ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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私達は、場所をお父様の執務室に移した。
そこにいるのは私達4人と1羽だ。

「さて、説明してもらおうかな。」

お父様に話しを促される。

「説明と言われても、どう話したらいいか…。」
「それなら質問をするから、それに答えてくれるか?」
「はい。分かることでしたら。」
「その鷹と会ったのはいつだ?」
「うーん。ずっと前?」
「記憶を無くしているのに、そこは覚えているのか?」
「はい。不思議な事に。」

前世的なものは覚えています。

口には出さず、心の中で付け足した。

「それは僕達のせいかも。」
「僕、達?もしかして…」
「うん。あんこと、きなこもそのうち来るよ。」
「本当なの!?」
「わ…じゃなかった、リーナに嘘は言わない。」
「そっか。会えるのが楽しみ。……でも、ここに来るということは。」

前世で亡くなってしまったと言う事よね…。

「それは違うよ。」
「ん?私、口に出てた?」
「ううん。僕達は繋がってるから。」
「どういう事?」
「そのままの意味だよ。」
「ちょっと待ってくれ。話を戻してもいいか?」

私とピッピが話していると、お父様は脱線した話を元に戻そうとする。

「あ、お父様ごめんなさい。つい…。」
「いや、今の話にも聞きたいことはある。だからこそ、順番に聞いていきたい。」
「記憶がないのが、君達のせいとはどう言う事だ?」

“リーナ、前世の話をしても良い?”

頭の中に声が響いてくる。

「え?」

ピッピがこちらをじっと見る。

テレパシー?
これが繋がっているということなのかな?
この事も説明して貰わないと…。

前世に遡らないと説明ができないなら仕方ないのかな…。

“リーナに危害を加えるようなら僕達が守るから安心して。”

「そういう事じゃないんだけどな…。」
「リーナどうしたんだ?」
「何でもありません。…ピッピお願い。」
「それじゃ、リーナの前世まで遡るね。」

ピッピはあの日あった事を話し始めた。

「リーナは、前世で僕達の主だった。でもあの日の夜、眠りについたリーナはそのまま起きなかった。僕達が呼んでも、揺すっても動かなかった。どれ位経ったか僕達には分からないけど、ある日男の人と女の人が来た。その人達はリーナ…その時は和菓だね。和菓に抱きついて泣いてた。」

きっとお父さんとお母さんだ…。

「僕達はそのふたりに引き取られたけど、度々元の家へ和菓を探しに行ったんだ。道が分からなくて、いつも辿り着けなかったけど…。何かしてあげることができたんじゃないか。僕達がいたから、あんなになるまで頑張ってしまったんじゃないか。毎日考えてた。」
「ピッピ…。」
「そしたら、光る人が出てきて僕達に言ったんだ。『そんなに思っているなら、生まれ変わった和菓を助けてあげて。』って。」
「光る人?」
「そう。もちろん、僕達は即答した。その瞬間、目の前が明るくなって、知らない場所でこの姿になっていた。その時にふたりと離れたみたい。だけど、僕の中に和菓を感じる事ができたから寂しくなかった。」
「私を感じる?」
「うん。」

私はお父様へ視線を移した。

「……お父様。私はこちらへ生まれ変わってからの記憶はありませんが、生まれ変わる前の記憶はあるのです。まるで、中身が入れ替わったようだと感じていました。すぐに話せなくて、ごめんなさい。」
「謝らなくていい。リーナはリーナだからな。」

兄様たちも頷いている。

「ありがとうございます。」

少し、涙が出た。

「事の流れは分かったが、サリーナを助ける為に来たというのは、どういうことだろうな。君が来たのと、記憶を無くしたのは関係があるんだろう?君の中にリーナを感じるのも気になる。そして、君が『達』と言っているからには、まだ仲間がいるんだな?」
「あんこと、きなこがいるよ。僕がここに一番近かっただけ。」
「あんこと、きなこ?」
「犬と猫です。でも、ピッピもインコから鷹に変わっているから、どんな姿かは分かりません。」
「僕もこっちでは会ってないから分からないよ。」
「そうか。どうしてここが分かったんだ?」
「今日、来た時には感じなかった和菓?サリーナ?の魔力を感じたから。」
「さっきのあれか。」
「うん。後の事は、なんとなくとしか言えない。」

それ以上は分からず、今日の所は終了となった。

「お父様。あの…ピッピですが、部屋で飼っても?」
「飼うという表現が正しいかは分からないが、リーナの助けになる者だ。近くにいた方がいい。それと名前だが、不要な詮索を受けない為に、こちらの言葉の呼名も付けた方がいいと思うぞ。」
「そっか。ピッピは別として、あんこやきなこはないか…。」
「そうなの?」
「うん。」
「良く食べていたのにね。」
「餅もないの…。」

サリーナは、肩を落とした。



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