ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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99 武道大会当日

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私達は馬車で騎士団の訓練場へ向かっていた。

「メルは、武道大会に行ったことがある?」
「いいえ、ございません。」
「どんな感じなのかしら。楽しみね。」
「そうでございますね。」

訓練場へ着くと、馬車の列が出来ていた。

「すごい列ね。」
「思ったよりも見学者が多いのですね。」
「そうね。」

降りる順番を待っていると、外が何やら騒がしくなってきた。

「どうしたのかしら。」

サリーナは窓から見ようとしたが、見えない。

「ここからでは見えないわね。」
「見てまいりましょうか?」

メルが席から立ち上がろうとする。

「馬車を降りるの?」
「はい。」
「そこまでしなくて良いわよ。」
「…畏まりました。」

メルは、そっと座り直した。

時間が経って、サリーナ達の順番になり、御者によってドアが開かれた。
今日の御者は副執事長のハリーだ。

「お待たせいたしました。」
「貴方のせいではないでしょう?順番待ちは仕方ないわ。」
「…その事ですが、礼儀のなっていない方がいらっしゃるようですので、お気をつけください。」

ハリーは、小声でサリーナへ注意を促した。

さっきの騒ぎの事ね。

「分かったわ。」
「メル。私も馬車をおいたら、すぐに合流いたします。それまで、サリーナ様を頼みました。」
「承知しました。」

そう言うと、ハリーは馬車置き場へ向かった。

「メル。行きましょうか。ここにいては、次の方の邪魔になってしまう。」
「はい。」

私達は、訓練場に向かい、歩いていく。近づくにつれ、だんだん賑やかになってきた。
訓練場は、以前来たときと違い、階段状の台が左右に置かれ、その上の椅子に座ることができるようになっている。
すでに、全体の3分の2はうまっていた。

「座る場所は何処でもいいのかしら?」
「どうなのでしょう。」

ふたりで悩んでいると、馬車を置いてきたハリーがやってきた。

「早かったわね。」
「馬車置き場が広くて、助かりました。順番待ちせずに置くことができましたから。」
「そう。」
「どうなさったのですか?」
「座る場所を考えていたのよ。」
「一般公開ですから、何処でも自由ですよ。…まぁ、貴族の方は、最上段に座ることが多いようですが、決まってはいません。」
「ハリーは来たことがあるのね?」
「はい。何度か。」
「まぁ、心強い!では、おすすめの席を教えてくれる?」
「私は、最前列が好きです。やはり、迫力が違います。」
「うん、うん。それなら、ザック様を近くで見たいし、最前列にするわ。」
「サリーナ様ならそうおっしゃると思っておりました。」
「さあ、皆行きましょう。」

私は、メル、ハリー、ルーフ、アルと最前列の空いている席に座った。


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