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125 扉

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「ザック様。」
「パールから話は聞いた。」
「あ、はい。えーと、」

皆、びしょ濡れだ…。

「とりあえず雨を防ぎましょうか。」

サリーナは、駆け寄ってきたアイザックと、その後ろの騎士達を見て、雨よけの魔法を使った。ついでに隊服も乾かしておく。

ハンス隊長を含めた騎士達は、自分達の服を見て驚き、何かを話し合っている。

「リーナ、ありがとう。…隊長に事情を話したら、皆で行くことになった。」
「…お仕事は?」

色々な問題が起きて大変な筈よね?

すると、ハンス隊長が説明してくれる。

「今は落ち着いています。隊の半分ですが、同行させていただきます。大元を叩けば、この雨も被害も終わるだろうと言う結論に至りまして…。団長からの命でもあり、騎士の配置も変更済みです。」
「しかし、関係があるとは言えません。」
「無いとも言えませんよね?我々は、可能性は高いと考えております。」
「魔力封じがあるなら、騎士団の手助けはありがたい。不甲斐ないが、剣だけなら俺はまだ隊長に勝てないしな。」
「……分かりました。しかし…」

ザック様となら飛んで一直線。
でも、騎士達に魔法をかけて『飛んで下さい』も無理よね?
飛ぶのにも慣れが必要だし、どうしましょう…。

「リーナ。騎士団では、」
「そうです!あれを試してみましょう!」

考え込んでいたサリーナとアイザックの声が重なった。
ある事を思いついたサリーナは、それに気づかず、某アニメのある道具を思い浮かべ、何もない所へ手をかざした。

瞬間移動は無理でも、もしかしたら…。
ルーフの魔力を感じて…、ここの場所と繋げて、っと…。

すると、何も無かったところに扉が現れた。

…!!!!!…

サリーナとアル、パール以外のそこにいた人達は、驚きの表情を浮かべ固まる。

「これってあれだよね?」
「ええ。あれね。」

アルとパールの声が呑気に響く。

「リーナ?何だこれは?」
「扉、だよな?」

免疫のあるアイザックとジャックはすぐに我に返り、サリーナへ問いかける。

「はい。扉です。…ちょっと失礼します。」

サリーナはその問いに肯定し、扉に近づく。

「おい!リーナ?!」
「リーナ!危険かもしれない。俺がまず見る。」

それらの言葉でサリーナは止まることはなく、側にアイザックが来る前にドアノブを回した。

ガチャ
キー…

サリーナは、覗き込むようにしながら、扉をゆっくり開けた。

「リーナ、来たな。」

扉の向こうには、ルーフの姿があった。





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