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87 買い物

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私は学校の帰り、街にサラ様用の消耗品を探しに来た。

馬車から降りると、アルが肩にとまる。
サリーナは、アルを人撫ですると、歩き始めた。

「確かこっちよね…。」

目当ての店に向かう。

「いつもは家に来てもらうからなぁ…。あ、あった!」

そこは貴族御用達の日用品や消耗品の店。

「いらっしゃいませ。…!!スウィーティー様。ようこそおいでくださいました。」
「急に来てしまってごめんなさい。ちょっと見たいものがあって…。」
「そうですか。では、こちらへどうぞ。お前達、ここは頼む。」

店主が奥の部屋へ案内してくれる。

「今日は予定が変更になり店にいましたが、スウィーティー様に会えるとは…。相手方へ感謝しなくてはなりませんね。」

店主はにっこり笑って言う。

「まぁ、お上手ですね。」
「それで、見たいものとは?」
「お店のシャンプーや石鹸、香水など見せていただきたいの。」
「…もしや、お兄様の結婚準備ですか?」
「さすがですね。その通りです。」
「畏まりました。商品をご用意いたします。少々お待ち下さい。」

そう言って、店主は部屋を出て行った。

「ねぇ、リーナ。あの人にサラ様が何を使っているか、聞けばいいんじゃない?」
「サラ様がここで買っているかどうかは分からないわ。それに、聞いてしまってはつまらないでしょう?兄様に聞いて分からなかった時点で、自分で探そうと思ったのよ。同じものでなくてもいいと思うの。サラ様が好きそうな香りや使い心地を探すわ。」
「リーナと同じものは?僕、リーナの匂い好きだよ。」
「ありがとう。でも、サラ様はもっと…」

コンコンコン

「失礼いたします。」

そこでドアがノックされ、店主がワゴンに色々な種類の商品を乗せて戻ってきた。

「定番から最近の人気商品までお持ちしました。他にリクエストがございましたら、再度ご希望にあったものをお探しします。」
「分かりました。さっそくよろしいですか?」
「ご自由にお試しください。」
「では、これからお願いします。」

私が1つの石鹸を指すと、目の前に桶とお湯を用意してくれる。

香りと使い心地をチェック。

「う~ん…これは少し甘すぎるかしら。甘い中に爽やかさがほしい所ね。泡立ちももう少しある方が良いわ。」
「では、こちらはいかがですか?」

次は、店主に勧められた物を試す。

「これは…泡立ちがいいですね。でも香りが惜しい。何か違う様に感じます。う~ん…『甘い中に爽やかさ』ではなくて、『爽やかな中に少しの甘さ』の物はあるかしら?」
「それでしたら、こちらはいかがですか?」

この感じ…
香りも理想的!
泡立ちもふわふわ!

「これ、これにします。このシリーズの香水や化粧品もあるかしら?」
「シリーズはないのですが、同じ系統の香りの物をお試しになりますか?」
「ええ。お願いします。」

こうしてサラ様の物が決まり、私は店を出た。
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