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124 王城にて

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人目につくときには飛ばないようにしていたけれど、これが一番速いから…うん!仕方ない!
他の人を驚かせるかもしれないけど、別に隠すことでもないしね!

サリーナは、誰にともなく言い訳をして飛びながら、ルーフに呼びかける。

何もないと良いけど…。

“ルーフ。聞こえる?”
“問題ない。”
“すぐ行くわ。”
“魔力封じがあるから気をつけろ。”
“………ん?魔力封じ?”
“ああ。”
“でも、私達…会話しているわよね?”
“そうだな。”
“これは、関係ないの?”
“実感としては、少々力が落ちるくらいだな。”
“…そうなの?”
“リーナが来ても問題ないと思うが、王子もつれて来るのが無難だな。”
“敵は?”
“術者と見張りは、俺の横で寝てる。”

それって…

“…例の気配は?”
“ここの近くにはない。”
“分かったわ。”

「アル、聞いてた?」
「うん。ルーフ、元気そうだったね。」
「大した事なさそうだし、アルは家に戻る?」
「油断大敵!それに、ここまで来て戻れないよ~。」

“リーナ!”
“パール。”
“どう言うことよ!説明なさい!”
“あ、うん…。今、お父様に会うために王城へ向かっているわ。”
“アイザックくん連れてすぐ行く!”
“ザック様だって、仕事中の筈よ?!”
“犬が言っていたでしょ?あいつの言う王子は、アイザックくんでしょうが!”
“そうだけど…。”
“いいから!あとで!”

「また迷惑を…。」
「あの時、防いでいれば良かったね~。」
「アル…。」
「何?」
「いえ…。その通りです。」

そんなやり取りをしながらも、猛スピードで飛んでいたサリーナたちは、すぐに王城に着いた。

王城の裏庭に降りる。

「お父様の所へ急ぎましょう。」

その場から移動しようとすると、お父様がこちらに向かって早足でやってきた。

私の魔力に気づき、急いで来たのだろう。
息が上がっている。

「リーナ、何事だ?」
「お父様。実は…」

サリーナは、声を潜めて経緯を説明した。

「全く、お前は…。」
「申し訳ございません。」
「いや…こちらも手間取っていて、すまない。」
「そんな。お父様が謝ることでは!」
「…アイザック殿下へ連絡は?」
「パールから話がいっています。」
「あとは、剣の…団長に話を通すか?」
「?」
「魔力封じがあるのだろう?」
「そうです。ですから、ザック様が…。」
「アイザック殿下は、強い。しかし、経験不足だ。魔法を使えないとなると、どうなるか。用心に越したことはない。」
「それは…。」

その時、遠くから名前を呼ばれた。

「リーナ!」
「ザック様。」

ザック様とパール、そして黒豹に、ハンス隊長…と騎士の皆さん?



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