88 / 142
85 部屋作りのイメージ決定
しおりを挟む
「美味しそうなりんごばかりね。」
「はい。」
「リーナ、採るよ~!」
「私もそちらに行くわ。ルーフとメルで、採ったりんごをキャッチしてね。」
私は木の上まで飛ぶと、アルと私が採ったりんごをそっと落とした。
それを、ルーフは身体に乗せたバスケットでキャッチし、メルは着けていたエプロンを広げてキャッチする。
あっという間に多くのひめりんごが採れた。
「バスケットいっぱいね。これ以上採ったら、飛んでいる間に落ちてしまうわ。もう終わりましょう。」
「「「はい。」」」
「さぁ、帰りましょうか。」
その時、青く小さな花が私の視界に入った。
「ん?あれは…ブルースター?」
ブルースターといえば…。
「あれは、オキシ草ですね。茎の汁が肌につくとかぶれる事がありますので、お気をつけください。」
その説明を聞いて確信した。
「やっぱり、ブルースターのようね。こちらでは、オキシ草と言うのね。」
「あの花がどうなさいました?」
「思い出したの。花言葉が『幸福な愛、信じあう心』なのよ。サラ様のお部屋にぴったりでしょう?」
「花言葉ですか?」
メルは不思議そうに首を傾げる。
「こちらにはない?」
「どんなものでしょうか?」
「花に思いや意味を込めて、人へ送るのよ。一番有名なのが赤いバラね。バラは本数によっても意味が変わるの。1本なら『一目惚れ』、10本なら『貴方は完璧』、99本で『永遠の愛』、100本は『100%の愛』、もっと細かくあったけど、覚えているのはこれだけね。」
「素敵です。しかし、そのような物は我が国にはありませんね…。」
「そうなのね。では、リック兄様へ説明をしておけばいいかしら?ブルースター…いえ、オキシ草は花言葉だけでなく、サラ様のイメージとも合う可愛らしい花だわ。クッションやベッドカバーに刺繍しましょう。」
◇
「…という訳なのですが、兄様いかがですか?」
私は帰ってきたリック兄様との食事中、オキシ草について話をした。
「そんな意味があるんだな。聞いたらサラが喜ぶ。」
「では、それで進めます。他に用意する物でリクエストはありますか?ドレスは?宝飾品は?それから消耗品のブランドは?」
私は気になる事を一気に聞いた。そんな事は今まで無かったので、リック兄様は驚いている様だ。目をパチパチさせている。
「リック兄様?」
「……え、ああ。えーと…ドレスと宝飾品は、サラと一緒に見に行った。完成したらこちらへ運ばれてくる。」
「分かりました。」
「消耗品のブランドは…分からない。」
「そうですか。」
「聞いておくか?」
「それは無粋というものです。…私の記憶を頼りに用意してみます。」
「そうか?」
「はい。さっそく明日、仕事帰りに街に寄ってきます。」
「分かった。」
「はい。」
「リーナ、採るよ~!」
「私もそちらに行くわ。ルーフとメルで、採ったりんごをキャッチしてね。」
私は木の上まで飛ぶと、アルと私が採ったりんごをそっと落とした。
それを、ルーフは身体に乗せたバスケットでキャッチし、メルは着けていたエプロンを広げてキャッチする。
あっという間に多くのひめりんごが採れた。
「バスケットいっぱいね。これ以上採ったら、飛んでいる間に落ちてしまうわ。もう終わりましょう。」
「「「はい。」」」
「さぁ、帰りましょうか。」
その時、青く小さな花が私の視界に入った。
「ん?あれは…ブルースター?」
ブルースターといえば…。
「あれは、オキシ草ですね。茎の汁が肌につくとかぶれる事がありますので、お気をつけください。」
その説明を聞いて確信した。
「やっぱり、ブルースターのようね。こちらでは、オキシ草と言うのね。」
「あの花がどうなさいました?」
「思い出したの。花言葉が『幸福な愛、信じあう心』なのよ。サラ様のお部屋にぴったりでしょう?」
「花言葉ですか?」
メルは不思議そうに首を傾げる。
「こちらにはない?」
「どんなものでしょうか?」
「花に思いや意味を込めて、人へ送るのよ。一番有名なのが赤いバラね。バラは本数によっても意味が変わるの。1本なら『一目惚れ』、10本なら『貴方は完璧』、99本で『永遠の愛』、100本は『100%の愛』、もっと細かくあったけど、覚えているのはこれだけね。」
「素敵です。しかし、そのような物は我が国にはありませんね…。」
「そうなのね。では、リック兄様へ説明をしておけばいいかしら?ブルースター…いえ、オキシ草は花言葉だけでなく、サラ様のイメージとも合う可愛らしい花だわ。クッションやベッドカバーに刺繍しましょう。」
◇
「…という訳なのですが、兄様いかがですか?」
私は帰ってきたリック兄様との食事中、オキシ草について話をした。
「そんな意味があるんだな。聞いたらサラが喜ぶ。」
「では、それで進めます。他に用意する物でリクエストはありますか?ドレスは?宝飾品は?それから消耗品のブランドは?」
私は気になる事を一気に聞いた。そんな事は今まで無かったので、リック兄様は驚いている様だ。目をパチパチさせている。
「リック兄様?」
「……え、ああ。えーと…ドレスと宝飾品は、サラと一緒に見に行った。完成したらこちらへ運ばれてくる。」
「分かりました。」
「消耗品のブランドは…分からない。」
「そうですか。」
「聞いておくか?」
「それは無粋というものです。…私の記憶を頼りに用意してみます。」
「そうか?」
「はい。さっそく明日、仕事帰りに街に寄ってきます。」
「分かった。」
243
あなたにおすすめの小説
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる