ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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48 サリーナの力

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「ザック様、どうしました?」
「僕、小さな火種を出そうとしただけなのに…。こんな威力、出したことないんだけど。」
「え?そうなのですか?」
「うん…。」

私達は顔を見合わせてから、お父様を見る。

今、気づいたけど、また変な顔してる…。

お父様達は、少し前同様、口を開けて目を点にしていた。

「ザック様…。お父様達は、放っといて魔法の練習しましょうか。」
「良いのか?」
「私まだ何もしていないのですよ?それなのに…。」

この先も繰り返す予感しかしないもん…。

「何もしていない事は、ないと思うよ?」
「でも、まだ火も風も水も氷も土も光も闇も、使えていません。」
「あの煙は、なんの魔法?」
「………さぁ?」

何だろう…?

そこで、パールに話しかけられた。

「リーナの魔法は、こちらの世界で分類分けできないかもしれないわね。ただ魔力を流しただけでしょ?」
「うん。目に見えるようになったら良いな、と思って流しただけ。」
「深く考えないで、リーナ独自の魔法でいいんじゃない?」
「…そうかな?」
「だって、アイザック君に言われるまで、気にしていなかったでしょ?」
「うん、まぁ…。」
「別に分類分けしなきゃいけないこともないんでしょ?」

私はザック様を見た。

「確かに、そんな決まりはないね。」
「ほら!」
「じゃあ、リーナ魔法ってところか。」
「ザック様、リーナ魔法って…。」

そのままのネーミング…。

「そういえば、ルーフとアルは?」
「離れて、魔法の練習をしているわよ。ほら、あれ。」

私とザック様はパールが見た方向に視線を移した。遠くの方に、爆発や竜巻などが見える。

「いつの間に…。」
「リーナが魔法の練習をしたいと話した時くらいかしら。」
「もう、1言あってもいいのに。」
「私はこっちに残ったし、取り込み中だったからね。」
「取り込み中って…。」
「あら?ふたりでイチャイチャしていたでしょ?」
「イッ!?」

ザック様の顔が一気に赤くなる。

「あれは、魔力の滞りを直していただけよ?」
「はいはい。」
「パール!」
「魔法練習するんでしょ?とっととやりなさいな。」
「もう!ザック様、始めましょう。」
「あ、うん。…リックとリオンは、どうする?」
「忘れてました。…それにしても、まだあの顔のままですか?さっきから結構話していますよね?」
「そうだね…。」
「全くもう…。お父様!リック兄様!リオン兄様!ロンド!メル!いい加減になさってください!」

サリーナは声のボリュームをあげ、皆に声をかけた。

「「「リーナ。」」」
「「サリーナ様。」」
「私達は、魔法の練習をしますよ。リック兄様、リオン兄様はどうなさいますか?」
「「…する。」」
「お父様。良いですよね?」
「ああ。…もう何があっても驚かない。」

私達はお父様から少し離れて、各々練習することにした。

「えーと、まずは火から…」

イメージは、ロウソクの炎。

サリーナの指先に、火が揺らめいた。

「できた!次は水!」

シャボン玉の中に水を入れるイメージ。

手のひらの上に小さな水の球体ができた。

「次は氷!」

手のひらの球体を凍らせる。

「うん、うん!後は、土…何すればいいんだ?うーん…土人形しか思い浮かばない…。」

私は地面に手を置き、小さな人形を思い浮かべる。すると、少しずつ形作られて、小さなマネキンができた。

「これを動かすこともできるのかな?」

イメージするが、それは無理だった。

「闇魔法で憑依させるとか?………怖いから、今はやめておこう。次、風!」

作った人形を浮かせてみる。

「人形の周りに風を纏わせて、ヒューン!」

ヒューンまでは行かなくても、浮かす事はできた。

「最後は光か…。」

どうしよう…。そもそも、何が光魔法?

私は、お父様に聞くことにした。








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