしたら、リーナがその真似をした時に髪がなびいて。止める様に言ったら、すぐに止めました。暴走した感じはありませんでした。」
「そうか。…リーナ、身体に異変は?」
「ないです。」
「それなら良かった。あのな、魔力操作は体調を崩す者もいる大変なものなんだ。だから、少しづつ練習をするんだよ。3歳で、しかも1回目で出来てしまうと言うのは、聞いたことがない。」
え?
私、出来てたの?
何かマズい状況?
「天才だ!魔法の才能がある!だからこそ、身体を壊さないよう少しづつ覚えよう。私が見ている時以外は練習をしてはいけないよ。」
「え?お父様が見ている時は良いのですか?」
「ああ。」
「駄目と言われると思っていました。」
「魔力爆発を起こしてもいけないからなあ。」
「魔力爆発?」
「1度、魔力が身体を回ったのだ。すでに魔力の道ができてしまった。放っておいたら詰まって爆発、暴走する事があるんだ。」
「そうなんですね。」
怖っ!
「リック、リオン。リーナを大切に思うなら、この事は他の者に話すな。」
「「?」」
「変な事に巻き込まれかねない。」
パトリックとダリオンは顔を見合わせた後に、同時に頷いた。
その直後、ジャックが勢いよく顔を上げ、空を見た。
「なにか来るな。」
「「「?」」」
パトリック、ダリオン、サリーナの3人もジャックの視線の先を見た。
「「「鳥?」」」
視線の先には、鳥が飛んでいる。
あれって、鷹?鷲だっけ?
「いや、魔力の気配がする。」
「そんな事も分かるんですか?」
「私はな。どうだ?すごいか?」
ジャックは鳥から視線を離さずにいるが、声から自慢げなのが伝わる。
「この状況で言うことか?」
「父上のこういう所だよね…。」
パトリックとダリオンは小声で話す。
「来た。」
鳥は鷹だった。4人の頭上を旋回している。
「私から離れるなよ。」
「「「はい。」」」
“いた!”
ん?
サリーナは声が聞こえた気がして、周りを見た。
「どうした?」
それに気づいたパトリックが声をかける。
「いえ、声が聞こえた気がして…。」
サリーナがパトリックに答えていると、鷹がこちらへ降りてくる。
ジャックは、そっと3人の子供と鷹の間に立つ。サリーナは、鷹をジャックの背中越しにみた。
鷹は、こちらをじっと見てステップを踏み始めた。
「「「「え?」」」」
踊ってる…。
このダンスって…
“わか”
「ピッピ?」
どこからか聞こえた声と、サリーナの声が重なる。
鷹は嬉しそうに羽をバタつかせた。
「やっぱりピッピなんだ!」
サリーナは、鷹に駆け寄ろうとしたが、ジャックに止められる。
「リーナ、待ちなさい。…知っている鷹なのかい?」
「知っている子は鷹ではなかったけれど、本人…いや、本鳥?だと思います。」
「しかし、まだ安全とは言えん。」
「安全に決まっている!」
私達4人とは別の声が聞こえた。今度は私だけに聞こえたのではなかったようだ。お父様も兄様たちもキョロキョロしている。
サリーナは、声の主に気がついた。ジャックの横をすり抜け、鷹に腕を伸ばした。
「ピッピ!どうして?なんで?どうなっているの?」
「わか。随分可愛い姿になったね。きちんと説明するから落ち着いて。」
「今の私はサリーナよ。リーナと呼んで。」
「分かったよ、リーナ。」
「リーナ。どういう事か説明してくれるか?」
「あ…」
お父様に後ろから声をかけられた。
忘れてた。
どうやって説明しよう…。
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