ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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109 黒豹②

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「それで、俺のことだよね?俺は、名前はない。人と契約をしたことがないから。したいと思ったこともないし。この辺りは俺の縄張りだから見回りしてたところだよ。敵が来たら、他の魔獣を逃さないといけないからね。」
「逃がす?」
「この辺りは弱い魔獣が多いんだ。」
「そうなのね。貴方は他の子を守っているのね?」
「守っているとか大層なことではないよ。俺の縄張りで勝手なことをされると気分が悪いだけ。」

この子、良い子ね。

あれ?ルーフは森で戦いを挑んでいたのよね?もしかして…

「話は変わるのだけれど、この子…ルーフの事は知ってる?」
「見たことはある。でも、俺の縄張りでは何もなかったから、特に何もないよ。」
「貴方の縄張りでは?」
「他の所の事は興味ない。」

黒豹は、本当に興味がなさそうだ。

「他に質問は?」
「そうね…」

私が質問をしようとすると、ルーフが横から口を出した。

「血の気の多いやつはどこにいる?」
「血の気が多い?」
「俺は、力比べに戦いたいんだ。」
「あ~、そういう面倒くさいやつなら、もっと奥にいるよ。」
「分かった。奥だな。」

ルーフ、貴方も面倒くさいと言われているのよ…。

「リーナ、行こう!」

ルーフは嬉々として奥に向かう。

「おい!サリーナやマイスウィートも連れて行く気か!?」
「は?当たり前だろう。」
「わざわざ危険地帯に連れて行ってどうするんだ!」
「危険地帯なのか?」
「争い好きな奴らのところが危険じゃなかったら、何なんだ。」
「あら、面白そうね。」
「マイスウィート!?」
「はぁー、パールよ…私の名前。」

パールは大きく溜息をついた後に、黒豹へ名乗った。

名前を隠すのを諦めたわね。

「パール…。いい名前だな。」
「それは、ありがとう。リーナがつけてくれた名前よ。」
「俺は、ルーフだ。」
「聞いてないんだが。」
「一応、知っとけ。パールそれと主が一緒だ。」
「え?ひとりに契約獣が2匹!?」
「いいえ。2匹と1羽よ。」

サリーナは、空を指さした。
そこでは、アルが楽しそうに回転している。

目が回らないのかしら?

「全てサリーナとの契約?」
「ええ。」
「アンタ何者?」
「?」
「魔力の供給負担が多いだろうに…。」
「そうなの?確かに複数の契約は珍しいようだけど、魔力の供給云々は気にならないわ。」
「凄いな…。で、そっちの主殿は?」

黒豹はアイザックに声をかけた。

「俺?俺は、誰とも契約していない。」
「でも、さっきパールが…。」
「ああ、ふたりが主というやつか。それは、俺がパールと生活をしているからだな。」
「は!?…俺のライバルはアンタか!」
「それは、勘違いだ。俺はリーナの婚約者。リーナからパールを預かっているんだ。」
「何だそれ。意味分からないな。」
「分からなくていいのよ。関係ないんだから。」
「そうだね。これから知っていけばいい。」

アイザックと話していた黒豹に、パールが冷たく言い放ったが、黒豹は特に気にした様子がない。

「…本当に話が通じないわ。」
「ポジティブね…。」
「リーナ、良いように言ったわね。」
「…」









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